判定が読み上げられるとロブソン・コンセイサンは首を軽く振って何度も微笑みました。
試合後、マネージャーのセルヒオ・バルテリが32歳のブラジル人のコメントを伝えました。
「私が勝っていた。試合を見ていた人はわかったはずだ」。
試合展開は5ラウンドまで挑戦者がコントロール。6ラウンドから強引に打撃戦に引きずり込もうとした王者が前進しますが、決定的な場面は作ることができないまま最終回のゴングが鳴りました。
オフィシャルの3枚は115−112が二人、もう一人は117−110。
母国のリオデジャネイロ2016で金メダルを勝ち獲ったコンセイサンの戦いぶりはお見事でした。
相手の打ち終わりを狙う王者の必勝パターンを長くて速くて、そして引きも速い左リードで封じ込め、なりふり構わぬ突進しかできない状況に持ち込みました。
強引に距離を潰してくるバルデスを右アッパーで迎撃。バルデスはジャブをかいくぐっても乱打戦に持ち込めません。
9ラウンドにコンセイサンが減点1を取られたのはラビットパンチということです。しかし、流れの中で頭を押さえつけたのかラビットなのかよくわかりませんでした。
いずれにしても、注意や「次やったら減点」の警告なしに下された裁定でした。
後頭部への打撃はバルデスにも見られましたが、明らかなラビットパンチを打ち下ろしたメキシカンには注意を与えただけ。
しかし、減点を受けたあとの金メダリストのアクションは流石でした。このままだと9ラウンドを10-8で落とすところを、左ジャブを軸に一気の攻勢を見せて支配。減点がなければ10-9、減点があったので10-10で切り抜けます…そのはずでした。
バルデスが攻勢に出ても必ず反撃します。
バルデスは試合後に「KOできなくて申し訳ない。挑戦者は逃げてばかりいた」と、数週間前のジョンリール・カシメロのような言葉を吐きましたが、コンセイサンと怯懦のキューバ人は全く違います。
リゴンドーは本当に逃げるだけでしたが、リオの金メダリストはしっかり手数を出して、試合を主導していました。

これはboxingscene.comのスコアカードですが、最初の5ラウンドを挑戦者が抑え、王者が残り7ラウンドを全て奪った という採点です。
ラウンド表現で7-5、1ラウンド差。減点があるので115-113ではなく115-112。ふたりのジャッジと同じ数字です。
これは許容範囲の採点かもしれませんが、オフィシャルで最初の5ラウンドを挑戦者の完封とスコアしたのは一人だけ。一人は3ラウンド、もう一人は2ラウンドしか与えませんでした。
6ラウンドを迎えたとき、私は「このラウンドを取られたらバルデスの判定勝ちは極めて難しくなる」と思いました。
しかし、この時点のオフィシャルは挑戦者から見て50-45/48-47/47-48。つまりしっかり貯金できていたのは一人のジャッジだけ。
また、バルデスの検体から禁止薬物が陽性反応を示したVADAの検査報告を統括団体のthe Pascua Yaqui Tribe Athletic Commissionと、トップランクはコンセイサン陣営にすぐに伝えませんでした。
緊急調査機関を設置したWBCもタイトルを剥奪せずに試合を承認することも、コンセイサン陣営に通知されたのは決定から3日後。
バルデスはタイトル剥奪どころか、何のペナルティも受けませんでした。同じメキシコ人でも雑魚のルイス・ネリとはえらい違いです。
ネリのケースは軽量級の本場・日本で粗相を起こしたためにWBCも厳しく動かざるをえなかったという事情はあったでしょう。
ネリの処分も相当に軽いと非難を浴びましたが、そのネリもこの裁定には呆れているかもしれません。
雑魚やBサイドは損をして当たり前、それが世の中なのです。
Such is the life of the unheralded B-side fighter.
「Bサイドは何をされても文句が言えない。スイスにスポーツ仲裁裁判所がある?聞いたことがないな、きっとそこはAサイドもBサイドもない、公平な条件で競技を争うスポーツだけが対象なのだろう。残念ながらボクシングは不公平が大前提のスポーツだ」。
「何度防衛しても母国で戦えない王者がいる一方で、必ず母国で世界王者を迎える挑戦者もいる。Aサイドを訴えるどころか、試合に負けたら『私を選んでくれてありがとう』と感謝するのが礼儀だ。それがBサイドってやつなのさ」。
「酷い話じゃないさ。勝ちゃあいいんだ。パッキャオみたいにAサイドを倒しまくって、食いまくって、自分がAサイドになりゃあいいんだ。コバレフだってカネロに勝ちゃあ良かった。ロアチェンコだってテオフィモに勝ちゃあ良かったんだ。ただそれだけの話さ」(イジス・キリマス=セルゲイ・コバレフやワシル・ロマチェンコのマネージャー)。
キリマスに言わせると、今日の試合は「Bサイドに中途半端な勝利なんてない。ノックアウトするかボコボコに殴り続けるか。コンセイサンが悪い」となるのでしょう。
私たちは、またいつか「マニー・パッキャオ」を見ることが出来るのでしょうか?
試合後、マネージャーのセルヒオ・バルテリが32歳のブラジル人のコメントを伝えました。
「私が勝っていた。試合を見ていた人はわかったはずだ」。
| PUNCHES | VALDEZ | CONCEICAO |
|---|---|---|
| Total landed | 83 | 141 |
| Total thrown | 390 | 576 |
| Percent | 21% | 25% |
| Jabs landed | 19 | 38 |
| Jabs thrown | 181 | 279 |
| Percent | 11% | 14% |
| Power landed | 64 | 103 |
| Power thrown | 209 | 297 |
| Percent | 31% | 35% |
| -- Courtesy of CompuBox | ||
オフィシャルの3枚は115−112が二人、もう一人は117−110。
母国のリオデジャネイロ2016で金メダルを勝ち獲ったコンセイサンの戦いぶりはお見事でした。
相手の打ち終わりを狙う王者の必勝パターンを長くて速くて、そして引きも速い左リードで封じ込め、なりふり構わぬ突進しかできない状況に持ち込みました。
強引に距離を潰してくるバルデスを右アッパーで迎撃。バルデスはジャブをかいくぐっても乱打戦に持ち込めません。
9ラウンドにコンセイサンが減点1を取られたのはラビットパンチということです。しかし、流れの中で頭を押さえつけたのかラビットなのかよくわかりませんでした。
いずれにしても、注意や「次やったら減点」の警告なしに下された裁定でした。
後頭部への打撃はバルデスにも見られましたが、明らかなラビットパンチを打ち下ろしたメキシカンには注意を与えただけ。
しかし、減点を受けたあとの金メダリストのアクションは流石でした。このままだと9ラウンドを10-8で落とすところを、左ジャブを軸に一気の攻勢を見せて支配。減点がなければ10-9、減点があったので10-10で切り抜けます…そのはずでした。
バルデスが攻勢に出ても必ず反撃します。
バルデスは試合後に「KOできなくて申し訳ない。挑戦者は逃げてばかりいた」と、数週間前のジョンリール・カシメロのような言葉を吐きましたが、コンセイサンと怯懦のキューバ人は全く違います。
リゴンドーは本当に逃げるだけでしたが、リオの金メダリストはしっかり手数を出して、試合を主導していました。

これはboxingscene.comのスコアカードですが、最初の5ラウンドを挑戦者が抑え、王者が残り7ラウンドを全て奪った という採点です。
ラウンド表現で7-5、1ラウンド差。減点があるので115-113ではなく115-112。ふたりのジャッジと同じ数字です。
これは許容範囲の採点かもしれませんが、オフィシャルで最初の5ラウンドを挑戦者の完封とスコアしたのは一人だけ。一人は3ラウンド、もう一人は2ラウンドしか与えませんでした。
6ラウンドを迎えたとき、私は「このラウンドを取られたらバルデスの判定勝ちは極めて難しくなる」と思いました。
しかし、この時点のオフィシャルは挑戦者から見て50-45/48-47/47-48。つまりしっかり貯金できていたのは一人のジャッジだけ。
また、バルデスの検体から禁止薬物が陽性反応を示したVADAの検査報告を統括団体のthe Pascua Yaqui Tribe Athletic Commissionと、トップランクはコンセイサン陣営にすぐに伝えませんでした。
緊急調査機関を設置したWBCもタイトルを剥奪せずに試合を承認することも、コンセイサン陣営に通知されたのは決定から3日後。
バルデスはタイトル剥奪どころか、何のペナルティも受けませんでした。同じメキシコ人でも雑魚のルイス・ネリとはえらい違いです。
ネリのケースは軽量級の本場・日本で粗相を起こしたためにWBCも厳しく動かざるをえなかったという事情はあったでしょう。
ネリの処分も相当に軽いと非難を浴びましたが、そのネリもこの裁定には呆れているかもしれません。
雑魚やBサイドは損をして当たり前、それが世の中なのです。
Such is the life of the unheralded B-side fighter.
「Bサイドは何をされても文句が言えない。スイスにスポーツ仲裁裁判所がある?聞いたことがないな、きっとそこはAサイドもBサイドもない、公平な条件で競技を争うスポーツだけが対象なのだろう。残念ながらボクシングは不公平が大前提のスポーツだ」。
「何度防衛しても母国で戦えない王者がいる一方で、必ず母国で世界王者を迎える挑戦者もいる。Aサイドを訴えるどころか、試合に負けたら『私を選んでくれてありがとう』と感謝するのが礼儀だ。それがBサイドってやつなのさ」。
「酷い話じゃないさ。勝ちゃあいいんだ。パッキャオみたいにAサイドを倒しまくって、食いまくって、自分がAサイドになりゃあいいんだ。コバレフだってカネロに勝ちゃあ良かった。ロアチェンコだってテオフィモに勝ちゃあ良かったんだ。ただそれだけの話さ」(イジス・キリマス=セルゲイ・コバレフやワシル・ロマチェンコのマネージャー)。
キリマスに言わせると、今日の試合は「Bサイドに中途半端な勝利なんてない。ノックアウトするかボコボコに殴り続けるか。コンセイサンが悪い」となるのでしょう。
私たちは、またいつか「マニー・パッキャオ」を見ることが出来るのでしょうか?
コメント
コメント一覧 (6)
見栄えのするシーンのダイジェストしか見ないお茶の間層がいい加減な印象論で騒ぐのは勝手ですが、審判がそのレベルとなると…
まぁ実直に判定をしていればの話ですけどね。贔屓判定であればこんな分析自体が無意味、さっさと除名すべきです。
フシ穴の眼
が
しました
フシ穴の眼
が
しました
フシ穴の眼
が
しました
仮に、まず起こらないことですが地上波のみならずwowowまでもボクシングから撤退したら国内世界戦Aサイドどころか海外Bサイドになるんでしょうか
昔のパッキャオはBサイドが当たり前でした
今のパッキャオを見てみんなパッキャオになりたいと言います、けれどパッキャオがしてきたことは絶対やりたくないでしょう
アンダードッグからの番狂わせを何度も起こせと言われたら無理です
ビッグマッチはしたい、けどAサイドから始めてAサイドもままでいたい
人間当たり前に思うことです
それで自国のボクサーをAサイドに立たせるため、自国のボクサーを金を払って支えていくわけですが、アメリカに日本の資本がどんどん流れているようでそれもちょっとアレですね
日本を何かのスポーツの聖地にして逆にアメリカから放映権で金をとれることがあればおもしろいんですが
フシ穴の眼
が
しました
フシ穴の眼
が
しました
明らかな亀田判定
フシ穴の眼
が
しました