Undisputed Champion of the world。

議論する余地のない世界王者。

団体と階級、世界タイトルが溢れているプロボクシングの世界は、議論する余地のある世界王者ばかりが溢れ、誰が最強なのかが分からないというスポーツではあり得ない状況が常態化しています。

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1988年にWBOが設立されて、4団体時代に突入してから34年。

それまでは各団体が各階級に1人ずつ世界王者を擁立、「団体数×階級数=王者数」という世界一が団体の数だけいる異常事態が続いていました。

そして「異常事態」の等式ですら成り立たなくなったのが、4団体時代です。

4団体時代も深まってくると同じ団体で同じ階級に上位タイトルを設定するなど、1団体1階級1王者の常識までもが崩壊します。

安易な王座返上(剥奪)と、複数階級制覇の流行が行き着いた先が、Undisputed championshipだという、皮肉な見方もできます。

統一戦をやっても、すぐにタイトルは返上され、コロコロ王者が変わるのですから、承認団体にデメリットはありません。



一人の強い王者が、一つの階級にとどまって強固な政権を築く…。他のスポーツでは当たり前のことが、ボクシングの世界では珍しくなってしまいました。

階級は17もある、団体は4つある、タイトルは「17×4」よりも多くある。

それが4Belt-Eraです。

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2004年にバーナード・ホプキンスが4つのベルトコレクションをコンプリートしてから18年。

よく「4団体統一王者は歴史上8人しかいない」という表現を耳にします。

それは間違いではありませんが、そもそもWBO発足以前は4団体もなかったのですから、誤解を招きかねません。

正確には「この18年で8人」です。

13日に完全統一するであろう井上もカウントすると9人。2年に一人が誕生している計算です。

2017年のテレンス・クロフォードを起点にすると5年で7人、1年に1人以上のペースになります。昨年12月のカネロ・アルバレスから井上までなら、1年で4人。

カネロを例外にすると、ホプキンス、ジャーメイン・テイラー、クロフォード、オレクサンダー・ウシク、ジョシュ・テイラー、ジャーメル・チャーロ、デビン・ヘイニー…全員が地味な実力者、つまりスターダムの頂点に立ったファイターではありません。

4-Belt Eraでスターのトーチをリレーしたオスカー・デラホーヤ、フロイド・メイウェザー、マニー・パッキャオはUndisputed championへの強いこだわりは見せず、ひたすらメガファイトを追求しました。

逆に、スターダムの頂点から見放されたメガファイトが望めないホプキンスらが、実力証明のためのツールとして見出したのが完全統一でした。

しかし、このツールを持ってしても彼らが頂点に立つことはなく、カネロにしてもすでにスターの座を手に入れてから完全統一に乗り出したのでした。

それでも、Undisputed championには安易な複数階級制覇よりもはるかに価値があります。

一人の強い王者が、一つの階級にとどまって強固な政権を築いていた時代とは比べるべくもありませんが、刹那の間とはいえ王座を束ねるのです。

井上も完全統一のあとにUndisputed titleの防衛戦を1試合こなす可能性をほのめかしており、長期政権を築くつもりは全くありません。

すぐにタイトルは散逸し、決定戦が開催されることで、承認団体の商売にも支障はありません。支障があれば、彼らが統一戦など認めるわけがありません。

ボクシングビジネスの中で、息を吹き返してきたUndisputed champion。「他の誰にも王者を名乗らせないタイトル」は、スポーツでは当たり前でも、プロボクシングでは貴重で珍しい存在でした。



4-Belt Eraで、日本人としてはもちろん、アジアでも初となるUndisputed championに井上が就くまで、あと7日になりました。