無観客試合は物足りない…でも仕方がありません。

それでも、MGMグランドのThe Bubble で行われているコンパクトなイベントよりも、やはり昨日のモヒガン・サン・カジノのようなアンダーカードもズラリのイベントの方が楽しめます。

丼物やカレーライス、ラーメン…ほぼ一品完結モノの食事の方が、面倒なコース料理よりも好きですが、ことボクシングのイベントとなるとやはり〝コース料理〟が美味しく楽しめます。

とはいえ、防疫・衛生面を考えると、多くの選手や関係者が集まる〝コース料理〟よりも、The Bubble の方が万全の態勢です。

とはいえ、贅沢は言ってられません。

10月最初のピッグファイトはライト級、ESPNがPFP1位に推すワシル・ロマチェンコと人気者テオフィモ・ロペスの激突。
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ロマチェンコのリング誌/WBA/WBO、ロペスのIBFがステイクされるアルファベット三団体統一戦です。

中谷正義がロペスを泣かすほどの大健闘を見せたクラス、日本人にも希望が見える最重量階級だけに、親近感と注目度も上がります。

さらに、ウクライナのハウテクをホルヘ・リナレスが最も追い詰めたという事実も、勇気の材料です。

10月17日、MGMグランド The Bubble。

①9月28日現在のオッズはロマ1/3=1.33倍、ロペ3/1=4倍。

ロマ有利の基調は変わりません。 ※次回のお話のときに②のオッズをご紹介します。

「23歳の〝征服者〟が、32歳になったとはいえ現代最高のテクニシャンを倒すには時期尚早」というのが大方の見方です。

引退後のビジョンを口にしているウクライナ人にとって、リングの中にはもう大きな野望は抱いていないでしょう。

最もスターパワーを持つロペスを退ければ、あとはカネ儲け以外にリングへの動機付けはありません。

「35まではやらない。ボクシングは、パッキャオのように40になっても続けるスポーツではない」。

その言葉から窺えるのは、そのボクシングスタイル同様に自身の健康とビジネスを天秤にかけた隙のない人生観です。

「空前絶後のエリート」ロマチェンコと「極貧のどん底からスターダムの頂点に駆け上がった」マニー・パッキャオとのメガファイトも、噂の段階で消滅、今では「ライト級でも重い」と泣き言まで口を突いてしまっています。

あのスタイルだからこそ、技術だけでどこまで戦えるのかを見てみたかった気もしますが、これはもう本人の価値観、生き方の問題です。

もし、モハメド・アリが徴兵に応じていたなら、プライムタイムの3年間でどんな恐るべきパフォーマンスを見せつけていたでしょうか。

大場政夫がシボレー・コルベットのアクセルをあんなに強く踏み込まなければ、彼はオールドタイマーではなくモダーン部門で国際殿堂入りしていたでしょう。

マニー・パッキャオに複数階級制覇に対する周到な展望があれば、ジュニアバンタムとバンタムをスキップするなんて勿体無いことはせずに10階級制覇を果たしていたはずです。


…しかし、アリが徴兵に従うような正常な人格なら、あれほど常軌を逸した奇蹟を積み重ねることが出来たでしょうか?


大場が、安全運転を常に心がける模範的な性格だったなら、あの火を噴くような勝負根性をリングの上に惜しみなくばら撒いたでしょうか?


パッキャオの血管に狡猾な保身の血が一滴でも流れていたなら、いまの彼はパックマンと尊敬されていたでしょうか?



同じように…ロマチェンコが「パッキャオとカネロを倒す」と一番テッペンに咲く花を刈り獲ってやるという身の程知らずの野望に取り憑かれていたなら…あの繊細で精密なボクシングは完成していなかったのかもしれません。


全ては、きっと、神様の思し召しです。