いよいよあと52日に迫った、井上尚弥vsジョンリール・カシメロ。

なんでラスベガスでやるのか、今もって意味がないと思いますが、それはまた別の話。

井上とカシメロ、このマッチアップは、ボクシングファンにとってあれこれ想像するだけでヨダレが出てくるようなマッチアップです。

それにしても、井上は息継ぎ無しで面白い相手を選んでくれて、感謝感激です。

あれだけ傷んだ試合の後ですから、今こそ銀行員や引越し屋さんと戯れ合っても誰も文句のないタイミングでしたが、彼は生粋のファイターです。尊敬しかないです。

さて、この団体統一戦。大方の予想では「世界評価で大きくリードする26歳のPFPファイターが5歳年上の野獣を中盤までにストップする」と見られています。

しかし、井上が一つ間違えば火の出るような大激戦になる可能性も十分に孕んでいるのは、ボクシングファンの誰もがわかっているでしょう。

現地米国での報道は腹立たしいほどまで少ないものの、オッズは出揃ってきました。
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ウィリアム・ヒルは井上を1/6(1.17倍)で支持、カシメロ勝利には7/2(4.5倍)を付けました。他のブッカーも概ね同じような掛け率が並んでいます。

ドネア戦では井上1/10(1.1倍)、ドネア11/2(6.5倍)でしたから「カシメロはドネアよりも相当に危険な相手」と見られてるわけです。

あるいは「ドネア戦で井上の評価は下がった」ということです。メディアと信者の評価は上がった一方、ブッカーの見立ては厳しくなりました。

実際には「カシメロはドネアよりも強い」「ドネア戦で井上の評価に疑問符」、その両方が掛け率に現れたのでしょう。 

ちなみにテテ戦でのカシメロは12/5(3.4倍) テテが4/11(1.36倍)でした。少なくとも、オッズの上ではカシメロにとって井上はテテよりも「遥かに強敵」とは言えません。 
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もちろん、オッズは必ずしも「実力」や「評価」を正確に反映した数字ではありません。

しかし「不規則なスピード」「何をするかわからない野生」「局面を変える一発強打」という〝番狂わせに必要な3本の導火線〟を全てコネクトした爆弾がカシメロです。

ただ、普通に考えれば、この3つの導火線は「意外性」の一言で片付けることが出来ます。

すでに井上が語っているように「近い距離では戦わない」「無理せずに少しずつ削っていく」ことで野獣の意外性を封じ込めることが出来たなら、31歳のフィリピン人は隙だらけのB級ファイターというもう一つの本性を曝け出すはずです。

では…井上にその周到で緻密な戦略を遂行する能力があるのか…?

「それだけは食わないように」と注意して臨んだドネアの左フックを早々に被弾してしまったのは、なぜなのか?

「1ラウンドがあまりにも上々のスタートだったから油断してしまった」という本人の言葉は真実なのか?あれほどまで警戒してたのに、そんなに早い段階で簡単に油断してしまったのか。

キャリアを通しても一面的な戦い方しか出来ない、つまり引き出しが極端に少ないドネアの36歳バージョンが井上戦では試合巧者に映った理由は、単なる相性の悪さだけだったのか?

そして、井上のキャリアで飛び抜けての強打者はドネアですが、カシメロはそれ以上かもしれません。

さらに井上のキャリアで、カシメロのスピードは間違いなく、ずば抜けて最速。 

リング誌などの読者投稿で「日本人は速い相手に弱い」というコメントをよく見かけますが、それは大番狂わせに沈んだ内山高志(vsジェスレル・コラレス)と山中慎介(vsルイス・ネリ)、二人の印象が強烈だからでしょう。

確かに、内山と山中はキャリア最速の相手に全く反応できずに、惨敗を喫しました。

しかし、当時の内山は36歳、山中も34歳で試合前からスピードでは明らかに劣ると見られていました(内山、山中ともに初戦の年齢)。2人ともキャリア晩年という、スピード選手を迎えるには最悪の時期でした。

一方で、井上は26歳、カシメロは31歳。さらに、種類・タイプは違うものの、スピードは五分か井上有利と見られています。 


まあ、それにしても何本も導火線を持っているカシメロ爆弾は非常に不気味です。


カシメロの後にも井上との試合を望むボクサーは後を断ちません。

「さいたまスーパーアリーナ」を見てしまった世界中の軽量級選手は、井上や井岡との対戦をあちこちでブチ上げています。

ローマン・ゴンザレスも井岡一翔を指名して「日本で」と、しっかり注文を付けています。

カシメロやロマゴンは、日本人のロマンに付き合ってラスベガスのしょぼい報酬で戦うよりも、東京や横浜、埼玉での本物の軽量級メガファイトを望んでいるのです。

「私が井上ならずっと埼玉で戦う。ラスベガスで勝ったら埼玉でリマッチしたい」(カシメロ)、「井岡と統一戦を日本で戦いたい。出来れば大阪」(ロマゴン)。

彼らの声は日本のボクシングファンの耳にどう聞こえるのでしょうか?

しつこいようですが…。

軽量級の本場はラスベガスですか?

ラスベガスでバンタム級以下の軽量級メインで大きな試合がありましたか?そんな試合を見たことありますか?

「西岡や井上のラスベガスは押し売り」と言われて、まともに反論できますか?
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有名な「靴のセールスマン」の話、とは違います。彼は靴を知らない「裸足の国」に靴の安全性やファッション性を知らしめてセールスマンとして成功したのです。

靴=バンタム級(軽量級)です。

「ラスベガスの押し売り」は、すでに「ウェルターやミドル級の高価な靴」を履いている国に「小さなバンタム級の靴」を押し売りしているのです。

彼らは靴を知らないわけじゃありません。すでに知ってるのです。しかも、自分たちにフィットしたサイズの靴を。

例えれば、米国にソフトボールを押し売りするようなものです。

もちろん、MLBが欧州でプロモーショナルツアーを展開しているような未来を開拓するビジョンがあれば話は別ですが、米国ボクシングに明るい未来があるとは考えられません。

そうですね、「押し売り」ならまだいいんです。

米国に押し売るなんて快感です、変なもん、いっぱい売り付けたいわぁ。

そうじゃなくて、この日本でもっともっとずっとずっと高く売れて、世界が羨望しているというのに…。

「とんでもない快挙」「もっと評価されるべき」「世間はなんでわかってくれない」と、米国の悪徳プロモーターとネコババ契約を結んだことを賞賛する神経が、私には理解できません。

日本の「ラスベガス志向」は「軽量級の素晴らしさを知らない米国に衝撃を与えてやる!」という高貴な心意気ではなく「軽量級の本場もラスベガス」という「トイレットペーパーは中国で生産」と同じフェイクを信じる阿呆がワッショイしてるから暗愚で醜悪なのです。

「日本のリングが大好きだ。みんなが尊敬してくれるから」。ロマゴンの言葉が全てでしょう。


酔っ払うと話が飛びまくります、そうだ、井上vsカシメロなのだ。

この試合、ドネア戦に続いて面白い試合を期待したいという希望なんて微塵もありません。

BWAAやリング誌などがドネア戦を「年間最高試合」に選出しとことを〝名誉〟と捉える向きもありますが、井上信者の方々にとってはあんな賞は〝侮辱〟と思わなきゃいけません。もう2度ともらっちゃいけません。

あれは「激闘王」賞です(八重樫東ならいいんです!いくらもらっても!実際もらってますし)。

何度ももらっていいのは年間最高選手賞(シュガー・レイ・ロビンソン賞)を筆頭に、年間最高KO賞、年間最高イベント賞(2019年は「さいたま」が惜しくも!次点=受賞はサウジアラビアのルイスJr.とジョシュアの再戦) くらいです。

今見ると、まだチケットが余ってますね。募集中のWOWOWのツアーは割高でしょうけど、なんとかうまく調整できたら、いい席でもチケット残ってるので、行きたいです。 

「ドネアvsモンティエル」 も同じような感じで行こうと思い立ちましたが、いろんな事情で行けませんでした。今回は!