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フライ級リミットの112ポンドを約2ポンド、900gオーバーで体重計の上で王座剥奪された比嘉大吾。

今朝8時の軽量で、JBCは「規定の10ポンドオーバー以内をクリア」したと、試合は予定通りに行われることになりました。

「10ポンドオーバー」は約4.5kg、 なんと超過した900gの5倍です。おかしな話があるものですね。体重超過したボクサーにも、当日軽量のオーバールールをそのまま当てはめるのは、どう考えてもおかしい。

実際の比嘉は300g落として、600gオーバーの51.4kgで、当日軽量を“クリア”。122ポンド(ジュニアフェザー級)の約55.3kgオーバーまで許されているので、増量しても良かったことになります。

比嘉を擁護する気はさらさらありませんが、この300gは彼の良心なのでしょう。

何度も繰り返しますが、ルールがあるからスポーツです。ルールを破った時点で、その選手は退場です。

ボクシングの場合は、他のスポーツ以上に厳格なルール実施が求められます。ルールを破れば、それはスポーツでなくなるばかりか、殺し合いになりかねないからです。

ボクシングにおけるドーピングや、グローブに仕込みを入れる行為は、木製バットにコルクを潜ませて飛距離を伸ばしたり、ゴルフの打数を過少申告するのとは訳が違います。後者は卑劣な行為ですが、前者は殺人未遂です。

ルールを守って減量したボクサーの健康が最優先されるのは言うまでもありません。そして、加害者といえども、彼の健康も無視すべきではありません。

スポーツにおけるルールは、絶対的に優先されなければなりません。しかし、人間が社会生活を送る中で最も優先されるべきは人の命です。先日の相撲興行での「女人禁制事件」等、これを踏み外すことなど許されません。スポーツのルール以前の、人間が社会生活を送る中で最も基本的な問題です。

今回の比嘉大吾。一週間前の予備検診から、昨日の正式計量まで、脱水症状と栄養失調による健康被害が誰の目にも明らかでした。

まともに話せない、ずっと横になっているしかないほど体力を消耗した状態から、今朝、たった300グラムしか体重は増えていません。状態は変わっていないでしょう。

今からでも遅くはありません。試合は中止にすべきです。試合中止なら、最大の被害者クリストファー・ロサレスへの真摯な謝罪と、報酬の確保や比嘉が保持しているであろう世界戦のオプション譲渡まで含めた誠実なフォローで許してもらえれば、スポーツに起きた悲劇で済みます。誠意やお金で解決できる問題です。

取り返しのつかない事故が起きる可能性が高い道を選んではいけません。

22歳の肉体は試合ゴングまでに驚異的に回復し、連続KO記録を更新するかもしれませんが、問題はそんな、もはやどうでもいい、瑣末なことをとっくに超えてしまっています。

これは、ボクシングやスポーツの問題ではありません。人の命の問題です。