プロボクサーにとって最も名誉なことは、PFPキングではありません。

殿堂入りです。

ボクサー部門は「オールド・タイマー」と「モダーン」の二部門が用意されています。日本人でこの最高名誉に浴したのは「オールド」の具志堅用高と、「モダーン」のファイティング原田の二人だけです。

時系列で古い原田がモダーンで、新しい具志堅がオールドというのは違和感ありまくりですが、原田は一発殿堂(資格発生即殿堂入りの最高評価)に対して、具志堅はモダーン部門で長らく候補者に入りながらも選ばれずに期限切れ、オールド部門で選出されたという経緯があります。

つまり、モダーン部門の方が評価が高く、中でも一発殿堂(First Ballot)は、最高の名誉です。昨年はエリック・モラレス、ウィンキー・ライト、ビタリ・クリチコ、三人ともにFirst Ballotで最高の栄誉に輝きました。

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さて、投票結果はどうなるやら?来年の殿堂入りボクサーの候補者が出揃い、リング誌のマイケル・ローゼンタール編集長が総覧しています。

■ドナルド・カリー(34勝25KO6敗)・・・キャリア前半は一発殿堂もありうる勢いだったが、後半は急ブレーキ。凡庸なファイターで終わってしまった。誰に勝ったのか?となるとマーロン・スターリングとミルトン・マクローリーだけ。今年も彼に投票する記者は少数派になりそうだ。

■リッキー・ハットン(45勝32KO3敗)・・・コスタヤ・ジューを倒した時のハットンは素晴らしく見えた。しかし、トータルで考えて殿堂入りは難しい。ジューは当時36歳、ハットン戦で引退した。つまり、ハットンが倒したのはベストのジューではない。では、ジューの他に誰に勝ったか?誰にも勝っていない。

○ヘナロ・エルナンデス(38勝17KO2敗)・・・闘病生活の末に亡くなったヘナロを考えるとき、彼の高尚なスポーツマンシップを思い出すとき(アズマ-・ネルソン戦で反則打を受けながらも「試合を止めるな」と主張する声がHBOのマイクが拾い世界中のボクシングファンが感動した)、どうしてもバイアスがかかってしまう。しかし、誰に勝ったかだけを考えると、どうしても殿堂入りは微妙だ。

■ジュリアン・ジャクソン(41勝37KO9敗)・・・時代を彩るビッグパンチャーだったが、誰に勝ったかというよりも、負けっぷりが印象的なボクサー。見ていて面白かったが、殿堂とは関係の薄いボクサーだ。

◎ラファエル・マルケス(41勝37KO9敗)・・・殿堂入りのマーク・ジョンソンに二度も勝ち、当時無敗のティム・オースティンにも初黒星を付けた。イスラエル・バスケスとの4戦はボクシング史上に残る名勝負。一発殿堂で不思議はない。

◎ダリウス・ミハエルゾースキー(48勝38KO2敗)・・・全盛期のロイ・ジョーンズが対戦を避けたと信じられるほどの才能の持ち主だった。ライトヘビー級王座を23度も守り、クルーザー級まで制覇。モンテル・グリフィン、グラシアノ・ロッシジャーニ、バージル・ヒルに勝利を収めた。ドイツを出て戦ったのは2度だけだが、彼の実績は殿堂入りに十分値する。

○マイケル・モーラー(54勝40KO4敗1分)・・・大した相手はいなかったもののライトヘビー級で無敵のサウスポーはヘビー級でも大きな成果を残した。ホリフィールドに勝って史上初のサウスポー王者となったが、初防衛戦で偉大なジョージ・フォアマンに逆転KO負けを喫してしまう。殿堂入りにはボーダーラインのボクサー。

■スベン・オットケ(34勝6KO無敗)・・・数字だけなら殿堂確実。キャリア序盤で隣国オーストリアで戦った他は母国ドイツに引きこもり。グレン・ジョンソンやトーマス・テート、バイロン・ミッチェル、ロビン・リードに勝っているが、ジャッジに救われた試合もいくつかあった。殿堂入りには届かない。

■メルドリック・テーラー(26勝22KO5敗)・・・フリオ・セサール・チャベスとの「あと2秒でストップ負け」した試合は、様々な影響を彼のキャリアに及ぼした。あの試合の前と後では、別のファイターだ。もし、あれがチャベスでない凡庸な王者だったなら、容易に世界王者になっていただろう。そうなれば、彼の才能なら遥かに素晴らしいキャリアを全うしたはずだが…。

■フェルナンド・バルガス(26勝22KO5敗)・・・ヨリ・ボーイ・カンパスを破って世界王者になったのは、21歳のとき。ラウル・マルケス、ウィンキー・ライト、アイク・クォーティに勝った星は評価できるが、そのあとが続かなかった。フェリックス・トリニダードとオスカー・デラホーヤに喫した惨敗でバルガスのキャリアは実質終わった。


*****ローゼンタールの見立てだと、殿堂入りはラファエル・マルケス、ミハエル・ゾウスキーは当確、三人目があるならヘナロかモーラーか、というところですね。

西岡利晃も引退から5年。殿堂入りの資格発生ですが、残念ながら候補には上がらず。誰に勝ったかでは、マルケスに勝ったとはいえ、WBCから引退勧告が出されているような状態でしたからね…。あとは、ジョニー・ゴンザレスですが、厳しいようですが論外です。