井上尚弥がWBSSに参戦、快進撃を続けた2018年。

引退宣言から7ヶ月が過ぎた井岡は2018年7月20日、都内で会見を行います。

トム・ラフラーの360プロモーションズと契約、所属先がSANKYOになることを発表。

そして、9月8日にカリフォルニア州イングルウッドのザ・フォーラムで開催される「SUPER FLY3」で現役復帰することを発表しました。

米国ボクシングとイコールの関係にあったHBOはこの年限りで「死にゆく産業」と見限ったボクシングビジネスから撤退。

起死回生を期した超低予算100万ドルで企画したイベントSUPER FLYも全く視聴者数は伸びず、井岡が参戦した「3」か最後となります。

この〝極貧イベント〟SUPER FLY3で、井岡はリング誌9位にランクされる強豪マクウィリアムス・アローヨに完勝、報酬こそ2万5000ドルと日本の10分の1以下でしたが、ジュニアバンタム級のトップ戦線でも通用する実力を世界に証明しました。

そして、ジュニアバンタム級転向の第2戦でドニー・ニエテスと空位のWBOタイトルをマカオで争いますが、スプリットの惜敗。3階級目のフライに続き、ジュニアバンタムも一発クリアとはなりませんでした。

キャリア2敗目。

アムナット・ルエンロンとニエテスという軽量級屈指の〝難問〟にスプリットデジションという答えを出した事実は、井岡が非常に深い技術と経験を持つボクサーであることをあらてめて証明しました。
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そして、あの2敗がどっちに転んでもけして「議論を呼ぶ判定のレベルではなかった、つまり「井岡はいまだ無敗であってもおかしくない」(リング誌)という好意的な評価に対して、私はそこに井岡の限界も見てしまった気がしました。

アムナットとニエテスに文句無しの完勝、は果たせなかったのです。

完全ホームのゾウ・シミンですら籠絡するアムナットや、誰も倒すことができないニエテス、呪術的なまでに妖しい技術を使いこなすアジアの怪人と互角に渡り合った井岡。

2019年6月19日、幕張メッセ。

ニエテスがもつれたアストン・パリクテとの再起戦は、井岡が〝怪人レベル〟なのか、それともファン・フランシスコ・エストラーダらと同じリーグのプレイヤーなのか、それを占うリトマス・マッチになりました。

パリクテとグダグダなら、井岡は3人目の怪人です…。

なにはともあれ、カムバック後の井岡の対戦者のクオリティは、もっと賞賛すべきレベルの高さでした。