現在のボクシング界で最も魅力的で大きな興行になるカードは…?

アンディ・ルイスJr.vsアンソニー・ジョシュアの勝者とデオンティ・ワイルダー vsタイソン・フューリーの勝者。このヘビー級注目の再戦、勝者同士が激突!これは確かに魅力的です。

カネロ・アルバレスvsカラム・スミス。メキシコと英国、ボクシング大国の代表対決!ラスベガスかロンドンか、どこが会場になっても超弩級のメガファイトです。

マニー・パッキャオを中心としたウェルター級のメガファイト。147ポンドは、伝説の最終章を飾るにふさわしいタレントの宝庫です。 

そして、カネロvsゲンナディ・ゴロフキン第3戦もまた、世界中のボクシングファンが熱望するカードです。 

しかし、ボクシングの歴史を振り返ると2試合で十分、第3戦は不要だったという事例が少なくありません。

カネロvsGGGは初戦も面白い試合でした。第2戦はリング誌が年間最高試合に選ぶほど興味深い内容でした。だからといって第3戦がさらに面白い展開になるとは限らないのです。

カネロ・アルバレスが来月2日にセルゲイ・コバレフの持つライトヘビー級のWBOバージョンに挑戦します。

オッズはカネロ勝利が2/9(1.22倍)、コバレフ3/1(4倍)。カネロが明白に有利と見られているのです。

もし、これがGGGvsコバレフならカザフスタン人に大きく不利予想が立てられたでしょう。この1年でカネロとGGGの距離はかくも広がってしまったのです。
 
カネロはオッズと予想通りにコバレフをボディで KOすると、ミドルから数えて4階級制覇。

コバレフを含めて、これまでの対戦相手の質の高さはPFPファイターの中でも群を抜いています。メディアにもアンチが多いカネロは現在3位ですが、コバレフにも明白な勝利を収めるようなら、PFP1位にすべきです。

一方、セルゲイ・デレビャンチェンコに大苦戦の末に幸運な判定勝ちを拾ったゲンナディ・ゴロフキンは来年2月29日に全く無名のカミル・シーレメタとの対戦が内定。


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9年前、フロイド・メイウェザーvsジェーン・モズリーの前座で全米PPVデビューを飾ったカネロは、平凡なジュニアミドル、ホセ・コットのパンチにグラつくシーンもありました。

あのときのカネロが将来、天文学的な報酬を稼ぐスーパースターになると誰が予想できたでしょうか?それよりも、もっと予想外だったのは、GGGと互角に渡り合う日が来たことです。
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カネロは周到なマッチメイクで信じられないほど順調に、そして効率的に成長しました。そして、おそらくまだ成長途上です。
 
一方のGGGは、プライムタイムにビッグネームや強豪から敬遠され、二線級の相手といたずらに防衛を重ねてしまいました。

GGGに直接の責任はないとはいえ、十分予想できた未来を今、迎えているのです。

ボクサーの評価で最も大切な「誰に勝ったのか」という一点で、GGGのそれはデビッド・レミューが最強です。レミューが最強…なんという残念なキャリアでしょうか。

20連続、17連続KOの防衛記録は、強豪と対戦した途端にストップしました。

全盛期ならダニエル・ジェイコブスやカネロ、セルゲイ・デレビャンチェンコをノックアウト出来たはずだ…なんて、今となっては虚しい負け惜しみです。

それを言い出したら、マイク・タイソンの信者たちと何ら変わりません。

もちろん、層の厚いミドル級で覇権を築いたことは評価に値しますが、現時点のレガシーでGGGがカネロより上だ考える人は誰もいません。

もうすでに「GGG はカネロに抜かれた」のです。

プライムタイムには「ジュニアミドルでも戦える」と若きカネロやフロイド・メイウェザーとの対戦にも興味を示していましたが、相手にされるわけがありません。

GGGは全盛期に、オッズや予想で不利になるような相手と戦うべきでした。

「カネロやメイウェザーはやりやすい相手ばかり選んで、どうして俺だけ危険な橋を渡らなければならないんだ?」なんて言い分は通りません。プロボクシングとはそういう不公平が当たり前に横たわっているスポーツなのです。

スター選手は、恐ろしく強そうなカザフスタン人なんて相手にしません。強いだけで、人気がなく報酬も期待できないカザフスタン人とは誰だって戦いたくありません。

カネロら人気選手が、GGGのボクシングが雑魚相手の防衛戦で荒くなり、時間がその肉体を蝕むのを待ち構えるのは最初から分かっていたはずです。

かつてGGGはアンドレ・ウォードの挑発に応じず、今はジャーマル・チャーロやデメトリアス・アンドラーデらの対戦要求に目を逸らしています。

厳しい言い方ですが、同じ穴のムジナです。

今回の第3戦も、カネロは「GGGとは決着がついている。デレビャンチェンコに負けているGGGとやる意味がない」。

ゴールデンボーイ・プロモーションズのエリック・ゴメスは「失神したGGGをファンが見たいというなら試合を成立させたいが、本当にやる意味があるのか?デレビャンチェンコのボディで泣きそうになるGGGは、今のカネロのパンチには耐えることが出来ない」。

今回の相手、シーレメタは 欧州ミドル級王者で30歳のポーランド人。戦績は21戦全勝5KO。名前のある選手に勝ったのは、3年前の2016年に元IBFジュニアミドル級王者カシム・オウマだけ。

ちなみに当時オウマは37歳。2011年にはGGGのWBAタイトルにも挑戦、その時点でさえ直近10試合5勝5敗。完全下り坂のウガンダ人でした。

ゴロフキンのキャリアは、特に全盛期が意味のない相手との対戦に溢れてしまっています。カネロとは対照的です。

今回のシーレメタも勝って当たり前、カネロが弄んだロッキー・フィールディングのように勝って何かが付いてくる相手でもありません。時間の無駄です。

多くのメディアは第3戦について「やるべきじゃ無い。GGGがノックアウトされるに決まってる」と、やるべきではないと否定的ですが、やるべきです。

絶対にやるべきです。
 
GGGにとって、第3戦は絶対に必要です。

何故なら今のカネロは、GGGにとって予想もオッズも圧倒的不利になる相手だからです。勝てば40戦を超えるキャリアで飛び抜けて最大の勝利です。

カネロに勝利することは、17連続KOや20連続防衛などの中身の無い空虚な数字とは価値が違います。

ゴロフキンにとって、第3戦は絶対必要なのです。