Quadro Alas、ジョンリール・カシメロです。

私の大好きなロード・ウォリアーの典型です。

時系列で並べると、2007年にデビューした母国フィリピンを振り出しにアルゼンチン、メキシコ、南アフリカ、パナマ、タイ、中国、イギリス、米国、韓国と9カ国をサーキット。

ジュニアフライ級、フライ級、バンタム級と3階級で世界王者になったのは全て敵地。

ロードウォリアーは敵地を渡り歩くわけですから、多くの場合ヒールの仮面を被ることになります。ホームを守るベビーフェイスに、悪役ヒールが襲いかかる絵面が富裕国のファンを喜ばせるのです。

WBO暫定のジュニアフライ級タイトルを獲得したのが、2009年。

2009年…。察しの良い読者の方はお気づきでしょう。この頃はマニー・パッキャオが米国で驚天動地の大活躍、フィリピンでも神様扱い、その眩しすぎる太陽の前に、敵地で行われ欧米での扱いが小さい軽量級で、時差まであるカシメロの世界戦が生中継されることはありませんでした。

「世界戦が生中継されない」。

日本ではすっかり当たり前のことになりました。

特に、日本人が海外で世界挑戦するケースでは「日本人でも人気のない選手で、相手が強い王者であることが多く、勝利が見込めない」ことから生中継されることはまずありません。

しかし、バスケ、ビリヤードに並んで「3B」と呼ばれるメジャースポーツの一角を占めるフィリピンでボクシングの世界戦が生中継されないのは、史上初めてのことでした。

軽量級がほとんど認知されていない欧米はもちろん、フィリピンでも史上最も名前の知られていない世界王者、それがジョンリール・カシメロでした。

しかし、世界トップ戦線で14年も活躍、潮目は明らかに変わってきています。



Frirday 13, May 2023
  
Okada Manila Hotel and Casino, Paranaque City, Metro Manila
 

commission:Philippine Games & Amusements Board
promoter:Masayuki Ito 


日本のプロモーション、Treasure Boxing(TB)が看板選手として迎え入れるまでになりました。



5月13日、カシメロはマニラで開催されるTBの興行第3弾にも参戦、WBO世界ジュニアフェザー級10位フェリップス・ヌギチュバと対戦します。


カシメロが強いのはわかっています。しかし、Energyの異名を持つこのヌギチュバも侮れません。戦績は13戦12勝11KO1敗の27歳。唯一の敗北は2007年9月のデビュー戦ですから、現在12連勝中です。



カシメロがリングに上がる十番目の国がどこになるのか? 4階級制覇を狙うその相手は誰になるのか?…。

軽量級の面白さを識るボクシングファンの頭の中には、なんの迷いもなく、たった一つのマッチアップだけが思い浮かんでいるはずです。