カリフォルニア州体育協会から、スーパーフライに出場する選手の報酬が発表されました。

ローマン・ゴンザレスがキャリアハイの60万ドル(約6600万円)、対するシーサケット・ソールンビサイが17万ドル(1870万円)。ファン・エストラーダとカルロス・クアドラスは6万5000ドル(715万円)、6万2500ドル(687万円)を分け合います。

そして、井上尚弥は18万2500ドル(2000万円)を受け取り、ニエベスは3万5000ドル(385万円)。

実際には、井上は日本からのスポンサー収入、TV放映権なども上乗せされて2倍以上の約40万ドルを手にすることになります。

軽量級は日本の方がはるかに集金力が高いことが、図らずも明るみに出ましたね。

とはいえ、特異なサンプルですがマニー・パッキャオのように、米国が本場の中量級の舞台まで侵略するようなことになると、井上にもその物語が紡がれていくことになりますが…。

現在のジュニアバンタムは、上記の4人に加えて英国の人気者、カリド・ヤファイが10月28日、地元カーディフ、7万5000人収容の開閉式ドーム、ミレニアムスタジアムで石田匠の挑戦を受けます。

この日のメインイベントはアンソニー・ジョシュアが、クブラット・プレフを迎え撃つ世界ヘビー級戦ですが、ヤファイも堂々のセミファイナル、明日のスタハブセンターの何倍もの大観衆の前で、日本の俊英と戦います。

ヤファイが勝てば、来年はスーパーフライ完全統一に乗り出すとも言われていますが、井上を呼ぶ勇気はないでしょう。まぁ、その前に石田には、完全アウエーの舞台で大番狂わせを起こして欲しいですね。

前置きが長くなりましたが、スーパーフライ級最強は誰か?です。


【クアドラスのボクシングに封じ込められたように見えたロマゴンでしたが、結果は2〜6ポイントの差をつけて判定勝ち。

ロマゴンがこの階級では傑出した存在でないことは、クアドラス、シーサケットの2試合で誰の目にも明らかになりました。

フライ級までの3階級なら、歴代PFPにもその名前が挙がるでしょうが、「バンタムまでの5階級を制覇」という夢は、よほど相手に恵まれないと難しいでしょう。

スーパーフライで階級にぶつかったロマゴンは、かつてスーパーフライで無双だったビック・ダルチニアンが1階級上のバンタムで、その神通力を完全に喪失してしまった姿にオーバーラップします。

ジュニアフライで歴代最強を語るとき、必ず名前が挙がるのがカオサイ・ギャラクシーです。

ジュニアバンタム級で殿堂入りしたグレートは、ジョニータピアとカオサイの二人だけですが、一発殿堂(引退から5年の資格発生で即殿堂入り)はこのタイ史上最大のスポーツヒーローただ一人です。

カオサイがタイを出ることがほとんどなかったのは、その絶大な人気からです。試合報酬は少なくとも10万ドル、当時の軽量級としては破格の数字でした。

数少ない海外遠征では、オランダ領キュラソー島で後の世界バンタム級王者、当時無敗のイスラエル・コントレラスを5回KOで圧倒するなど、強豪相手にも印象的な勝利を収めています。


【カオサイは世界王者になってからも、ジム2階の粗末な合宿所で寝起きしていました。「豪邸を建てる」「高額な外車を乗り回す」という単純なサクセスストーリーを追いかけないのは、栄光への純粋な渇望しか持ち合わせていないからなのか。それとも、マネージャーの搾取、ピンハネが尋常ではないタイで生まれた悲劇なのか。それでも、タイの歴代最高スポーツ選手と認められるカオサイは今はTVや映画で活躍する国民的なタレントです。】

カオサイに対抗するのは、ビック・ダルチニアンでしょうか。レイジング・ブルの異名の通り、対戦相手をことごとくなぎ倒してフライ級を席巻、その勢いはジュニアバンタムでも衰えずWBA、WBC、IBFの3団体統一王者としてキャリアハイを迎えます。

クリスチャン・ミハレス、ホルヘ・アルセら対立王者とも積極的に戦い、圧倒的な勝利を収め、不人気から閉鎖的だったこの階級には珍しくダイナミックな実績を積み重ねました。

たった1階級上のバンタムでは全くその強さが発揮されなかったことは、階級の壁の分厚さを改めて教えてくれました。

ジュニアバンタムの歴代PFPを並べるとなると、やはり筆頭はカオサイでしょう。2位にはダルチニアンを推します。3位はこの階級にとどまっていた時間が短すぎる、暫定王者でしかなかった、という反対意見もあるでしょうが、ノニト・ドネアを当て込みます。

4位は殿堂入りした、今は亡きジョニー・タピア。5位にはナチョ・ベリスタインの世界デビュー作、ヒルベルト・ローマン。6位は勝負所でことごとく星を落としたものの WBA、WBCを統一したミハレス。7位はこの階級では地味に強かったフェルナンド・モンティエルを挙げます。

8位からは10度以上防衛した長期安定王者が続きます。8位は渡辺二郎、9位オマール・ナルバエス。10位は期待も込めて、井上尚弥を滑り込ませました。

この10人が総当たりで戦えば、井上が全勝優勝する、という意見もあるでしょうが、あくまで実績を重視、過去と現在の時間の差で生じる技術差は補正して考えました。

思い出すままに書き連ねたので、誰か貴重なプレイヤーを忘れているかもしれませんが、あしからず。