誰が描いたのかによって、その作品の芸術性が決まる。
最低にくだらない、唾棄すべき価値観です。
そんな、作品そのものには全く価値がないのに、高く売る奴と高く買う奴がいる、最悪のアホイベントが終わったようです。
まー、あんなの米国に住んでても絶対PPVを買いませんから、馬鹿は馬鹿同士でやってりゃいいのですが、価値のある作品が安く買い叩かれるのはやりきれません。
というわけで、誰が描いたか?なんて無関係の価値観で測られる作品の公開がいよいよ迫って参りました。
その価値を改めて確認するために「覇権」「覇王」のお話です。
私が世界のボクシングを取り憑かれた1980年代から2021年現在に至るまでの覇権の推移を振り返ります。
「覇王」の定義は「最も世界から注目され高い報酬を得たファイター」です。下の表では赤字が「覇王」です。
例えば、サルバドル・サンチェスは1981年Fighter Of The Yearをレナードと分け合い、81年実績が反映される82年PFPで4位と高評価でしたが、軽量級の悲哀でその評価に注目度と報酬は付いてきませんでした(とはいえ現代ほどの理不尽な格差はありませんでした)から、ここでいう「覇王」にはあたりません。
この40年余りの歴史の中で最も大きなエピックは「①モハメド・アリの引退」でした。
スポーツ史最高のカリスマがグローブを吊るした衝撃は大きく二つ挙げられます。
【First Impact】クイーンズベリー・ルールによって近代ボクシングが開闢されてから100年、ボクシングはヘビー級が支配するスポーツでした。
米国での社会的ステイタスは1950年代がピークだったボクシングが60年代〜70年代をなんとか生き長らえたのも、ヘビー級の存在感があればこそでした。
いいえ、正確には「ヘビー級」ではなく「モハメド・アリ」の存在がボクシングの延命装置になっていたのです。
そのアリが去ったリングは寂れ果てるだけ…のはずでした。
【Second Impact】モハメド・アリの引退がボクシング界を揺るがす大激震であったことは間違いありません。
現実に「世界ヘビー級チャンピオンがスポーツの王様」である時代は完全に終焉しました。
しかし、あまりに大きな衝撃はときに意外な副産物を産み落とします。
恐竜の絶滅が、哺乳類の繁栄の引き金になったように。
それまで、ヘビー級の傑出した才能に大きく依存していたボクシング界は、もはやそれが期待できない時代に突入したことを自覚します。
時代の大転換に鈍感なまま、傑出したヘビー級の才能を探し続けたのがドン・キング。
時代の潮目が大きく変わることを見極めていたのが、ボブ・アラムでした。
「覇王は生まれて来る」と旧態依然の手法で商売を拡大しようとしたキングと、「スーパースターはプロモーターが育てるもの」と新しい時代と向き合ったアラム。
大きな肉体と優れた運動能力に恵まれた〝カシアス・クレイ〟が他のスポーツに流出する、ボクシング崩落現象は加速する一方…。
だとしたら、米国ボクシングは「ヘビー級の傑出した才能」を無視して、繁栄の道を模索するしかありません。
アリという偉大な〝恐竜〟を失った米国リングは、考える〝哺乳類〟が新しい時代を建設していくことになります。
アリの引退で、ボクシングから離れたファンは数多くいたでしょう。
一方で、ボクシングが好きでたまらないファンは新しい時代に期待しながら覇王の登場を待ちました。
アラムの恐るべき慧眼が、シュガー・レイ・レナードを見逃すわけがありません。
アリが引退したその年に、レナードはトーマス・ハーンズとの史上最高の決戦でドラマティックな勝利を収めて一気にスターダムに駆け上がります。
「アリの持つトーチはしばらく行き場を失うだろう」と誰もが諦めていましたが、タイムラグ無しでそのトーチはレナードにリレーされたのです。
しかし、ハーンズ戦で重度の網膜剥離を患ったスーパーエクスプレスは翌1982年、引退を発表。そのトーチは宙に浮きます。
アラン・ミンターを粉砕して連続KO防衛を続けていたハグラーはアリやレナードが獲得していた好感度の高い人気とは異質の、「誰がハグラーに勝てるのか?」が焦点になる注目を巻き起こして行きます。
今では黒人アスリートの定番となった頭を剃り上げるスタイルも、ハグラーが先駆けの一人でした。
しかし、ハグラーの絶対王政はまさかのレナードによって幕を引かれてしまいます。
一方で、ハグラー戦までベビーフェイスだったレナードはAサイドのスーパースターという特権を振り回し、現代の悪しきスター像の雛形となってダークサイドに堕ちます。
世界中のボクシングファンが注目した「ハグラーに向けられる次の刺客は誰だ?」。最もヒートアップしたのは、ついに対戦が叶わなかったドン・カリーだったかもしれません。
そのタイミングで、滅びたはずのヘビー級とドン・キングが蘇るのです。マイク・タイソンの短い夏が始まるのです。
だいぶ前に書きかけだったドン・キング話にも合流です。
前置き(でもないのですが)が長くなりました。
さあ、中谷正義と井上尚弥につないでゆきます。
最低にくだらない、唾棄すべき価値観です。
そんな、作品そのものには全く価値がないのに、高く売る奴と高く買う奴がいる、最悪のアホイベントが終わったようです。
まー、あんなの米国に住んでても絶対PPVを買いませんから、馬鹿は馬鹿同士でやってりゃいいのですが、価値のある作品が安く買い叩かれるのはやりきれません。
というわけで、誰が描いたか?なんて無関係の価値観で測られる作品の公開がいよいよ迫って参りました。
その価値を改めて確認するために「覇権」「覇王」のお話です。
私が世界のボクシングを取り憑かれた1980年代から2021年現在に至るまでの覇権の推移を振り返ります。
「覇王」の定義は「最も世界から注目され高い報酬を得たファイター」です。下の表では赤字が「覇王」です。
例えば、サルバドル・サンチェスは1981年Fighter Of The Yearをレナードと分け合い、81年実績が反映される82年PFPで4位と高評価でしたが、軽量級の悲哀でその評価に注目度と報酬は付いてきませんでした(とはいえ現代ほどの理不尽な格差はありませんでした)から、ここでいう「覇王」にはあたりません。
この40年余りの歴史の中で最も大きなエピックは「①モハメド・アリの引退」でした。
スポーツ史最高のカリスマがグローブを吊るした衝撃は大きく二つ挙げられます。
【First Impact】クイーンズベリー・ルールによって近代ボクシングが開闢されてから100年、ボクシングはヘビー級が支配するスポーツでした。
米国での社会的ステイタスは1950年代がピークだったボクシングが60年代〜70年代をなんとか生き長らえたのも、ヘビー級の存在感があればこそでした。
いいえ、正確には「ヘビー級」ではなく「モハメド・アリ」の存在がボクシングの延命装置になっていたのです。
そのアリが去ったリングは寂れ果てるだけ…のはずでした。
【Second Impact】モハメド・アリの引退がボクシング界を揺るがす大激震であったことは間違いありません。
現実に「世界ヘビー級チャンピオンがスポーツの王様」である時代は完全に終焉しました。
しかし、あまりに大きな衝撃はときに意外な副産物を産み落とします。
恐竜の絶滅が、哺乳類の繁栄の引き金になったように。
それまで、ヘビー級の傑出した才能に大きく依存していたボクシング界は、もはやそれが期待できない時代に突入したことを自覚します。
時代の大転換に鈍感なまま、傑出したヘビー級の才能を探し続けたのがドン・キング。
時代の潮目が大きく変わることを見極めていたのが、ボブ・アラムでした。
「覇王は生まれて来る」と旧態依然の手法で商売を拡大しようとしたキングと、「スーパースターはプロモーターが育てるもの」と新しい時代と向き合ったアラム。
大きな肉体と優れた運動能力に恵まれた〝カシアス・クレイ〟が他のスポーツに流出する、ボクシング崩落現象は加速する一方…。
だとしたら、米国ボクシングは「ヘビー級の傑出した才能」を無視して、繁栄の道を模索するしかありません。
アリという偉大な〝恐竜〟を失った米国リングは、考える〝哺乳類〟が新しい時代を建設していくことになります。
アリの引退で、ボクシングから離れたファンは数多くいたでしょう。
一方で、ボクシングが好きでたまらないファンは新しい時代に期待しながら覇王の登場を待ちました。
アラムの恐るべき慧眼が、シュガー・レイ・レナードを見逃すわけがありません。
アリが引退したその年に、レナードはトーマス・ハーンズとの史上最高の決戦でドラマティックな勝利を収めて一気にスターダムに駆け上がります。
「アリの持つトーチはしばらく行き場を失うだろう」と誰もが諦めていましたが、タイムラグ無しでそのトーチはレナードにリレーされたのです。
しかし、ハーンズ戦で重度の網膜剥離を患ったスーパーエクスプレスは翌1982年、引退を発表。そのトーチは宙に浮きます。
1981年のレナードを最後に「スポーツマン・オブ・ザ・イヤー」のボクサーは絶滅してしまいました。
そして、初の世界戦はレナードの前座と常に脇役に甘んじてきたマーベラス・マービン・ハグラーについに光が当たります。アラン・ミンターを粉砕して連続KO防衛を続けていたハグラーはアリやレナードが獲得していた好感度の高い人気とは異質の、「誰がハグラーに勝てるのか?」が焦点になる注目を巻き起こして行きます。
今では黒人アスリートの定番となった頭を剃り上げるスタイルも、ハグラーが先駆けの一人でした。
しかし、ハグラーの絶対王政はまさかのレナードによって幕を引かれてしまいます。
一方で、ハグラー戦までベビーフェイスだったレナードはAサイドのスーパースターという特権を振り回し、現代の悪しきスター像の雛形となってダークサイドに堕ちます。
世界中のボクシングファンが注目した「ハグラーに向けられる次の刺客は誰だ?」。最もヒートアップしたのは、ついに対戦が叶わなかったドン・カリーだったかもしれません。
そのタイミングで、滅びたはずのヘビー級とドン・キングが蘇るのです。マイク・タイソンの短い夏が始まるのです。
だいぶ前に書きかけだったドン・キング話にも合流です。
前置き(でもないのですが)が長くなりました。
さあ、中谷正義と井上尚弥につないでゆきます。







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