昨日のジュニアバンタム級団体統一戦。

個人的には117-111とつけましたが、これは「井岡が取ったのは3ラウンドしかない」という見方です。フランコが取ったのは7ラウンド。

〝保留〟の二つのラウンドをフランコに振って117-111もありと見ました。

この二つのラウンドを10-10にすると117-113、井岡のラウンドにすると115-113。クロスゲームになりますが、私の見方では井岡の勝ちはありませんでした。

それだけに、世界のメディアから不当判定はもちろん、地元判定という声もほとんどあがらず、ドロー判定を妥当と受け止めていることには軽い驚きを覚えました。

「どちらが科学的に戦ったか?」。その観点では精度の井岡かもしれませんが、それを帳消しにしてオツリが来るだけの手数と攻勢をフランコが12ラウンド一貫して見せたと、私は受け止めましたが…。

おそらく当日体重は両者に相当の差があった、つまり井上尚弥と並ぶリバウンド名人の井岡は思うように戻せず、フランコは上手く戻したのではないでしょうか?

ただ、両者ともに「決定的な場面を作る有効打」はありませんでした。

CompuBoxの数字が実際の試合を映し出すとは限らない、といういつものお断りをさせていただいて…。

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手数はフランコが1412発、井岡が797発、ダブルスコアにも届かんという大差がつきました。

しかし、着弾数はフランコ214、井岡202。ほとんど変わりません。当然、accuracy(命中率)はひっくり返ってフランコの14%に対して、井岡は27%、ほとんどダブルスコア。

着弾数の内訳はジャブが47-41、パワーパンチ167-161で僅かにフランコが上回るものの、スタッツでは互角でした。

着弾数は同じ、空振りの多いフランコと、精度で圧倒的に差をつける井岡。

試合終了ゴングを聞いてWBO王者が「勝った」と手応えを感じたのは、あながち大きな勘違いとは言えません。

フランコの見映えの良いパンチの他に、多くの人の目を惑わせたパンチがあったとしたら…。214の着弾のうち96発が、井岡というボクサーを特徴づけるボディだったことかもしれません。

直接的なダメージはなくても、あのボディショットがフランコの攻撃を分断させるシーンもありました。

個人的にはフランコが可哀想に思える議論を呼ぶ判定でしたが、スタッツを見ると井岡に厳しいスコアでした。

試合終了と同時に両者とも勝利を確信した、後味の悪い試合になりかねない試合にも思えましたが、救われたのは2人のファイターのコメント。

「ジャッジを尊重する。勝ったと思ったが、井岡はタフで上手かった。日本で再戦したい」というフランコの潔い姿勢。

フランコはもちろん、リングサイドのファン・フランコ・エストラーダも軽量級を心底愛してくれる日本のリングに感動してくれたはずです。

そして、この結果をどう受け止めるか心配した33歳の井岡も「完全に崩しきれなかった。舐めてたわけじゃないが、相手は王者、挑戦者ではなかった。気持ちの強い良い選手」と、やはり相手へのリスペクトを忘れず「次につながった」と現役続行を表明したことです。

「今は引退するかどうか考えられない」というようなコメントになると思っていましたが、井岡の中にもフランコ以上に「もっとうまく戦えた。再戦したら勝てる」という思いが強いのでしょう。

もう一度録画をじっくり見直したい、そう思えるなかなかない試合になりました。

一番複雑な思いをしたのは、リングサイドのエストラーダだったかもしれません。