日本時間5月1日
 
ニューヨーク:マディソン・スクエア・ガーデン
 
Undisputed Lightweight Championship 

©ケイティー・テイラーvsアマンダ・セラノ

MSGのHulu Theaterで行われた前日計量はテイラー135.6ポンド、セラノは1.4ポンドアンダーの133.6ポンド。

女子ボクサーのスターはリカルド・ロペスらを前座に回していたクリスティー・マーティン以来、間歇的に登場していますが、140年の歴史を誇る〝聖地〟MSGのアリーナでメインイベントを張るのは史上初。

セミファイナルにジェシー・バルガスvsリーアム・スミスの米英100万ドルファイター対決をセット。
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ラスベガス:MGMグランドガーデンアリーナ

Ring Magazine Jr. Lightweight Championship 

WBO級王者シャクール・スティーブンソンvsWBC王者オスカル・バルデス

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24歳のスティーブンソンはリミットいっぱい130ポンド、31歳のバルデスは129.6ポンド。

減量苦が伝えられるWBO王者は全裸で秤に乗りました。

この試合はスティーブンソンのトラッシュトークが目立っています。

「フェザー級時代から俺との対戦を避けていた」「ドーピングの卑怯者」。

バルデスの検体は、前戦(vsロブソン・コンセイサン)でVADAが禁止物質にリストアップしているフェンテルミンに陽性反応。無敗のメキシカンはその評判を一気に落としてしまいました。

今回はスティーブンソン陣営がより厳しい検査を求め、バルデス陣営もそれを受け入れています。

「検査員は4回来た。バルデスへの検査はもっと多いんじゃないか?何しろ前科があるヤツだから」とここでも口撃を緩めません。

バルデスは木曜日の記者会見でも「フェンテルミンが禁止薬物だと知らなかったのは私の落ち度」と認めながらも「(VADAよりも厳格で遥かに権威がある)WADAではフェンテルミンは禁止されていないから、当然VADAでもそうだと思い込んでしまった」という以前からの弁明を繰り返しました。

もちろん、非はバルデスにありますが、VADAはその名の通りの任意の検査。

五輪選手が従う総元締めのWADAのような強制力もなければ、検査費用は選手の持ち出しです。

山中慎介との初戦でルイス・ネリのドーピングが発覚したのも帝拳が費用を負担して、事前に採取していた検体がジルパテロールに陽性反応を示したからでした。
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WBCが収入源の一つとして期待したVADAと提携したクリーン・ボクシング・プログラムは無償サービスであるはずもなく、検査レベルによって1万8,000ドル〜2万5000ドルがかかります。

2017年に帝拳がネリへの検査を依頼した時の費用は約150万円、下手したら選手報酬をも上回ってしまいます。

「検査費用はとにかく高額。WBCは毎月1万ドル、年間12万ドルをVADAに支払っているが、こんなはした金で何ができるというのか?」(プロモーターのルウ・ディベラ)。

VADAの最高レベルの検査プログラム「五輪式365日24時間ランダム検査」を受け入れていたマニー・パッキャオは「フィリピンにVADAの検査員が来たことは一度もない。米国でも真夜中はもちろん、キャンプ中にも来ない」とその実態を批判していました。

VADAの資金力を考えると、伊達公子が激怒したような就寝中に叩き起こされて尿を採取されるなんてことはやろうと思ってもできません。

それでも「WADAの365日24時間ランダムは実質的には無理にしても、やらないよりはマシ」「365日24時間を掲げるだけでも多少の抑止効果がある」という意見は間違いではありません。

そして、今回のスティーブンソンとバルデスのように実費を支払って検査を実行させることも出来ます。

しかし、ほとんどのボクサーは経済的にそれが出来ません。つまり、ほとんどの選手は統括団体の各国・各州のコミッションが実施する(実施しているとしたら)検査しか受けていないのです。

潤沢な資金を持つネバダ州アスレティック・コミッション(NSAC)のドーピング検査が世界で最も厳格と言われていますが、それでも試合前後の採尿だけです。

NSACが、VADAも出来ない州境や国境を越えて検査に乗り出すわけがありませんし、そんな義務もありません。

また、テレビ局やダゾーンなどが、他のスポーツでは負担していないのに、ボクシングだけドーピング費用を提供するなんてこともありえません。

「小さなショー、例えば、ホープ発掘のShoBox で標準的な薬物検査をすることはできない。そんなことをしたら選手はノーギャラになってしまうどころか検査料を支払って大赤字。ファイターはWBCのプログラムに無料登録はしても、ほとんどの選手は実際に検査を申請することはない。とにかく費用がかかりすぎるからだ」(ディベラ)。

ローカルな統括団体が試合を管轄しているプロボクシングでドーピングが野放し状態なのは、世界的な統括団体が存在していないからです。

善人面しているWBCのマウリシオ・スライマンは、自らが掲げたクリーンプログラムに抵触したバルデスの世界戦を認めました。

このことが、ボクシング界の闇を象徴しています。

もちろん、マウリシオのロジックに矛盾はありません。VADAの検査はあくまでも任意。ルール違反かどうかは統括団体が決めることです。

その意味でVADAにはNSACのドーピング検査よりも実効能力はありません。というか、実効能力がないのです。

ただ、まともに機能していないボクシング・クリーン・プログラムは廃止すべきでしょう。

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そんな杜撰な世界よりもさらに杜撰なのがJBCです。

破産して、ますます杜撰になっているのは間違いありません。

ネリの件もそうでしたが、6月7日のノニト・ドネアも厳格に検査すべきです。もしかしたら、すでに手は打っているかもしれません。

それでも、ドネア陣営の「WADAの五輪式検査が相手でも簡単に隠すことができる」と豪語するビクター・コンテが相手では意味はないかもしれませんが…。