WBOは日本時間4月2日、ジュニアバンタム級王者の井岡一翔と同級1位ドニー・ニエテスに指名試合、最低金額10万ドルでの競争入札の交渉を行い、30日以内に妥結するよう命じました。
スクリーンショット 2022-04-02 10.02.25



井岡はジュニアバンタム級での統一戦を模索している33歳。

39歳のニエテスはWBOインターナショナル王者ですが、あくまで指名挑戦者。井岡が求める他団体の世界王者ではありません。

両者が対決するとなると、2018年12月31日マカオ以来、4年越しの再戦になります。初戦は高度な技術戦の末に老練なフィリピン人がスプリットデジションを手繰り寄せています。

この試合は、空位のWBOジュニアバンタム級王座がステイクされていただけでなく「勝者はPFPファイターの仲間入り」(リング誌)というお墨付きで、ニエテスは10位にランクイン。

しかし、ニエテスは所属先のALAジムがコロナ禍などの影響で閉鎖してしまい試合が組めない状況が続いて、タイトル返上。約2年半のブランクを強いられ、世界ランキングはもちろんPFPからも名前を消されてしまいます。

それでも、リチャード・シェーファーの Probellumと契約、UAEドバイで昨年4月に復帰戦を飾っていました。

一方の井岡もニエテスと引き分けたアストン・パリクテを10ラウンドで攻略、ニエテスが返上したWBO王座に就きました。その後もプエルトリコの無敗の新星ハビエル・シントロン、同胞の3階級制覇王者でやはり無敗の田中恒成に格の違いを見せつける勝利を収め、PFPファイターの仲間入り。

ニエテスが一筋縄ではいかない超曲者であることはご存知の通りですが、昨年のカムバックからの2戦はいずれも格下相手。

2戦目に至っては、カリド・ヤファイへの挑戦経験はあるものの世界基準の武器を持たないノルベルト・ヒメネスに追い上げられ、何とかスプリットドローに逃げ込んだ不細工な試合でした。

単純な年齢、最近の両者の戦いぶりを見ると、井岡絶対有利は揺るぎません。

とはいえ、あのニエテスです。相手が井岡、舞台が日本となると別人のように仕上げてくる可能性も否定できません。

115ポンドのファイトシーンは、最強候補のリング誌/WBA王者ファン・フランシスコ・エストラーダがコロナ感染で戦線離脱、WBCはカルロス・クアドラスを破ったジェシー・ロドリゲス、エストラーダとのラバーマッチを待つローマン・ゴンザレスがWBCダイアモンド、IBFはジェルウィン・アンカハスを番狂わせで下したフェルナンド・マルチネスと波乱含み。

井岡の意中はエストラーダ、マルチネス、ロドリゲスのタイトルホルダーですが、次戦でセットされるのは難しかもしれません。

そうなると、ニエテスに雪辱するのは「メリットがない」話ではありません。指名試合を拒否するとタイトル剥奪もありえますが、現状ではせいぜい団体統一、完全統一は全く見えてきません。

それなら、WBOのストラップにこだわらず、ロマゴンやエストラーダという「メリットのある」相手との試合に突き進むのも一考です。

バーナード・ホプキンスやテレンス・クロフォードらの地味な実力者の「完全統一路線」か、それともメイウェザーやパッキャオの「ビッグファイト路線」か…悩ましいところです。

運が良ければ「両立」もありえますが、そもそも世界タイトルの価値が暴落している4−Belt Eraではファン目線では後者の方が楽しめるケースが多いでしょう。

井上尚弥の「(先行きが見えないなら)バンタム級の4団体統一にはこだわらない」というのは、正しい選択に思えてきます。