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「あしたのために その1 ジャブ」。リーチの長い選手にとっては最高の武器となるパンチですが、マクドネルのジャブは世界基準にありません。遅くてモーション付きで、本当に稚拙です。だからリボリオ・ソリスにも易々と中に入られてしまうのですが…。

ジェイミー・マクドネルが病人状態ながらも計量クリア。

唯一の懸念材料が解消されて、明日の興味は勝敗ではなく、井上がどんな形でバンタム最弱王者を屠るのか、です。

先日の調印式に20分の遅刻、そして今日の計量には1時間も遅れて会場入りするなど、日本のメディアやファン心理を逆なでするマクドネル陣営ですが、この一連の行動が彼らが考えた陽動作戦でないことは明らかです。

エディ・ハーンです。1979年生まれの38歳が、現在の世界のボクシングシーンで最も影響力のあるプロモーターであることに異論を唱える人はいないでしょう。

ハーンの前では、ゴールデンボーイプロモーションズのオスカー・デラホーヤはボクサー上がりの世間知らず、トップランクのボブ・アラムは成功体験と既得権益にしがみつく老人、アル・ヘイモンは見かけ倒しのど素人、でしかありません。

現在の英国ボクシング大盛況も、このマッチルーム・スポーツの二代目社長が演出しました。
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マッチルーム
スポーツのHPでも、当然ながらマクドネルvs井上を大きく取り上げています。
He has recently shown he also likes Dollars and something tells me a few extra Yen in his pocket would also suit him just fine.
彼が(ダニエル・ジェイコブスと大型契約を結び、エイドリアン・ブローナーにまで食指を伸ばすなど)ドル=米国でのビジネスに興味を持っていることはわかっていたが、円=日本に対してもそれは同じだ。(ボクシングニューズ24)

連日の遅刻に憮然とする井上尚弥と日本メディアに、ハーンは悪びれることなく語り出します。

「ジェイミーは、明日の試合後まで一切の取材を受け付けない。『遅刻したことを井上に謝るべき』だって?(少々の遅刻なんて)西洋では当たり前のこと。だいたい、日本人が時間にうるさすぎるんだよ」。

先日、ダゾーンと大型契約を結んだばかりのハーンは、この極東の島国を「米国と同じくらい魅力的な市場」「軽量級については世界最高の市場」と評価しています。

ボクシングニューズの記者にも「マッチルーム・ジャパンのような構想があるのか」と問われたハーンは、‘Possibly’ (ある)と答えたそうです。

現時点で英国ほどの盛況にはないものの、経済的な潜在力は十分にあり、すでに軽量級では他国を圧倒する数の世界チャンピオンを抱えている日本を大きな市場に発展させる自信があるのでしょう。

もし彼の才覚がこの10年の日本市場をリードしていたら、長谷川穂積と西岡利晃はメガファイトを何度か重ね、井岡一翔と井上尚弥も間違いなく激突していたでしょう。亀田兄弟という資源もゲテモノ扱いせずに、有効活用していたことは間違いありません。

気鋭の英国人には、デラホーヤやアラムがやったような、帝拳やWOWOWとの予定調和で緩い提携関係に甘んじる気はサラサラないはずです。

「西洋では、そんな面倒くさいことはやらない。ボクシングの興行において『魅力的なマッチメイクと、面白い試合を提供する』こと以外に何か重要なことがあるのか?」。

アンソニー・ジョシュアやアミール・カーン、ジェイコブスら中重量級のビッグネームだけでなく、ライアン・バーネットやカリド・ヤファイといった井上と未来のビッグファイトが期待される軽量級のスターも抱えているハーンとはいえ、日本市場に入り込むのは至難の技です。

個人的には日本の「選手を大切に育てるジム制度」と「無名の世界王者乱造」は、コインの表裏だと思います。

もちろん、ジム制度の利点は数多くありますが、常時十人前後の世界王者を抱えながらも村田諒太以外はマイナースポーツ選手と切り捨てても差し支えない惨状が続く今、欧米の興行スタイルから学ぶべきことも少なくないはずです。