「壁」が作られるのは、人間の生理ではなく、人間の脳内です。

「医学的見地から考察して人類が1マイル4分を切って走ることは不可能」。

今聞くと、馬鹿らしい迷信のような話です。4分斬りどころか、現在の1マイルの世界記録は3分43秒13まで更新されています。

しかし…1954年5月6日のその瞬間まで、誰もがそう信じていたのです。



当時は、迷信が大手を振って跋扈する時代でした。

ボクシング、ヘビー級の世界では「世界王者に返り咲くことはできない」「サウスポーは世界王者になれない」という迷信が信じられていました。

いえいえ、「当時は」なんて偉そうな言い方は大間違いです。 21世紀の今でも、迷信は大手を振って跋扈跋扈しています。「当時は」なんて、現代の人間の傲慢に過ぎません。
プロ野球は今なお、最も迷信が蔓延る呪術の世界にはまり込んでいます。

米国で12歳で投手か野手かの選択を迫られるのは「レベルが上がるとtwo way(二刀流)は通用しない」という頑迷な迷信に縛られていたからです。

米国に右に倣えの日本でもそんな迷信が頑なに信じられていましたが、一匹のユニコーンがその呪術をものの見事に解いて見せました。



ボクシングの世界も笑えません。いまだにフライ級やバンタム級、やれラスベガスだ、PFPだ…いつになったら米国の人気階級で覇を打ち建てるファイターが生まれるのでしょうか?

それとも、このまま戦後の栄養失調状態の階級で、自分よりもはるかに貧困なボクサーを日本に引っ張り込んでタコ殴りにする貧困ビジネスを続けるのでしょうか?

戦後の日本、貧しかった日本ならまだしも。21世紀の日本では、それは決してカッコ良くない、です。

実際に〝嘘ラスベガス〟は惨敗に終わってるのですから。

村田諒太は五輪ミドル級で金メダル、リングの中の〝バニスター〟になりましたが、バニスター現象は起きていません。

また、プロでは厳しい言い方になりますが、メジャーの扉の前まで辿り着いた、そこまでです。その扉をぶち破って、山頂の主をシバきあげるまでは至ってません。

プロボクシングの世界にユニコーンは贅沢言い過ぎにしても、メジャーの扉を蹴破るファイターを期待するのは無理なのでしょうか?

「PFP」や「嘘ラスベガス」という〝詭弁〟が慰めてくれる場所で、いつまでたっても、日本のリングに引きずり上げた貧乏人を叩きのめすことしか出来ないままなのでしょうか?

プロボクシングの「昭和」は 、いつ終わるのでしょうか?




プロ野球が眩しいです。 

村神様が「昭和」の王貞治と戦っているのは、MLBとの〝落とし前〟をつけているからです。

もし、今なお「野茂以前」の鎖国状態のままなら、日本のプロ野球人気は無残なまでに減退していたはずです。王の偉大すぎる〝世界記録〟は、下手したら嘲笑されているかもしれません。

どうせメジャーで通用しないくせに、と。

しかし、「野茂以後」はそうではありません。野茂やイチロー、大谷を輩出したNPBは、世界が認めるエリートリーグです。

「王に並んだ村神様、スゲー!」という賞賛は「MLBでどれだけ打てるか?」 という期待とイコールになったのです。

ある意味で、日本プロ野球の「昭和」は終わりました。


プロボクシングの「昭和」は 、いつ終わるのでしょうか?

いや、そんなボヤッとした言い方はダメですね。

プロボクシングの「昭和」は 、いつ、誰が終わらせてくれるのでしょうか?