自宅を離れて、国内や海外への出張などから帰って来るとき、どこで「ああ、帰ってきた」とホッとするか?

もちろん、究極は自宅の玄関なのですが、羽田や成田、あるいは東京駅や新横浜駅に降りたときはまだ「帰ってきた」という実感が弱い気がします。

私の場合は、空港や新幹線の駅から車で帰る場合は高速を降りる短い時間に「帰ってきた」を実感します。

ぐる〜ぐる〜っと旋回しながら我が街に降りてゆく、その回転降下の緩やかな刺激が視界や身体に「帰る」「戻る」という意識を促してくれるのかもしれません。

大阪勤務になってから最初の連休、逃げ出すように横浜に向かい、その車中で武尊の引退試合を見ていました。

「【Lose Yourself】They Are Always Underdogs,Sacrificial Lambs 〜 咬ませ犬、生贄の羊、彼ら敗れるべき者たちよ」って話を途中まで書いているように、ロッタンに思い入れようとする自分がいましたが、武尊も応援してしまいますね、あの展開だと。


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ーーーよくよく考えると、高校を卒業してから大阪に腰を落ち着けることは一度もありませんでした。

せいぜい1週間かそこらの大阪出張や帰省は、海外への短期赴任(1年未満)などとも比べるべくもなく、そこに根を下ろした感は全くありませんでした。

人生で根を下ろして過ごした時間という意味で、私は圧倒的・完全的に東京・横浜圏の人間です。

もちろん、15〜18歳の高校時代を過ごした大阪エリアが私という人間を形成した〝胎内〟であったことは否定しようもありません。

あの場所で出会った人、出会った本、出会った映画、環状線や宝塚線の雑踏…そんなもの一切合切を吸収したり吐瀉したりして、一応、出来上がってから私はあの場所をあとにしました。

前置きが、長くなりました。

何が言いたいかというと、私にとってあそこは大切なものがいっぱいつまった場所ですが、18歳のときに離れて長い長い時間が経ったということです。忘れてることもたくさんあるし、記憶がおぼろげだったり、勘違いしたまま思い出になっていたり、そんな忘却や変質が当たり前に巻き起こってるのです。

一方で、あそこに根を下ろした奴らや、あそこをベースに高校卒業後の人生を送り続けている奴ら、まあ俺に言わせたら〝翼のない奴ら〟やね。ずっとそこにしがみついて〝翼の代わりにカビが生えた奴ら〟は何年か一度とか、あるいは年に何回という高頻度で集まって、後ろ向きな昔話をネチネチこねくり回しているわけです。

ちょっとオフィシャルな同窓会的なものは、招待状や電話などかかってきますが、私はほとんど全て参加していませんでした。東京や横浜からわざわざそれだけのために行ってられるか!というのもありますが、基本的に集団行動はスポーツ以外では生理的に受け付けない私にとって、翼のないカビどもの集会など近寄りたくもないのです。

まあ、友達が少なく、つまり思い出も絶望的に少ない私には、奴らがジメジメと懐古する「みんなで楽しく大騒ぎした高校時代」などそもそもないのですから、そんな場所を敬遠するのは当然です。

まあ、それでも結婚式に呼ばれたら断りませんし、東京や横浜に来た彼らと個別に会ってお酒を飲んだりはありますが「正月にみんな出会わへんか?」的なお誘いはまずお断りしてきました。

そんな私が大阪勤務、梅田にも新大阪にもアクセス抜群な社宅に住むーーーなんてことになってしまうと、東京に戻るまで俺がいることは秘密にしなければならない、少なくとも誰にも言わずにばれるまで静かに暮らそう、くらいに思っていましたが、引越し前にバレてしまいました。

このブログでも紹介したことがありますが、文武両道をほぼ最高レベルで極めた一個上の先輩がいて、彼女はうちの会社と仕事をしたこともありました。そこで知り合ったうちの社員から、私の最高機密情報が漏洩してしまったのです。

そんなことを知らなかった私は、高校時代の野球部の先輩カワさんからの「いつこっちに来る?ちょっと会おうや」という電話に「すみません、しばらくそっち行く予定ないんです」とシレッと嘘をついてしまったのです。

「え?こっちに赴任するんやろ?お前が住む社宅な、あっこやったら俺の勤務先の高校もめっちゃ近いで」と、なぜか社宅の場所まで知っているのです。

なぜ知ってる?なぜ知ってる?と心の中でぐるぐる旋回、絶叫していると「石川さん(文と武だけが卓越してて人間的には大きな欠陥を抱えている女)から聞いてん」と、全ての謎が一気に紐解けてしまう答えを教えてくれたのでした。

あいつか…。

常識と倫理道徳、つまりは人の道をわきまえている人間なら「高校時代の後輩の転勤を知る」➡︎「後輩に直接確認して、ちょっと会ってお酒でもと誘う」という思考回路を辿るはずです。

ところが、彼女は「高校時代の後輩の転勤を仕事先で知る」➡︎「転勤先の社宅の住所まで聞き出して、拡散する」という、当人である私をスキップする錯乱のプロレスを踏んだのでした。

「日経や業界紙とかにも人事異動は載るやないか」と言い訳する我が社の社員も社宅の住所まで教えるなんて、個人情報の管理意識が低いにもほどがあります。

人間的に大きな欠陥を抱えている女に抗議の電話でもしようものなら「え?君が教えてくれたんやん。真っ先に私にお伝えしたいことがありますとかゆうてたやん。もう忘れたん?」と、もはや幻聴とも幻覚とも言えない戯言をほざいて嬉々とさせてしまうので電話なんて絶対にしません。

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大阪の街、翼の代わりにカビが生えた奴らさえいなければ大好きなのですが、もう戻りたくありません。