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井上尚弥のプロ戦績は30戦全勝無敗KOはちょうど90%に当たる27。

ジャッジの手を煩わせた三つの判定勝ちにしても、内容は完勝。

多くのメディアで年間最高試合に推されたノニト・ドネアとの初戦、ダウンを奪われたルイス・ネリとラモン・カルデナスの3試合を除くと、明白にラウンドを取られたこともありません。

数字上はほぼ完璧なキャリアといって差し支えないでしょう。

では、30試合、29人(のべ30人)の対戦相手の質、ボクサーの価値を測る最も重要な要素、quality opponent の視点から見ると、PFPトップ3に長らく碇を降ろしているエリートファイターとしては非常に脆弱です。

井上の29人の中には、Fighte of the yearも現役のPFPファイターも見当たりません。

元PFPファイターまでハードルを下げても、ドネアだけ。

一見貧弱に見える29人の中から、未来のFighte of the yea や PFPファイターが生まれるなら間接的テコの原理で大きく評価が上がるのですが、それも極めて怪しいのが現実です。

明後日、名古屋のIGアリーナで対決するムロジョン・アフマダリエフを除くと、キャリア最強の相手は全盛期のスティーブン・フルトン(井上に破壊されたあとフェザー級でもアルファベットタイトルをピックアップ)、未来のリング誌王者/アルファベット2団体統一王者の田口良一がトップ2。

3位以下は、キャリア晩年のオマール・ナルバエス、ドネアでしょうか。

では、誰と戦えば良かったのか?

ジュニアフライ級なら、リング誌やESPNで最も評価が低かったアドリアン・エルナンデスではなく、階級最強と目され未来のPFPファイター、ドニー・ニエテスですが、あの頃のニエテスに大切なホープを差し出すわけがありません。

フライ級ではローマン・ゴンサレスですが、PFPの頂に向かって疾走していたチョコラティトは、ゾウ・シミンのように見えないふりをするのが正解です。

井上は劣化が明らかなジュニアバンタム級バージョンのチョコラティトにターゲットを定めますが、この食べ頃のスイーツを平らげたのは伏兵のシーサケット・ソールンビサイ。

PFPキングに2連勝、再戦ではミスマッチとも思える残酷な返り討ちを執行したシーサケットは、ニカラグア人が浴していた軽量級史上最高評価が反映され、PFP中位にランキングされます。

あのとき、シーサケットを倒していたなら、井上のキャリアで間違いなく、今なお最強の対戦相手でした。

「井上は強い相手ではなく、弱ったライオンを狩りたかっただけだとはっきりわかった」(米国ボクシングニューズ24)というのは、けしてうがった見方ではありません。

バンタム級では評価の高かったライアン・バーネットが、圧倒的有利と見られたドネア戦でまさかの負傷敗退。

実力No.1と見られていたエマヌエル・ロドリゲスは、やはり圧倒的有利とされたジェイソン・モロニーとどっちに転んでもおかしくないシーソーゲームの末にSDを勝ち取りますが、被弾したときの泣き顔に、インタバルでの弱気な表情から精神的な弱さを露呈。

西田凌佑戦でも、解説陣から「ロドリゲスは顔が(打たれるとあからさまに弱気な表情になる)」と失笑される始末。



さて、アフマダリエフです。

井上が2歳年下の30歳のサウスポーに明白に勝利を収めると、このウズベキスタン人が田口やフルトン以上に〝間接的テコの原理〟を発揮してくれるかもしれません。

いやいや、そんな取らぬ狸の皮算用の二段重ねみたいなことを言ってはいけませんね。

まず、キャリア最強のアフマダリエフを明白に斬って落としましょう!



決戦の日曜日まで、あと2日。