日本時間2月9日。ペンシルバニア州アレンタウン 、PPLセンター。

WBC世界フェザー級タイトルマッチ、王者ゲイリー・ラッセルJr. が無敗のモンゴリアン、タグ・ニャンバヤルをさばいた興行のセミファイナル。

ギレルモ・リゴンドーvsリボリオ・ソリス、WBAバンタム級王座決定戦です。

それにしても、WBAのヒルベルト・メンドサJr.会長は「1団体が複数の世界王者を抱えるのはおかしい」と訴えるリング誌などに「もっともだ、私たち承認団体は間違っている。是正する」と公言してから一向に改善されていません。

WBAに限ったことではありませんが「承認すれども統括せず」という承認団体という存在は、そもそもの成り立ちからして腐敗するしかない黴菌団体です。

国や地域が統括しているボクシング界では、かつて「ニューヨーク州公認世界チャンピオン」のようなスタイルがありましたが、当時に戻るべきとは思いませんが…。

それにしても承認団体の好き放題は酷すぎます。JBCに毅然とした態度なんて求める方がおかしいのかもしれませんが、立場は遥かに上です。もっと正義を貫かねばならない、喫緊の時期に差し掛かっているのですが…どうやらそれどころじゃないようですし…。

ああ、アルファベット団体の話は今夜のテーマではありません。

話を戻して…井上尚弥にカネの匂いを嗅ぎつけたキューバのジャッカルが、バンタム級に降りて来ました。

舞台は、ペンシルバニア州、アレンタウンです!この地でボクシングの世界戦が開催されたことってあるのでしょうか?
この街のことは小学生の頃から知っています。大好きなビリー・ジョエルの名曲で歌われた、あのアレンタウンです。

工場で噴き出すスチーム音からのオープニング、英語なんてABCもわかっちゃいない小学生でも、アレンタウンが錆びれた悲しい工業都市であることは直感できました。

一度も行ったことがない街ですが、ビリー・ジョエルの歌だけでず〜っと昔から知ったかのアレンタウン。

そこで、リゴンドーが拳を交えたのはリボリオ・ソリス。

2人とも日本のリングで世界線を戦った経験のある、ボクシングファンならお馴染みの名前です。

39歳のキューバ人と37歳のベネズエラ人による、WBAセカンド王座を賭けたタイトルマッチ。

リゴンドーの誕生日は、BoxRecでは9月、リング誌は5月としていますが、どっちにしても40歳目前です。最近の試合でも劣化が目立つジャッカルのタンクに、まだ何か残されているのかどうかを占う一戦でした。

結論からいえば、タンクの中は空っぽでした。

試合は1ラウンドから波乱含み。ソリスのスローな左フックが再三ヒット。これまでのキャリアで3度ダウンしているキューバ人の4度目が、いつ訪れても不思議ではない立ち上がり。

しかし、7ラウンドにはリゴンドーの左アッパーが炸裂、ベネズエラ人をロープに飛ばします。主審は「ダウン」を宣告。ソリスはなんとか生き延びますが、結果的にはこのダウンのポイントが効きました。

スプリットデジション(116−111/115−112/112−115)でリゴンドー勝利がコールされると、場内からブーイング。

ソリスは「判定は受け入れるしかないが、私が勝者だ。初回でKOされそうになってからリゴンドーは逃げてばかりだった」と不満を爆発。まあ、でも負けてました、ソリス。

リゴンドーは「ソリスは強敵だったが私の勝利に間違いはない。バンタム級でも減量は全く問題ない」と例の泣き顔で語り、トレーナーのロニー・シールズは「バンタム級のベルトを持っている相手なら誰でもかかって来い」と自信を見せ「井上尚弥とサイタマで戦いたい」と本音も。

リゴンドーの勝利で文句のない内容でしたが、綺麗に勝ったとは言い難い内容でした。打たれ脆さも相変わらずです。

ボクシングは何が起こるかわかりません。井上が次戦でジョンリール・カシメロに惨敗しても大きな驚きはありません。

しかし…今日のリゴンドー、あるいはソリスでも井上の前に12ラウンド無事に立っていられるとは到底思えません。

ソリスは日本のリングで何度も証明しているように、ストロングポイントの見当たらない平均点(以下?)のボクサー。

リゴンドーはスピードと反射の衰えが酷すぎました。そのせいか、持ち前の技巧もサビついて見えたのは気のせいでしょうか。

そして、錆びついた39歳のキューバ人がアレンタウンで腰に巻いたのは、WBAセカンドタイトルのベルト。まさにお似合いのラストベルトでした。