減量とは何なのか?

階級性のないサッカーや野球でも体のキレを増すために体重を絞ります。軽量化がスピードとスタミナに直結するマラソンでは体重管理は完全に調整の一環です。

では、ボクシグでは?

ヘビー級の選手、デオンティ・ワイルダーらは対戦相手によってスピードとパワーのどちらを優先させるかで減量と増量の二刀を使い分けます。

ヘビー級ではありませんが、マニー・パッキャオは基本的に減量はせず、増量して試合に臨むこともあります。

しかし、ヘビー級とパッキャオは例外です。

他のすべての選手にとって、減量とは「より弱い相手と戦うための手段」です。

「減量による脆弱化を最小限に抑える」「前日計量から一気にリバウンドしてリングイン」が減量の2大テーマです。
2017年選手前日当日増加増加率
4月23日井岡一翔50.8kg56.6kg5.8kg11.42%
8月15日山中慎介53.5kg58.2kg4.7kg8.79%
8月15日ルイス・ネリ53.5kg58.6kg5.1kg9.53%
10月22日比嘉大吾50.7kg54.2kg3.5kg6.90%
10月22日村田諒太72.5kg77.1kg4.6kg6.34%
12月31日京口紘人47.5kg51.5kg4.0kg8.42%
12月31日カルロス・ブイドラゴ47.1kg55.0kg7.9kg16.77%
      
2018年選手前日当日増加増加率
5月25日井上尚弥53.5kg59.5kg6.0kg11.21%
5月25日ジェイミー・マクドネル53.5kg65.3kg12.0kg22.42%
10月7日井上尚弥53.5kg58.5kg5.0kg9.35%
卓越した減量メソッドを確立している井上尚弥と井岡一翔が、大きな実績を残しているのは偶然ではありません。

彼らはリング内で優れたボクサーであることはもちろん、減量においてもライバルたちよりも優れているのです。

「8〜13%が狙い目、個体差はあるが10〜12%リバウンド が理想」(ビクター・コンテ)というリバウンド理想において、井上と井岡は傑出しています。

一方で、6%前後のリバウンドで収めている村田諒太はジュニアミドルでも戦えそうです。 

オスカル・バルデスが「減量ほど苦しいことはないが、これを乗り越えないとリングに上がる資格はない」というように、パッキャオのように強ければそこまで苦しむことはなにのですが、過去のパッキャオも含めて「少しでも軽くて弱い相手と戦いたい」「リバウンドで少しでも優位に立ちたい」と考えるのは当然です。

バルデスからマイキー・ガルシア、シェーン・モズリー…減量と階級アップに向き合ったファイターの軌跡を振り返ります。