▶︎「神宮のマウンドは誰でも戸惑う」。

バッファローズの能見篤史が助言するまでもなく、わかりきっていたことです。山本由伸ほどの投手です。丸腰で神宮のマウンドに上ったとは、到底考えられません。

4回4失点でマウンドを降りた山本のあとをつないだ4人の投手が、村上宗隆のソロ1失点で抑えている結果からも、バッファローズの投手が神宮のマウンドに悪戦苦闘したと考えるのは無理があります。



▶︎「村上を警戒しすぎて、オスナに打たれる」。

スワローズと戦うときの典型的な負けパターン、戦前から警戒していたはずです。バッファローズのベンチで「まさかオスナに打たれるとは」なんて、誰一人思わなかったでしょう。


何が勝負を決めたのかなんて、本当のところは誰にも分かりません。

実力伯仲のチームの激突、逆の勝敗であってもおかしくありませんでした。

ただ、そんな現実論から離れて、この日本シリーズを物語として見るなら、そのテーマは「山本vs村上」です。球界最強投手と最強打者の一騎打ちです。

その最初の対決で、山本がストライクゾーンで勝負できなかった、村上から逃げたというのは、最強投手と最強打者の正面衝突を期待していたファンにとっては残念でした。

物語的には、最強対決で最強投手が逃げたのですから、バッファローズの負けです。

もちろん、オスナの打球がファール判定で、そのあと打ち取って、バッファローズが勝利していたなら「村上と無理に勝負しなかったのが勝因」と言われたでしょう。

あの場面で無理に勝負して、村上に一撃を喰らっていたら、スワローズの勢いと球場の雰囲気が沸騰、3−5なんて接戦にはならずに、バッファローズが惨敗していたかもしれません。

あるいは、村上と真っ向勝負して三振に打ち取っていても、やはりオスナに打たれて負けていたかもしれません。

現実論から見て、何が勝負を決めたのかなんて、本当のところは誰にも分かりません。

ただ、物語として見るなら、最強投手が最強打者との勝負から逃げた時点で、ゲームの流れは決してしまいました。


しかし、まだ七分の一が終わっただけです。

物語的には、今日の第2戦で村上と勝負して完全に封じ込めればバッファローズが勝つはずです。そして、その勢いのまま京セラドームでの3連戦につなげることができるのです。

所詮は野球。村上は3割、56本塁打の打者に過ぎません。投手から見て、打ち取れる可能性の方が圧倒的に高い勝負です。

今夜の第2戦、最強投手でも逃げるほどのオーラを発散させる村上を、山崎福也が逃げずに勝負できるのか?が焦点です。

逃げの姿勢、逃げの弱気を見せると村上はもちろん、チーム全体が余裕を持って攻めてきます。

村上から逃げてはいけません。勝負しなければなりません。 村上が封じ込められると、スワローズは余裕を失います。



個人的にはタイガースに勝ったスワローズの日本一を応援していますが、それ以前に第7戦までもつれる面白い試合を繰り広げて欲しいと願っています。