Principality Stadium, Cardiff (Sky Sports Box Office & Showtime)

WBAバンタム級王者:ライアン・バーネットvsヨンフレス・パレホ(ベネズエラ)

バーネットはIBF王座を返上、プエルトリコの俊才エマニュエル・ロドリゲスとの指名試合を回避して臨んだ一戦。

オッズはバーネット勝利が1.05倍、パレホ8倍。

パレホも強豪ですが、階級最強と目されるバーネットは問題にしませんでした。

7ラウンドにバッティングで左目上を切ってからも、パレホも無策でしたが寄せ付けません。

120-108、二人のジャッジがフルマーク、もう一人は116-112。完勝です。

これでバーネットは19戦全勝9KO。パレホは21勝(10KO)9敗1分。

"I think I broke my hand in the beginning of the third round,"  3ラウンドの前半で拳を骨折したようだ。

本当なら心配ですね。井上尚弥がその舞台に上がるまでは、無敗で無傷のバーネットでいて下さい!

バーネットはWBO王者ゾラニ・テテとのビッグファイトも噂されていますが、同じ英国のエディ・ハーンとフランク・ウォーレンがプロモートする二人のマッチアップは一気に具体化しそうです。

バンタム級に舵を切った井上尚弥も階級統一への意欲は強く、ショウタイムからはバンタム級トーナメント構想も持ち上がっています。

かつて、やはりショウタイムが2010年から展開したバンタム級トーナメント(バンタム4)は成功したとは言えませんでした。

アブナル・マレスを除くと、ジョゼフ・アグベコ(ガーナ)、ビック・ダルチニアン(アルメニア・オーストラリア)、ヨニー・ペレス(コロンビア)という「人気のない実力者」の戦いは軽量級への興味が薄い欧米では受け入れられなかったのです。

最強トーナメントにもかかわらずマレス以外の報酬は5万ドルも下回ることが多く、長谷川穂積やノニト・ドネアがその劣悪なファイトマネーを理由に参戦を見送ったことからも、このトーナメントはますます地味になってしまいました。

しかし、今はボクシング大国イギリスがバーネット、リー・ハスキンス、ポール・バトラー、ジェイミー・マクドネルといったバンタム級のタレントを抱え、一階級下ではカリド・ヤファイもスタンバイしています。

今回のバンタム級最強トーナメントは、実現したら報酬が劇的に改善されることが期待されています。井上が前向きに参戦するためには、日本のスポンサーからの持ち出し無しで50万ドルは欲しいところです。是非、盛り上がって欲しいですね。



WBA/IBF世界ヘビー級王者:アンソニー・ジョシュアvsWBO世界ヘビー級王者:ジョセフ・パーカー(ニュージーランド)

オッズはジョシュア勝利が1.67倍、パーカー5.5倍。王者同士の一戦ですが、オッズと予想は一方的。

WBC王者デオンティ・ワイルダーとジョシュアの最終決戦を先走りするメディアやファンも多く、その雑念も試合に影響するのではないかという懸念もありましたが、全くの杞憂でした。
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計量前にはパーカーの応援でハカが披露されました。手を叩き足を踏み鳴らして相手を威嚇する舞踊は、ニュージーランドのラグビーでお馴染みですが、戦士のダンスはやはりボクシングにも合いますね〜。

試合はジョシュアのスピードと重圧に、パーカーは防戦一方の展開。

ジョシュアの身体能力は凄いですね。それにしても、このジョシュアを追い込んだウラジミール・クリチコは全盛期をとっくに過ぎていたというのに、やはり偉大なヘビー級だったとあらためて思いました。

ジョシュアのパーフェクトレコードは途切れましたが、21勝(20 KO)無敗。初黒星を喫したパーカーは24勝(18KO)1敗。

ジョシュアは、まとまったボクシングをします、強い。118−110が二人、もう一人が119−109。準完封試合でした。
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“Wilder, let’s go baby, let’s go!”

ジョシュアはリング上でWBA、IBF、WBOのベルトを指差して、インタビュアーからマイクを奪うと「ワイルダー。さあ決着をつけようぜ」と絶叫。

そして「米国で戦うことには興味はない」と言い切りました。


"All these years, we've gone to the States, people have spent a lot of money following British boxers over there, [But] we can do it in London, Cardiff. We are staying right here."
ここ何年も英国のボクサーは米国を目指して来た。米国まで追いかけたファンは無駄な金を浪費してしまっていた。しかし、もうそんな時代じゃない。同じことを我々はロンドンでもカーディフでも出来るんだ。私たちは、ここ英国で戦い続ける。

その通りですね。ワイルダーを含めて米国のボクサーで、7万8000人を前売り券でソールドアウトできるボクサーなど一人もいません。2万人でも無理でしょう。

近年でもナジーム・ハメド、リッキー・ハットン、アミール・カーン、ケル・ブルックらは米国での成功を最終目標に戦ってきました。そこで得られる名誉と報酬が、英国よりも高かったからです。

今回のジョシュアはPPVの売り上げで増減はあるものの、最低1600万ポンド(約24億円)、パーカーはキャリアハイの800万ポンド(約12億円)を手に入れました。 

ワイルダーが先月のルイス・オルティス戦で獲得したのは210万ドル、ジョシュアの10分の1にも満たない金額です。

なるほど、米国で戦う意味は微塵も有りません。観客は少ない、報酬は桁違いに安い、そんな外国で戦う価値はありえません。

もはや、英国が米国に追いついたのではなく、追い抜いて大差をつけている、というのが現状です。 

待望のワイルダー戦が実現しても、オッズや予想はジョシュアに傾きそうですが、強打の米国人もスピードがあるだけでなく、意外とボクシングができますから面白い展開になりそうです。

オルティス戦を上回る報酬を提示されながらディリアン・ホワイトとロンドンで戦うことを嫌がったワイルダーが、英国行きを飲むかどうかが、超メガファイト成立の最大の焦点かもしれません。

報酬面でもワイルダーが50:50を要求するようだと、間違いなくこじれますね。5億円を稼いだこともないワイルダーが「ジョシュアと同じ20億円規模」を要求するのは身の程知らずです。飲むしかありません。