A League of Their Own

明日から神奈川県の高校野球春季大会が開幕します。当たり前ですが「男子高校野球」です。

女子にも高校野球はあり、全国女子高校選手権の決勝が甲子園で行われたこともあります。〝プロ〟の創設も何度もトライされてきました。

しかし、それはあまりに拙速でその場しのぎで、彼女たちの熱い思いからすると泡沫の慰めでしかありませんでした。

現在、NPBが管轄する〝プロ〟もありますが、そこにはNPB男子のようなリーグ戦は存在しません。形式的な試合はあっても、子どもたちに野球を教える球団スタッフとしての給料をもらう〝プロ〟がほとんどです。

当然ですが、彼女たちの前にはNPBのトップ選手が憧れ、目指す世界最高峰MLBの舞台もありません。

もし、道が出来るのだとしたら、それは彼女たちの後、です。それは「もし、出来るとしたら」です。誰も「出来る」だなんて思っていません。

正確にいうと「彼女たちの前に道はなく」「もし道が出来るとしたら、彼女たちの後だが、まずそんなものは出来ない」です。

夢は「いつかMLBの女子バージョンの実現」。夢は夢、寝て見るもので、そんなの寝言です…。




かつて、1943年から1954年までの12年間、All-American Girls Professional Baseball League(全米女子プロ野球リーグ=AAGPBL)が繰り広げられていました。

スプラッシュヒットした映画「プリティ・リーグ(A League of Their Own:1992年コロンビア)」の題材にもなったので、きっとご存知の方も多いでしょう。

そんなA League of Their Own 、〝彼女たちの夢〟米国女子プロ野球リーグが72年ぶりに復活します。

8月1日にWomen’s Pro Baseball League(WPBL)には、日本からも多数のプレイヤーが参戦。記念すべき最初のシーズンはボストン、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコの4球団でペナントを争います。

昨年11月20日に開催されたドラフト会議では120名が指名を受け、なんとそのうち10人が日本人選手。



1位:里綾美(35歳)
西武ライオンズ・レディース/トロント・メープルリーフス

7位:佐伯絵美(24歳)
阪神タイガースWomen

11位:楢崎涼 (26歳)
瀬戸内ブルーシャインズ

20位:小櫃 莉央(24歳)
埼玉西武ライオンズ・レディース

24位:島野愛友利(21歳)
読売ジャイアンツ


7位:米谷 奈月(24歳)
埼玉西武ライオンズ・レディース




9位:山本 涼香(26歳)
瀬戸内ブルーシャインズ
6位:山本彩夏(21歳)
瀬戸内ブルーシャインズ 

15位:別府日向乃 (29歳)
GENESIS FUKUOKA(ジェネシス・フクオカ)

19位:三浦帆菜 (22歳)
札幌国際大学

※年齢はドラフト当日のもの

3選手が指名された瀬戸内ブルーシャインズは、岡山県瀬戸内市をフランチャイズとする女子硬式野球テーム。



報酬は1試合で数百ドルといわれていますが、詳細は明らかにされていません。4チームによるリーグ戦は約2ヶ月展開されます。遠征費などはリーグ持ちとしても、滞在費や渡航費、用具代などを考えると、専業のプロ野球選手とはいえません。

それでも、LAから24位指名を受けた現在22歳の島野愛友利は「ジャイアンツ・アカデミーのスタッフとして」ではなく「野球選手として給料を受け取る世界に身を置く」ことに充実感を感じています。

島野は現地での生活費や用具代などを、自らプレゼン資料を作って十数社のスポンサーを集めたといいますからあっぱれです。


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米国では〝後発〟のサッカーで女子代表のUSWNT(The USA Women's National Team)がメジャースポーツの扉を激しくノックしていますが、野球はまだ二度目の産声をあげたばかり。

WPBLからサッカーのようにミア・ハム、アビー・ワンバック、アレックス・モーガン、ミーガン・ラピノーのようなスター選手が生まれると潮目は大きく変わるはずですが…。

女子サッカーのように世界的な下地が無く、国際大会もありえないーーーそんなフィールドから〝アレックス・モーガン〟が生まれるわけはないなんて言う勿れ。

フィールドからはなんでも生まれます。

AAGPBLが14年も続くなんて、誰が予想していたでしょうか?女子野球に〝アレックス・モーガン〟が出現するのと、MLBにユニコーンが降臨する確率はどちらが上でしょうか?