El destino es Caracas

「すべての道はローマに通ず」に類似したことわざにも勘違いされるが、そうではない。

いまの退廃したローマはカラカスに似てもいなくはないが、かつて世界最高の都市だったローマと、悪徳の縦糸と毒薬の横糸で編まれたカラカスとでは全く異なる。

El destino es Caracas をもし和訳するなら「行き着く先はカラカス」。

もちろん、ことわざなんて幅広い意味を持つ。

日本のスポーツファンなら誰よりも尊敬している、そう大谷翔平よりも尊敬を集める野茂英雄が登った最後のマウンドがリーガ・ベネソラーナ・デ・ベイスボル・プロフェシオナル(ベネズエラ・ウィンターリーグ)だった。

El destino es Caracas 〜行き着く先はカラカス。






2009年9月24日、バレロが母親と姉妹をその拳で殴ったとして家庭内暴力容疑で逮捕された。

このあとアメリカの戻ったプロボクサーは、飲酒運転でも逮捕される。

この2つの事件から、米国の各州コミションはライセンス発行を保留してしまう。

2009年11月14日にはラスベガスのMGMグランド・ガーデンアリーナで行われるFIRE POWER(マニー・パッキャオ vs. ミゲール・コット)のアンダーカードとしてウンベルト・ソトとの対戦が予定されていたが、度重なる犯罪歴からそもそも渡航ビザが発給されなかった。

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バレロのキャリアは貧弱な対戦相手で占められていたが、その中ならソトは飛び抜けたビッグネーム。

それよりもなによりも、当時の世界で最も注目を集めるパッキャオのメガファイトの前座に登場することによる訴求効果は、無名のバレロをカジュアルなボクシングファンにもその名を知らしめる大チャンスだった。

バレロはソトを相手にしても「やや有利」と見られていたが、トップランクとしてはどちらに転んでも良いカードだった。

パッキャオの弟ボビーをKOしているソトに、数字モンスターのバレロ。2人は、パッキャオの対戦相手としてリザーブするスペックを持っていた。

もし、あのときMGMグランド・ガーデンアリーナの花舞台に上がっていたら?

怒涛の攻撃力はあるものの、口は開きっぱなし、顎も上がりっぱなしでパンチはテレフォンのバレロは老獪なソトにあっさり攻略されていたかもしれない。

しかし、先に強打を当ててタフなメキシカンをノックアウトしていたかもしれない。




もう、いまとなっては全てが、虚しいイフだ。




El destino es Caracas

〜行き着く先はカラカス。