1865年、和暦では慶応元年にクイーンズベリールールが制定されてから154年。
この長いボクシングの歴史で最多の複数階級制覇を成し遂げたのは、マニー・パッキャオです。
フライ級からジュニアミドル級にかけての10階級のうち、8階級で世界王者になりました。
パッキャオに次ぐのは、6階級を制したオスカー・デラホーヤ。
5階級制覇となるとシュガー・レイ・レナード、トーマス・ハーンズ、フロイド・メイウェザーの3人。
✴︎暫定王者を王者とカウントしない世界基準ではノニト・ドネアとホルヘ・アルセは4階級制覇です。
11月の井上vsドネアの放送でも、この辺りの世界との認識のズレ、日本ではパッキャオは6階級制覇、世界でドネアは4階級とされている背景についても触れると世界のボクシングの内実がよく伝わって良いと思うのですが…欧米と比べて日本では承認団体への批判は驚くほど少ないので難しいかもしれません。
4階級制覇はロベルト・デュランやパーネル・ウィテカ、ロイ・ジョーンズJr.、エリック・モラレス、ファン・マヌエル・マルケス、ミゲール・コットらが続き、今年6月には井岡一翔もこの倶楽部に入会。現在の部員数は15名まで膨れ上がっています。
日本では「4」の井岡を筆頭に八重樫東、田中恒成、井上尚弥らが「3」でウェイティングサークルに控えており、若い井上と田中が4階級制覇を達成するのはほぼ確実です。
3階級制覇でもあのファイティング原田ですら成し得ませんでしたが、2010年に亀田興毅が達成してから9年で長谷川穂積、八重樫、井岡、田中、井上と6人も誕生。
日本人だけで3年に2人のペースで3階級制覇を量産している計算です。
このハイペースは今後、さらに加速するのは間違いありません。
かつて日本中から批判を浴びた興毅が「5階級制覇したら文句ないやろ!」と的外れな啖呵を切りましたが、問題はそこではありません。
団体と階級が増殖する現代において、主要団体の世界王者が4強とは限りません。10傑も怪しい王者が跋扈しています。
今や階級制覇数も防衛回数も、大きな意味を持ちえません。
啖呵を切るなら「(当時全盛期の)ドネアに勝ったら文句ないやろ!」「ガンボア倒したらお前ら全員土下座な!」が正解でした。
強いヤツに勝つ。それが全てです。今のボクシング界で手っ取り早く高い世界評価を得るには、旬の強豪に勝つことです。
ウィラポン・ナコンルンアンプロモーションやオマール・ナルバエスが何度防衛しようが、レオ・ガメスが何階級制覇しようが旬の強豪には1人も勝っていないない、数字だけの彼らに殿堂入りの栄光は与えられません。
しかし、ローマン・ゴンザレス、シーサケット・ソールンビサイ、ドニー・ニエテスの3人から圧倒的な内容で勝利を収めれば、自腹で購入するアルファベット・ベルトは一本も手に入りませんが、PFPも殿堂入りも確実です。
マニー・パッキャオが文句無しの階級最強王者を倒した2階級、マルコ・アントニオ・バレラ戦とリッキー・ハットン戦は主要団体の承認がありませんでした(今ならダイアモンドやら何やらがかかってそうです)。
2人が保持していたのは、地域タイトルやマイナー団体のベルトとリング誌、そして目には見えない Lineal Champion の座です。
王者と認定するのに十分です。
「当時のバレラとハットンを倒しても世界王者とは認めない。なぜなら権威ある4団体のタイトルがかかってないから」という日本メディアの蒙昧低脳な姿勢はもはや憐れですらあります。
前置きが長くなりました。
階級制覇はどこまで可能なのか?、です。
理論上は17階級あるのだから、17階級制覇まで可能ですが…。
さすがにそれは不可能なのでしょうか?

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