番狂わせの導火線はあちこちに転がっています。

ただ、その導火線に火が着くことは稀で、火が着いても最後の爆弾を炸裂されるに至ることは滅多にありません。

だから、番狂わせなのですが、導火線に火が着く要素の一つとして〝普通じゃない環境〟が挙げられます。




2018年4月16日、第122回ボストンマラソン。スタート時の気温3度!10メートル近い強風で、薄着のランナーの体感温度は氷点下だったでしょう。

そんな過酷な条件で一番にフィニッシュしたのは川内優輝、優勝タイムは2時間15分58秒。これは1980年以降で最も遅いタイムです。

エリート部門の選手の過半数が途中棄権、特に17名が出場したアフリカ勢で完走したのはわずか3人という寒冷地獄のレース。実力的には世界トップとは大きく離された〝公務員ランナー〟が逆境をはねのけ大勝負をモノにした番狂わせでした。



さて、3年前の極寒の東海岸から、現代の西海岸に目を移すと、そこは真逆の灼熱地獄。

今週末にかけて、米国西部の300地点あまりで記録的な酷暑が予想され、行政機関は4000万人以上の市民に、猛烈な熱波を警戒するよう呼びかけています。
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米国西部、もちろんネバダ州ラスベガスもモロにこのヒートドームの熱線に焼かれている地域。

日本時間20日のマイケル・ダスマリナス戦に向けて現地入りしている井上尚弥の動向を伝えるニュースでも、最高気温44度、47度と熊谷もビックリの正気の沙汰じゃない数字が伝えられています。

砂漠の街、ラスベガスは夜になると一気に冷え込むのですが、最低気温も30度近くまでしか下がらないというのですから「最高気温」も「最低気温」も異常です。

練習も試合も空調の整った屋内で行われるため、常軌を逸したヒートドームの影響はほとんどないと思われますが、それでも50度近い高温です。

ホテルの空調設備が故障したり、不調をきたすことがあるかも知れません。

絶好のコンディションでの激突は実力差をそのまま映し出しますが、パフォーマンスの精度が下がる環境では、番狂わせの導火線に火が着きやすくなります。

3年前のボストンでも、普通のコンディションだったなら川内には全く勝ち目が無かったでしょう。


マラソンのような屋外競技なら波乱は必至と思われるとはいえ、ダスマリナス戦はホテルの中で行われます。

記録的な灼熱ヒートドームでも、屋内で行われる「井上1/16(1.63倍)/ダスマリナス7/1(8倍)」のオッズを溶かすことは出来ないでしょう。