現地時間の5月4日、井上尚弥がT−モバイル・アリーナの特設リングに上がります。

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西岡利晃と同列の〝あこがれ興行〟だけに、こういう⬆︎健康的な盛り上がりは一切期待できません。


2016年5月7日にLineal/WBCミドル級王者カネロ・アルバレスがアミール・カーンとのタイトルマッチを行ってから9年、本物のメガファイト、PPVイベントだったカネロの試合とは比較はできない、ESPNの実質無料放送とはいえ、井上が日本人ボクサーとして初めてこの舞台でメインを張ります。

格闘技選手としては、朝倉海が昨年12月8日にUFCフライ級タイトルマッチをメインで戦っており、井上は日本人2人目。

日本での知名度は井上が上回るものの(ボクシングファンの贔屓目?上回らない?)、米国ではESPNの扱いを見れば一目瞭然、スポーツとしてのステイタスはUFC>ボクシングで、朝倉のフライ級王者アレッシャンドリ・パントージャへの挑戦は専門メディアだけでなく、一般スポーツメディアでも取り上げられました。

ボクシングと同じく、UFCでも軽量級への注目度は低いものの「UFCの本場は米国」と言い切って誰も異論はないでしょう。

そして、朝倉には米国に行く理由がありました。

井上のケースは「米国では関心が薄く需要が小さい」「日本が好き勝手できる階級」で、わざわざ赤字遠征を行う必要はありません。

それでも、もう船を出してしまいました。

現時点で発表されているカードはジュニアフェザー級の「井上尚弥vsラモン・カルデナス」と、フェザー級の「ラファエル・エスピノサvsエドワルド・バスケス」のタイトルマッチ。

よく仕込まれたマッチメイクは、次戦で激突する2人を並べてファンの興味を刺激しますが、井上がフェザー級進出で最初に予定されているのはニック・ボール。



そして、来月対決するのが誰も知らない井上よりも、3歳年下で井上に輪をかけて無名の29歳のカルデナス…。

ウィリアム・ヒルの掛け率は井上位の勝利が1/50(1.02倍)、カルデナス10/1(11倍)。ベットフェアーやスカイベット、パディパワーなどのブッカーは井上に1/100(1.01倍)、カルデナス25/1(26倍)と、急遽の代打で登場したキム・イェジュンと同じ実力レベルと見られています。

ファン・マヌエル・マルケスと同じ〝Dinamita〟を渾名に持つカルデナスは生まれも育ちもサンアントニオのテキサスの男。

アマチュアキャリアは不明、プロでは米国で16試合、メキシコで11試合の合わせて27戦、26勝14KO1敗。唯一の敗北は8年前で、これを取り上げる意味はほとんどありません。そして、カルデナスもまた、まともな相手との対戦は皆無。

そこから14連勝中で、面白いのは①バンタム級(118lb)からジュニアライト級(130lb)まで、12lbものスパンでリングに上がっていること、②傘下のProBox のTV Events Centerなど小さな会場をサーキットしてきたこと。

専業ボクサーであるわけもなく、蕎麦屋ので前のようにオファーがあると「あらよっ」とリングに上がっていたのでしょう。

要はまともなまともなコンテンダーではなく、クラブファイターに近いファイターです。これまで上がった最高のリングは、完全ホームのアラモドームですが、もちろん前座。メインはレイ・バルガスvsマークマグサヨのWBCフェザー級タイトルマッチでした。

カウボーイズ・ダンスホール、スモークスカイ・バー…小さなダンスホールやバーではないものの、場末感満載のキャリアを徘徊してきたカルデナスが、T -モバイル・アリーナでメインを張るのです。

1年前の彼にそんなことを伝えても「軽量級でTモバでメインなんてありえない」と信じなかったでしょうが、「ヒント、日本の富豪ファイター井上尚弥」と言えば、思い当たるはずです。

いや、しかし、カウボーイズ・ダンスホールもスモークスカイ・バーも行ったことがありませんが、そのお名前は蠱惑すぎます。ムラムラします。

カルデナスの実力は全く関係のない、運だけとはいえ、ダンスホールやバーからT−モバイル・アリーナ、ドラマティックです。