マニー・パッキャオがボクシングシーンに残した爪痕は数え切れません。
日本、アジアのボクシングファンにとっては、表層的な偉業だけではありません。
欧米では注目されない軽量級を世界王者のスタート地点として、米国で最も人気のあるウェルター級、ジュニアミドル級までを席捲するという下剋上キャリアを魅せてくれたことが痛快でした。
最近でも、ポール・バトラーが王者として情けない戦い方に終始したことを聞かれて「バンタム級では生活が成り立たない(職業として成立しない)が、私は大金を手にした」と〝他のバンタム級選手と比べたら私は完全な勝ち組〟と、試合に負けてもプロボクサーとしては勝ったという趣旨の発言を吐きました。
層が薄く、大きく取り上げられることのない軽量級を、欧米のボクシングファンは嫌っているというよりも(嫌ってくれているのならまだ救いがあるのですが)、よく知らない、知ろうともしない、つまりは視界に入っていない、無関心という最低の扱いなのです。
PFPランキングで2年もキングに君臨したローマン・ゴンサレスも「専門家」という密室の中だけで評価されるだけで、一度もファイトマネー100万ドルにも届かないままキャリアを閉じようとしています。
PFP常連のファン・フランシスコ・エストラーダも悲惨です。昨春、ジョシュア・フランコとの試合が落札された金額は、たったの12万ドル。エストラーダが9万ドル、フランコが3万ドルというものでした。
2021年には、ジョンリール・カシメロとポール・バトラーとの試合も10万5000ドルで落札されるなど、軽量級の市場価格は「人気のある階級とは全く別のスポーツ」(バトラー)という悲惨な現実なのです。
バトラーや、「体が小さく生まれてしまうのはボクサーにとって不幸」と嘆くエストラーダらには「だったら人気階級でやれ」という身も蓋もないコメントも浴びせられました。
軽量級は報酬が悲惨だから人気がない、だから層も薄くレベルも低いーーー日本のボクシングファンですらそう思っていました。いいえ、パッキャオがリングを去った今、再びそんな思考回路に陥っているのではないでしょうか?
「史上唯一無二の8階級制覇」 「10代・20代・30代・40代、いずれの年代でも世界王者」「90年代・2000年代・2010年代・2020年代、4つのディケイドで世界王者」「世界ウェルター級王座に4度就く」「ウェルター級王者になった元最軽量級(フライ)王者」「大番狂せで3階級制覇(フライ・ジュニアフェザー・フェザー)」…。
パッキャオを彩る偉業は数え切れませんが、井上尚弥も日本に叩き返された「アジア」と「軽量級」という重い十字架を木っ端微塵に破壊したことこそが特筆されるべきでしょう。
表層的な偉業になりますが「Lineal Titile(正統王座)5階級制覇」も史上唯一無二の大記録です。パッキャオはフライ、フェザー、ジュニアライト、ジュニアウェルター、ウェルターでLineal Championに就きました。
現在の17階級で、Lineal Championは寺地拳四朗(ジュニアフライ)、エストラーダ(ジュニアバンタム)、井上(バンタム)、デビン・ヘイニー(ライト)、ジョシュ・テイラー(ジュニアウェルター)、ジャーメル・チャーロ(ジュニアミドル)、カネロ・アルバレス(スーパーミドル)、アルトゥール・ベテルビエフ(ライトヘビー)、ジャイ・オペタイア(クルーザー)、オレクサンダー・ウシク(ヘビー※)の10人。
空位の7階級のうち、フェザー級とウェルター級はパッキャオが返上・引退したことで今も空位のまま。
フェザー級は更なる階級制覇を目指して2005年で返上、ウェルター級は2016年に公式に引退宣言したことで空位になりました。
ベルトの存在しないタイトルを「返上」というのも、ちょっとおかしな気もしますが、それがLineal Championです。
パッキャオ以来、空位が続くフェザー級とウェルター級のLineal Championの玉座を埋めるファイターはいつ現れてくれるのでしょうか?
※Lineal Championは「王者に勝ったものが王者」が大原則ですが、王者が亡くなったり引退したケースは決定戦が行われます。王者タイソン・フューリーが公式に引退宣言を出し、ウシクが3団体統一したことを受けてLineal Championもリング誌もタイトルを移動しました。
「王者に勝った者が王者」という鉄則も、気まぐれに引退宣言を繰り返すフューリーのような存在には、さすがのLineal Titleも掻き回されてしまいます。
日本、アジアのボクシングファンにとっては、表層的な偉業だけではありません。
欧米では注目されない軽量級を世界王者のスタート地点として、米国で最も人気のあるウェルター級、ジュニアミドル級までを席捲するという下剋上キャリアを魅せてくれたことが痛快でした。
最近でも、ポール・バトラーが王者として情けない戦い方に終始したことを聞かれて「バンタム級では生活が成り立たない(職業として成立しない)が、私は大金を手にした」と〝他のバンタム級選手と比べたら私は完全な勝ち組〟と、試合に負けてもプロボクサーとしては勝ったという趣旨の発言を吐きました。
層が薄く、大きく取り上げられることのない軽量級を、欧米のボクシングファンは嫌っているというよりも(嫌ってくれているのならまだ救いがあるのですが)、よく知らない、知ろうともしない、つまりは視界に入っていない、無関心という最低の扱いなのです。
PFPランキングで2年もキングに君臨したローマン・ゴンサレスも「専門家」という密室の中だけで評価されるだけで、一度もファイトマネー100万ドルにも届かないままキャリアを閉じようとしています。
PFP常連のファン・フランシスコ・エストラーダも悲惨です。昨春、ジョシュア・フランコとの試合が落札された金額は、たったの12万ドル。エストラーダが9万ドル、フランコが3万ドルというものでした。
2021年には、ジョンリール・カシメロとポール・バトラーとの試合も10万5000ドルで落札されるなど、軽量級の市場価格は「人気のある階級とは全く別のスポーツ」(バトラー)という悲惨な現実なのです。
バトラーや、「体が小さく生まれてしまうのはボクサーにとって不幸」と嘆くエストラーダらには「だったら人気階級でやれ」という身も蓋もないコメントも浴びせられました。
軽量級は報酬が悲惨だから人気がない、だから層も薄くレベルも低いーーー日本のボクシングファンですらそう思っていました。いいえ、パッキャオがリングを去った今、再びそんな思考回路に陥っているのではないでしょうか?
パッキャオを彩る偉業は数え切れませんが、井上尚弥も日本に叩き返された「アジア」と「軽量級」という重い十字架を木っ端微塵に破壊したことこそが特筆されるべきでしょう。
表層的な偉業になりますが「Lineal Titile(正統王座)5階級制覇」も史上唯一無二の大記録です。パッキャオはフライ、フェザー、ジュニアライト、ジュニアウェルター、ウェルターでLineal Championに就きました。
現在の17階級で、Lineal Championは寺地拳四朗(ジュニアフライ)、エストラーダ(ジュニアバンタム)、井上(バンタム)、デビン・ヘイニー(ライト)、ジョシュ・テイラー(ジュニアウェルター)、ジャーメル・チャーロ(ジュニアミドル)、カネロ・アルバレス(スーパーミドル)、アルトゥール・ベテルビエフ(ライトヘビー)、ジャイ・オペタイア(クルーザー)、オレクサンダー・ウシク(ヘビー※)の10人。
空位の7階級のうち、フェザー級とウェルター級はパッキャオが返上・引退したことで今も空位のまま。
フェザー級は更なる階級制覇を目指して2005年で返上、ウェルター級は2016年に公式に引退宣言したことで空位になりました。
ベルトの存在しないタイトルを「返上」というのも、ちょっとおかしな気もしますが、それがLineal Championです。
パッキャオ以来、空位が続くフェザー級とウェルター級のLineal Championの玉座を埋めるファイターはいつ現れてくれるのでしょうか?
※Lineal Championは「王者に勝ったものが王者」が大原則ですが、王者が亡くなったり引退したケースは決定戦が行われます。王者タイソン・フューリーが公式に引退宣言を出し、ウシクが3団体統一したことを受けてLineal Championもリング誌もタイトルを移動しました。
「王者に勝った者が王者」という鉄則も、気まぐれに引退宣言を繰り返すフューリーのような存在には、さすがのLineal Titleも掻き回されてしまいます。



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フシ穴の眼
が
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