現在、ボクシングはMajor(主要)と呼ばれるSanstioning Body(承認団体)だけでも4つ、これにLineal Champion(正統な王位を引き継いだ王者)を重視するリング誌タイトルを加えて、4団体1メディアが認める世界王者が乱立しています。

リング誌の立ち位置は、かつてバロンドール(欧州最優秀選手)を独自基準で決定していたフランス・フットボール誌と同じです。
dt_ring_fury_16-770x519
しかし、ボクシングの承認団体は、FIFAと同列の存在ではありません。FIFAは各大陸・地域のサッカー連盟を傘下に従え、ワールドカップを筆頭に世界大会を統括・運営しています。

ロシアW杯の放映権料が600億円超という巨額であったことが、先日も批判的なニュースになりましたが、代理店(電通)が手数料を差し引くとはいえ、そのほとんどがFIFAの懐に入るのです。

統括団体ですから、興行にまつわるあらゆる利権はFIFAのものです。

一方で、ボクシングにおいては極めて稀有な例外を除いて、WBAやWBCなどの承認団体が試合を統括することはありません。彼らは、あくまで王者を承認するだけ、その収入はほぼ100%が承認料という漢字検定みたいなものです。
Sites_QuizBallonDor-1170x658-1170x658
欧州最高選手には、黄金のボール、"Ballon d'Or" (バロンドール)が贈られますが、もちろん無料です。

しかし、漢字検定や英語検定は検定料の支払いだけで済みますが、ボクシングの承認団体はベルトも売り付けます。変な宗教の多宝塔ビジネスと何ら変わりはありません。

2006年、亀田興毅がファン・ランダエタとのジュニアフライ級王者決定戦に挑む前に、WBAのヒルベルト・メンドサ会長が父史郎に特別ベルトを贈呈するという前代未聞の愚行を犯します。

あのときのベルトは無料っぽいですが、将来の大口顧客への先行優待サービスであることは明らかでした。WBAに限らず、あらゆる承認団体は「金持ち(人気者)王者を囲い込む」ことを最優先に活動しています。

昨年8月のWBO世界ジュニアミドル級王座決定戦、ミゲール・コットvs亀海喜寛も酷いマッチアップでした。2年近くもリングから遠ざかっているコットをいきなり1位に、ジュニアミドルはおろか主戦場のウェルター級でも世界基準では何の実績もない亀海を5位に無理やりランクさせての決定戦でした。

そもそも、このスポーツにはその創成期からして国際的な統括団体など存在しませんでした。

1団体8階級時代ですら、その団体は統括団体ではなく、承認団体に過ぎなかったのですから…。