高校時代。
友達も学校も世の中も全部が全部、嫌で嫌でたまらなくて、不登校になって引きこもった私が逃げ込んだのは読書と映画鑑賞でした。
高校の図書館と、場末の名画座。そこだけが、社会に適合できない私の居場所になってくれました。
現実逃避だけに、そこで気に入った書籍や映画は〝洋モノ〟が少なくありません。
新聞やニュース誌はもちろん、リング誌やスポーツイラストレイテッド誌も読み耽り、幸運にも結構大きな図書館だったこともありバックナンバーも豊富に抱えていました。
映画については自分で選んで観に行くわけではなく、さびれた名画座で上映している古い作品ばかりでしたが、落ちこぼれの落伍者という深い劣等感を忘れさせてくれるほど映画の世界に引き込まれていました。
お気に入りは、高校生が興味を持ちそうにないフランスの古典や、ヌーヴェル・ヴァーグ、その影響を受けたアメリカのニュー・ウェーブの作品。
今でも、こうした映画やロードムービーをこよなく愛しているのは、社会不適合者時代の名残りであるのは間違いありません…といっても、いまだに社会不適合者ですから名残とは言いませんね。
前置きが長くなりました。
そんなボロくてカビ臭い名画座のスクリーンに映し出された、私にとって大切な〝現実逃避の案内人〟の一人、ジャン=ポール・ベルモンドが9月6日、天国に招かれました。
【9月10日 AFP】戦後のフランス映画界を代表するスター俳優の一人で今月88歳で亡くなったジャン=ポール・ベルモンド(Jean-Paul Belmondo)さんの追悼式が9日、パリで営まれた。
大勢のファンのほか、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領をはじめ政治家、俳優、スポーツ選手ら各界の著名人が参列し、別れを告げた。
パリの廃兵院(アンバリッド、Les Invalides)で行われた追悼式でマクロン氏は「あなたを失うことは、私たちにとって自分の一部を失うことだ」と述べた。
ベルモンドさんは、ジャンリュック・ゴダール(Jean-Luc Godard)監督の『勝手にしやがれ(Breathless)』などに出演し、仏映画運動「ヌーベルバーグ(New Wave)」を代表する俳優として知られている。
政府主催の追悼式が営まれるのは、2019年のジャック・シラク(Jacques Chirac)元大統領以来。
映画に興味がない方でも「勝手にしやがれ」「リオの男」「気狂いピエロ」「ある晴れた朝突然に」といった映画タイトルは聞いたことがあるのではないでしょうか?
そして、ジャン=ポール・ベルモンドという俳優の名前もきっと耳にしたことがあるでしょう。
何かから逃げている、そんな筋書きが多かったと記憶しているのは、実際にいろんなものから逃げていた私の思い込みもあるでしょう。
私は惨めな逃亡者、落伍者でしたが、ベルモンドの演じる逃亡者はとにかくお洒落で格好が良いんです。
現実の逃亡者にお洒落する余裕なんてないはずですが、そんな無粋なことは全く思いつかないまま映画の世界に引きずり込まれていました。
スタントマンをほとんど使わないことでも有名で、その気概はジャッキー・チェンやハリソン・フォード、トム・クルーズ、そして千葉真一にも影響を与えました。
そういえばトム・クルーズが最初のミッション・インポッシブルで共演したエマヌエル・ベアールは最も好きな女優でしたが、なぜか引退同然、最近見かけません。
ベアールとベルモンドは共演とかなかったのかな。
この二人ともと共演、他にもいろんな映画に出演しているカトリーヌ・ドヌーブって、こりゃバケモンです。
ジャン=ポール・ベルモンド。
実質、アクション俳優なのに、そうは感じさせない何か、芸術的とかそんな小難しいことじゃなく、洒落っ気がありました。フランスだからエスプリが効いてたっていうのが良いのかもしれません。
ルパン三世のモデルはベルモンド、その初代声優の山田康雄は「リオの男」などでベルモンドの吹き替えもしていました。
ああ、そうです。ルパン三世のイメージが近い。
そして、このブログで忘れちゃいけないのは、ベルモンドは15歳でプロボクサーを志したことです。
父親の猛反対にあって夢を断念するのですが、ボクサーになっていたら、あれだけ華のある人です、大成功していたでしょう。とぼけた動きで相手を挑発しながら、一撃で試合を終わらせる…そんなスタイルが目に浮かびます。
ジャン=リュック・ゴダールらは「ベルモンドのアクションには絶妙の気品と美しいリズムがある」と感心し、彼がボクシングをやっていたと聞くと「なるほど、それなら納得だ」と頷いたといいます。
ボクヲタにはたまらないエピソードです。
そうです。ボクシングには「絶妙の気品と美しいリズムがある」のです。
文豪や映画俳優、そして社会が普通にボクサーをプロのスポーツ選手として大きなリスペクトを寄せていた時代。そんな時代を代表する名優が天国に召されました。
いま、私たちが見ているボクシングに「絶妙の気品と美しいリズム」はあるでしょうか…?
友達も学校も世の中も全部が全部、嫌で嫌でたまらなくて、不登校になって引きこもった私が逃げ込んだのは読書と映画鑑賞でした。
高校の図書館と、場末の名画座。そこだけが、社会に適合できない私の居場所になってくれました。
現実逃避だけに、そこで気に入った書籍や映画は〝洋モノ〟が少なくありません。
新聞やニュース誌はもちろん、リング誌やスポーツイラストレイテッド誌も読み耽り、幸運にも結構大きな図書館だったこともありバックナンバーも豊富に抱えていました。
映画については自分で選んで観に行くわけではなく、さびれた名画座で上映している古い作品ばかりでしたが、落ちこぼれの落伍者という深い劣等感を忘れさせてくれるほど映画の世界に引き込まれていました。
お気に入りは、高校生が興味を持ちそうにないフランスの古典や、ヌーヴェル・ヴァーグ、その影響を受けたアメリカのニュー・ウェーブの作品。
今でも、こうした映画やロードムービーをこよなく愛しているのは、社会不適合者時代の名残りであるのは間違いありません…といっても、いまだに社会不適合者ですから名残とは言いませんね。
前置きが長くなりました。
そんなボロくてカビ臭い名画座のスクリーンに映し出された、私にとって大切な〝現実逃避の案内人〟の一人、ジャン=ポール・ベルモンドが9月6日、天国に招かれました。
【9月10日 AFP】戦後のフランス映画界を代表するスター俳優の一人で今月88歳で亡くなったジャン=ポール・ベルモンド(Jean-Paul Belmondo)さんの追悼式が9日、パリで営まれた。
大勢のファンのほか、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領をはじめ政治家、俳優、スポーツ選手ら各界の著名人が参列し、別れを告げた。
パリの廃兵院(アンバリッド、Les Invalides)で行われた追悼式でマクロン氏は「あなたを失うことは、私たちにとって自分の一部を失うことだ」と述べた。
ベルモンドさんは、ジャンリュック・ゴダール(Jean-Luc Godard)監督の『勝手にしやがれ(Breathless)』などに出演し、仏映画運動「ヌーベルバーグ(New Wave)」を代表する俳優として知られている。
政府主催の追悼式が営まれるのは、2019年のジャック・シラク(Jacques Chirac)元大統領以来。
映画に興味がない方でも「勝手にしやがれ」「リオの男」「気狂いピエロ」「ある晴れた朝突然に」といった映画タイトルは聞いたことがあるのではないでしょうか?
そして、ジャン=ポール・ベルモンドという俳優の名前もきっと耳にしたことがあるでしょう。
何かから逃げている、そんな筋書きが多かったと記憶しているのは、実際にいろんなものから逃げていた私の思い込みもあるでしょう。
私は惨めな逃亡者、落伍者でしたが、ベルモンドの演じる逃亡者はとにかくお洒落で格好が良いんです。
現実の逃亡者にお洒落する余裕なんてないはずですが、そんな無粋なことは全く思いつかないまま映画の世界に引きずり込まれていました。
スタントマンをほとんど使わないことでも有名で、その気概はジャッキー・チェンやハリソン・フォード、トム・クルーズ、そして千葉真一にも影響を与えました。
そういえばトム・クルーズが最初のミッション・インポッシブルで共演したエマヌエル・ベアールは最も好きな女優でしたが、なぜか引退同然、最近見かけません。
ベアールとベルモンドは共演とかなかったのかな。
この二人ともと共演、他にもいろんな映画に出演しているカトリーヌ・ドヌーブって、こりゃバケモンです。
ジャン=ポール・ベルモンド。
実質、アクション俳優なのに、そうは感じさせない何か、芸術的とかそんな小難しいことじゃなく、洒落っ気がありました。フランスだからエスプリが効いてたっていうのが良いのかもしれません。
ルパン三世のモデルはベルモンド、その初代声優の山田康雄は「リオの男」などでベルモンドの吹き替えもしていました。
ああ、そうです。ルパン三世のイメージが近い。
そして、このブログで忘れちゃいけないのは、ベルモンドは15歳でプロボクサーを志したことです。
父親の猛反対にあって夢を断念するのですが、ボクサーになっていたら、あれだけ華のある人です、大成功していたでしょう。とぼけた動きで相手を挑発しながら、一撃で試合を終わらせる…そんなスタイルが目に浮かびます。
ジャン=リュック・ゴダールらは「ベルモンドのアクションには絶妙の気品と美しいリズムがある」と感心し、彼がボクシングをやっていたと聞くと「なるほど、それなら納得だ」と頷いたといいます。
ボクヲタにはたまらないエピソードです。
そうです。ボクシングには「絶妙の気品と美しいリズムがある」のです。
文豪や映画俳優、そして社会が普通にボクサーをプロのスポーツ選手として大きなリスペクトを寄せていた時代。そんな時代を代表する名優が天国に召されました。
いま、私たちが見ているボクシングに「絶妙の気品と美しいリズム」はあるでしょうか…?


コメント
コメント一覧 (3)
大人になってわかりました、ずっと軽やかで、お洒落で、粋です。
ルパン三世、ピッタリです。
フシ穴の眼
が
しました
フシ穴の眼
が
しました