エジプトリクガメ、シロサイ、ラスティーパッチド・バンブルビー、マレーバク、ワオキツネザル…絶滅危惧種たちがリストアップされたレッドデータブックには滅びゆく者たちの哀愁と、人類の懺悔が充満しています。


そして、スポーツの世界にも赤信号が点滅している絶滅危惧種たちが、身悶えしています。

人類が懺悔する必要こそないものの、そこにも哀しく深い哀愁が漂っていることは変わりません。

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千賀滉大は「3割打者が絶滅する時代が来る」と予言しました。

「投手はいろいろ勉強し、情報を入れ、トレーニングに生かす環境が整っている。各数値を見ても平均球速や変化球のスピード、変化量とあらゆるものが上昇している」。

「一方の打者もトレーニング方法や打撃に関する情報はたくさんあるものの、打つ、走る、守ると必要のある練習量が単純に多く、急速に進化を遂げる投手に対応するのは容易ではない。そんな時代なのかなと」。 


ラプソードなどの先進の機器と、SNSの発展・オープンシェアによって、一流投手のボールの握りや手首の角度、リリースポイント、ボールの回転数・回転軸などが誰にでも簡単に分かる(学習できる)時代になりました。

かつて、野球界では「打者はいくらでも練習できるが、投手の肩は消耗品」と考えられ、長らく「打高投低」が常識でした。

しかし、トミー・ジョン手術など外科医療の普及は「投手の肩は再生可能」になったばかりか、「手術した方が球速が上がる」という話もまことしやかに語られています。

加齢の中でもパワーやスピードは維持、あるいは劣化を緩やかに抑えることができます。

アスリートが加齢の過程で最初に失うのは反射です。

つまり、加齢の厳しさは打者の方が重くのしかかるのです。

「50歳まで現役」と語っていた、あのイチローですらも反射の衰えはどうしようもありませんでした。

野球の打者で、反射の衰えは致命的です。 それなのに、加齢によって真っ先に喪失するのが反射なのです。

一方で、自分だけのタイミングで投げることができるピッチャーにとって反射の衰えの影響は、打者ほど大きなものではありません。

もちろん、野球の世界で、何を持って「打者有利」「投手有利」というのかもわかりません。

「3割打ったら一流」という世界では、そもそも投手が圧倒的に有利と考えることもできます。

絶対的に「受け身」で「反射が重視」される打者が、圧倒的に不利なことは間違いありません。

ホームラン競争でプロの超一流打者が当たり前にミスショットするのを目の当たりにすると「3割打てば一流」が身に沁みて納得できます。

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現在の3割打者は、セ・リーグで宮崎敏郎(334)、西川龍馬(316)、サンタナ(309)の3人だけ。

パ・リーグも頓宮裕真(312)、柳田悠岐(307)、近藤健介(301)の3人ですが、近藤は今日にも〝陥落〟しておかしくありません。

そして、パ・リーグの10位は牧原大成の259。2割5分台でトップ10という状況です。

打撃10傑に入るには3割がボーダーラインと言われた時代が、遠ざかりつつあるのかもしれません。

もちろん、投高打低が目に余るようだと〝飛ぶボール〟の導入〝ラッキーゾーン〟〝ホームランテラス〟の設置などが積極的に進められるでしょうから、3割打者が絶滅しても次のシーズンでは〝是正〟されると思われます。

とはいえ、今シーズンは現時点で3割打者は両リーグ合わせても6人、来年にもどちらかのリーグで〝絶滅〟したとしても大きな驚きではありません。