「日本人がバンタム級の〝世界王者〟を独占している」という矛盾に満ちたロジックがまかり通っているプロボクシング…そのバンタム級で完全統一の機運が盛り上がっています。

6月8日にはWBC王者の中谷潤人と、IBFの西田凌佑が対戦。この試合は有明は有明でもアリーナではなくコロシアムで行われる模様です。

さらに、WBAの堤聖也がWBOの武居由樹に対戦を呼びかけました。

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日本人が全てのストラップを独占といっても、評価は中谷が頭抜けており、それを承知のその他3人は「中谷と戦って最強を証明したい」のが本音のはず。

とはいえ、ボクシングはスポーツではなく興行の世界。そして、認定団体は根本的に対立しています。

さらに、けして美味しい商売ではないジムにとってもせっかく作った世界王者には長く防衛して黒字興行を重ねて欲しい。

野球やサッカーならレベルの高い舞台に挑戦したいと希求する、選手の本能が誰かを経済的に苦しめることはありません。

しかし、ボクシングにおいて、強い相手とやりたいという希望の実現は、ジムの稼ぎ頭を失うリスクが大きく膨らむことを意味します。

「強い相手としか戦わない」はずの井上尚弥がジュニアフライ級でどうして最高評価のドニー・ニエテスを避けたのか?井上陣営さやる気があれば、簡単にマッチメイクできたはずの当時PFPキングのローマン・ゴンサレスをスキップしたのはどういう理由からなのか?

井岡一翔がロマゴンとの指名試合を回避したのは何故か?

マニー・パッキャオが「ファイトマネーはいくらでも飲む」と、何度も日本の大手ジムにラブレターを送ったのに完全に無視されたのはどうしてなのか?

それは、なぜオスカー・デラホーヤは当時マイナーなWBOからストラップ・コレクションを始めたのか?と同じこと。

完全Aサイドが危険を避けるのは当然で、井上がエマヌエル・ナバレッテの対戦要求に「縁がなかった」と逃げるのも、ガーボンタ・デービスとの対戦に全く興味を示さないのも当然です。

これが完全Bサイドのパッキャオなら二つ返事で対戦に応じていたでしょうが、それは彼にとってはローリスク・超超ハイリターンの試合だから。

井上にとってナバレッテやタンクは超ハイリスク・ハイリターン、逃げるのは当然なのです。

ボクサーにとっての最高栄誉Fighter of the yearに選ばれた理由は、強い相手に勝ったからではなく、対立候補が年間1試合しかこなさなかったのに2試合をこなしたから。

本気で強い相手を選ぶという意味で、西田が「タイトルを剥奪されてでも」という意気込みでビッグバンへの挑戦を渇望したことには拍手喝采しかありません。

もちろん、西田がパッキャオになれるのかどうかとは全く別の話ですが…。