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昭和レトロなお店でライスカレーをすすりながら…。本文とは関係ありません。




日本人はスポーツに何を期待して来たのでしょうか?

もちろん、それは一つではないでしょう。

もちろん、人によっても違うでしょう。

野球ファンとサッカーファン、大相撲ファンでは期待する中身も違うでしょう。

しかし、その思いを蒸留して行くと、独断と偏見になりますが、「アメリカを力で倒す」ことに行き着くのではないでしょうか?

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栗山英樹監督の「アメリカをやっつけた時はうれしかった」という感慨は、「ドミニカ」でも「キューバ」でも「韓国」でも代替しえなかったいう思いは、わたしだけではないでしょう。

「アメリカ」でなければダメなんです。

力道山がどうしてあれほどの人気を博したのか、その理由はテレビという新しいメディアをいち早く取り入れたから、というのが定説です。

しかし、それは間違いです。そうであるなら、大相撲や六大学野球がもっともっと人気があって良かったはずです。

力道山があれほど熱烈に歓迎された最大の理由は大きなアメリカ人を叩きのめしたからです。

王貞治の本塁打に日本列島が沸騰したのは、713号や856号という数字の大きさからではありません。

ベーブ・ルースとハンク・アーロンというアメリカ人のスラッガーが刻んだ記録だったからです。

そして、力道山の空手チョップも、王貞治の大きなアーチも、本当に米国を叩きのめし、米国を抜いたわけではないことを、当時の人々ですらなんとなくわかっていました。

「プロレスは八百長だから力道山でも勝てる」「レベルの低い日本のプロ野球、小さな箱庭球場と飛ぶボール、圧縮バットだからホームランを量産できる」…。

本物のアメリカと真剣勝負して、日本人が勝てるわけがない。そもそも、日本人ではアメリカ人と真剣勝負する舞台に辿り着くことすら出来ない。

そんな諦観を心の奥底にしまっている人が、過半数でした。

ボクシングでも西岡利晃のMGMグランドや、井上尚弥のPFPは、まさしく〝力道山〟で、彼らの視界に入ることすら出来ませんでした。

味方であるはずのESPNに「井上は全く無名」と切り捨てられ、世界戦でも記事にされないことがあっても、甘受するしかありませんでした。

イチローは正攻法でMLBにクサビを打ち込みましたが、それは精緻なトランジスタラジオでありウォークマンでした。

もちろんイチローのやり方こそが、日本の偉大な王道です。

それでも、「イチローは象ではない、蝿だ」という声に、ほんの少しだけ神経が逆撫でされたこともありました。

日本人はウォークマンは作れても、iPhoneを発明することは出来ないのでしょうか?

トランジスタラジオは作れても、アポロやスペースシャトルは構想出来ないのでしょうか?

そんなときに、スペースシャトルを嘲笑うようなアンドロメダまで何往復も出来そうな巨大戦艦が日本から出航しました。

象どころか、絶滅した恐竜のような破壊力を持つ日本人が、米国のメジャースポーツの舞台で大暴れしています。

イチローのあと、振り子打法を真似て高打率を残す打者が数多く出現し、最多安打のタイトルが脚光を浴びました。

しかし、二刀流のあとに続く才能はいまだに現れず、大谷ルールは彼だけがその恩恵を受けています。

アメリカの度肝を抜く彼の活躍をもって「日本人が力でアメリカを倒した」とみなして良いのか?

それとも彼は日本人の枠などはるかに超えた人類の突然変異、まさにユニコーンなのだから〝別枠〟で考えるべきなのか?