井の中の蛙。
その言葉は、どの世界でも最大級の屈辱です。ましてやスポーツの世界では。
21世紀に入ってから日本ボクシング界は世界王者をかつてないペースで量産し〝黄金時代〟を迎えています。
長谷川穂積から内山高志、山中慎介…日本のエースと目された〝絶対王者〟たちは「世界的な強豪・ビッグネームと戦いたい」と「本物の栄光」を渇望しました。
しかし、意外な相手に足下をすくわれ、その夢は潰えてしまいます。
そして、PFP10傑の前後にランクされていた彼らが番狂わせに沈むと、世界評価も手の平を返します。
「ジャパニーズパッキャオ」は「階級最弱王者にグラスジョーだけでなく過大評価も打ち砕かれた」。
「130ポンドで最も重いパンチ」は「ノロノロと大砲に弾を込めている間に台座ごと破壊された」。
「全階級を通じて最強の左」は「防衛戦の相手に旬の強豪はたったの1人もいなかった」。

上っ面だけの黄金時代。エースは世界に出る前に井戸の底で腐ってしまった蛙。
もしかしたら小さな階級と井戸を飛び越える才能があったのかもしれませんが、その機会が与えられないまま、彼らの刀は錆び付いてしまいました。
「過去最多の世界王者」。
そんな表現で語られる今の〝黄金時代〟は同一団体でも複数の王者を量産する蒙昧な四団体を受け入れた時点で誰にでも予想出来た掛け算、当然の帰結です。
その言葉は、どの世界でも最大級の屈辱です。ましてやスポーツの世界では。
21世紀に入ってから日本ボクシング界は世界王者をかつてないペースで量産し〝黄金時代〟を迎えています。
長谷川穂積から内山高志、山中慎介…日本のエースと目された〝絶対王者〟たちは「世界的な強豪・ビッグネームと戦いたい」と「本物の栄光」を渇望しました。
しかし、意外な相手に足下をすくわれ、その夢は潰えてしまいます。
そして、PFP10傑の前後にランクされていた彼らが番狂わせに沈むと、世界評価も手の平を返します。
「ジャパニーズパッキャオ」は「階級最弱王者にグラスジョーだけでなく過大評価も打ち砕かれた」。
「130ポンドで最も重いパンチ」は「ノロノロと大砲に弾を込めている間に台座ごと破壊された」。
「全階級を通じて最強の左」は「防衛戦の相手に旬の強豪はたったの1人もいなかった」。

階級制スポーツはその時点で「本物の栄光」が見えにくい宿命を背負っています。シュガー・レイ・ロビンソンは「本物の栄光とは何か?」という命題に満点回答を示したグレートでした。
上っ面だけの黄金時代。エースは世界に出る前に井戸の底で腐ってしまった蛙。
もしかしたら小さな階級と井戸を飛び越える才能があったのかもしれませんが、その機会が与えられないまま、彼らの刀は錆び付いてしまいました。
「過去最多の世界王者」。
そんな表現で語られる今の〝黄金時代〟は同一団体でも複数の王者を量産する蒙昧な四団体を受け入れた時点で誰にでも予想出来た掛け算、当然の帰結です。
今は虚飾の黄金時代です。
「本物の栄光」って何でしょうか?
4つの承認団体が量産するアルファベットのチャンピオンベルトが世界一の称号でないことは、誰の目にも明らかです。
怪しい同族経営の承認団体が承認料だけでなく、50万円前後で売りつけてくるチャンピオンベルトにどれほどの価値があるのでしょうか?
尚且つ、五輪の金メダルにサッカーワールドカップの優勝トロフィー…栄光の象徴は王者に無償で贈られるもので、IOCやFIFAから購入するものではありません。
「本物の栄光」って何でしょうか?
4つの承認団体が量産するアルファベットのチャンピオンベルトが世界一の称号でないことは、誰の目にも明らかです。
怪しい同族経営の承認団体が承認料だけでなく、50万円前後で売りつけてくるチャンピオンベルトにどれほどの価値があるのでしょうか?
尚且つ、五輪の金メダルにサッカーワールドカップの優勝トロフィー…栄光の象徴は王者に無償で贈られるもので、IOCやFIFAから購入するものではありません。
それなのに、奴らは厚かましくもそれを売りつけてくるのです。
では、承認料やベルト代を支払わなくても認定され、贈られるリング誌王者とベルトには価値があるのでしょうか?
弥勒菩薩とは「次のブッダが約束された修行者」のことだそうです。
解脱した人間〝ブッダ〟などが存在するわけがないように、完璧なボクサーなんてのも幻想です。
それでもゴータマ・シッダルタという修行者は実在しました。
旬の強豪・ビッグネームに一度も勝っていない彼もまた、道半ばの修行者に過ぎません。そして彼もまた、意外な相手にその足下をすくわれてしまうかもしれません。
「道半ば」という表現は正しくないですね。そんな道など、このスポーツにはそもそも存在しないのですから。
かつてこのスポーツにも目にみえる栄光への一本道がありました。今や野球やサッカーは、その頂点へのロードマップが詳らかにされています。
しかし、彼には地図も道標もありません。それなのに、いやそれだから外野は勝手なことをさもわかった風に語ります。
バンタムに目ぼしい相手はいないから、ジュニアフェザーを統一しろ。
バンタムは穴階級だから、米国でも認められるフェザーへ上げろ。
ラスベガスかマジソンスクエアガーデンで戦え。
「本当の栄光」が何なのか、どうすればそれを手に入れることができるのか、それがわかっていないのは、思いつきで勝手なことを口走るメディアもファンも同じです。
道なき道を往く若き修行僧。
では、承認料やベルト代を支払わなくても認定され、贈られるリング誌王者とベルトには価値があるのでしょうか?
我田引水のアルファベット団体では実力の怪しいボクサーの間で穴王者決定戦が行われたり、どう考えても世界基準にない雑魚挑戦者を相手に防衛戦を重ねるなんてことが、日常的に行われています。
それに対してリング誌は独自のランキング(といってもアルファベット団体とは比較にならない納得できるものです)の1位と2位が争って王者を決定します(特別に認められた場合は1位と3位でも)。
しかし、プロモーターやテレビ局など複雑な利権が絡む強豪同士の激突を実現させるには、いくつもの大きな障害物と高いハードルを跳躍しなければなりません。
ゆえに現在のリング誌タイトルは、17階級中10階級が空位のままです。それでも7人も王者がいるのはむしろ多い方なのです。
裏を返すと階級最強決定戦は、滅多に行われないということです。
しかも、そのリング誌王者7人ですらUndisuputed Champion、他に王者を名乗ることを許さない完全統一王者、議論する余地のない王者は1人もいないのが現実です。 ※クルーザー級の完全統一王者オレクサンダー・ウシクはヘビー級転向を決定、WBA王座を返上するなどタイトルは再び液状化しています。
しかし、プロモーターやテレビ局など複雑な利権が絡む強豪同士の激突を実現させるには、いくつもの大きな障害物と高いハードルを跳躍しなければなりません。
ゆえに現在のリング誌タイトルは、17階級中10階級が空位のままです。それでも7人も王者がいるのはむしろ多い方なのです。
裏を返すと階級最強決定戦は、滅多に行われないということです。
しかも、そのリング誌王者7人ですらUndisuputed Champion、他に王者を名乗ることを許さない完全統一王者、議論する余地のない王者は1人もいないのが現実です。 ※クルーザー級の完全統一王者オレクサンダー・ウシクはヘビー級転向を決定、WBA王座を返上するなどタイトルは再び液状化しています。
解脱した人間〝ブッダ〟などが存在するわけがないように、完璧なボクサーなんてのも幻想です。
それでもゴータマ・シッダルタという修行者は実在しました。
旬の強豪・ビッグネームに一度も勝っていない彼もまた、道半ばの修行者に過ぎません。そして彼もまた、意外な相手にその足下をすくわれてしまうかもしれません。
「道半ば」という表現は正しくないですね。そんな道など、このスポーツにはそもそも存在しないのですから。
かつてこのスポーツにも目にみえる栄光への一本道がありました。今や野球やサッカーは、その頂点へのロードマップが詳らかにされています。
しかし、彼には地図も道標もありません。それなのに、いやそれだから外野は勝手なことをさもわかった風に語ります。
バンタムに目ぼしい相手はいないから、ジュニアフェザーを統一しろ。
バンタムは穴階級だから、米国でも認められるフェザーへ上げろ。
ラスベガスかマジソンスクエアガーデンで戦え。
「本当の栄光」が何なのか、どうすればそれを手に入れることができるのか、それがわかっていないのは、思いつきで勝手なことを口走るメディアもファンも同じです。
道なき道を往く若き修行僧。
格好いいじゃないですか。
「MLBでホームラン王になる」「男子サッカーでバロンドールを獲る」。それが偉業であることは馬や鹿でもわかります。
「本物の栄光」とは何なのか。どうしたら偉業なのか。それがわからない真っ暗闇のボクシングで、彼が一本の松明を持ったことは間違いありません。
これから彼が何を照らしてくれるのか、私たちをどこに連れて行ってくれるのか。彼のことですから、もしかしたら、もう一本、別の松明を隠してるかもしれませんね。
ボクシングファンの皆様と、純粋に楽しみたいと思います。
「MLBでホームラン王になる」「男子サッカーでバロンドールを獲る」。それが偉業であることは馬や鹿でもわかります。
「本物の栄光」とは何なのか。どうしたら偉業なのか。それがわからない真っ暗闇のボクシングで、彼が一本の松明を持ったことは間違いありません。
これから彼が何を照らしてくれるのか、私たちをどこに連れて行ってくれるのか。彼のことですから、もしかしたら、もう一本、別の松明を隠してるかもしれませんね。
ボクシングファンの皆様と、純粋に楽しみたいと思います。

