亀田興毅が「チャンピオンは増えているが、ボクシングの競技人口が年々減り続けている」と、ボクシングの地盤沈下に危機感を募らせ、新しい取り組みを立ち上げてから、もう2年になります。

昨年の今頃は、2021年12月末に決定していた「ゲンナジー・ゴロフキンvs村田諒太」がコロナ禍で無期限延期、先行き不透明な時期でした。

コロナ明けからしばらく経つ今日、1月6日現在と昨年1月22日のプロボクサー人口を比べてみます。

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世界の競技人口は2万人を割り込んだ昨年から13.27%伸長、2598人も増えて大台に戻しました。

日本の伸長率はさらに大きく、29.09%。昨年から270人も上乗せしました。特に目立つのが、昨年の6人から37人と6倍以上も増えたミドル級でした。

コロナ禍で18ヶ月以上試合間隔が開いてしまい、現役にもかかわらず、ランクアウトしてしまった村田諒太のようなファイターが〝復活〟したような事情が背景にあります。。

村田のケースは昨年はゴロフキン戦に向けてメラメラと燃えていたのにリストからハジかれ、引退状態の今年はリストアップされているという、ちょっと皮肉な形です。

世界と日本で、唯一数字を落とした日本のジュニアミドル(154ポンド)級からの昇級したボクサーが多いのかもしれません。

コロナ禍から離れて、ここ10年の世界的な趨勢として「ウェルター級が最も層が厚い」という公式が崩れています。

ウェルター級からミドル級を支えていた米国の黒人ボクサーがボクシングから離れ、代わりに旧東側諸国の階級的にバランスの取れたアマチュアボクサーのプロ転向でライト級が最も層が厚いクラスになっています。

もちろん、腐っても鯛。米国ではライト級(282人)、ジュニアウェルター級(308人)、ジュニアミドル級(312人)を抑えて、ウェルター級が397人でリーディングクラスの座を守り続けています。

日本人が4つのアルファベットタイトルのうち二つを占めルト期待されたストロー級は、残念ながらゼロになってしまいましたが、世界の競技人口が35.71%と、全17階級で最高の伸び率を示しています。

その一方で、欧米で関心の払われない軽量級の中でもストロー級は特にマイナーなクラス。 

日本のボクシングファンが憧れるラスベガスやニューヨーク、ロンドンの大会場を抱える米国のストロー級登録のボクサーはわずか3人、英国に至ってはなんと1人だけ。

もはや、英米では存在していないに等しい階級です。

バンタム級でもポール・バトラーが嘆いたように、先進国では「経済的に保障されているボクサーなんていない(職業として成立していない)」のが現実、軽量級の悲哀です。

欧米では重量級の世界王者はもちろん、ランカークラスでも職業として十分成り立っていますが、軽量級となると事情が変わってしまいます。

競技人口ではライトヘビー級やクルーザー級は、フェザー級やジュニアフェザー級よりもやや少ないとはいえ、その内容・質(ファイトマネーが高く、専業ボクサーが多い)は全く異なるのです。

ただし、これは英米の話。井上のように「パッキャオのようにMGMグランドガーデンアリーナでメイン」という夢にうなされなければ、どうでも良い話です。

軽量級でビッグファイトの舞台に上がるなら、日本しかあり得ません。レオ・サンタクルスやカール・フランプトンのレベルのビッグネームが現れると、ノニト・ドネアのように「日本開催しかない」というのとは違うタフな駆け引きが求められるでしょうが…。

2023年の軽量級シーンを、日本人ファイターを軸に展望してゆきます。