「革命にはタイムリミットがある」。
大谷翔平をあずかった栗山英樹の言葉です。
「二刀流なんて絶対に無理、ありえない」。
否定の嵐が吹き荒れる中で、挑戦を続けるには批判の炎に焼き尽くされる前に、結果を見せつけなければならない、つまり革命にはタイムリミットがある。
二刀流を引っ提げて、日本中から批判を浴びてNPBに乗り込んだときも頭ごなしに否定され、MLBに勇躍挑んだときでは太平洋を挟んで日米から「レベルの低い日本だから通用しただけ、メジャーでは絶対無理」だと頭ごなしに決めつけられながら、doubters たちを1人残らず黙らせ、1人残らず信者にしてみせた大谷翔平。
もうみんな忘れたふりをしてますが、いま日本で神のように崇められている大谷翔平は、NPBでもMLBでも最初は燃え盛る否定の炎の中から抜け出し、時間との戦いにも勝利して、偉大な快挙を達成したのです。

去年の今頃、古田敦也は情報番組で「こんなこと言うと笑われるかもしれませんが、打者に専念する今季は40−40を狙ってると思うんです。これまでもそんなん絶対無理ということをやってきたわけですから、ありえないことじゃない」と語りました。…結果、古田の期待と予想はものの見事に外れてしまいました。
ーーーさて、話変わってプロボクシングの世界では…。
世界的な統括団体を持たず、各国(米国などでは各州)のローカルコミッションがそれぞれのローカルルールを持ち、主要とされるだけで4つもある認定団体はデタラメな世界ランキングと、そこからわいてきた複数の世界王者を粗製濫造しています。
「世界王者はみんな強い」「世界ランカーに弱い奴はいない」「指名挑戦者は最強」…とっくの昔に絶滅したそんな常識をいまだに信じているボクシングファンがいまだに存在するのが信じられません。
この腐り切ったプロボクシングの世界(いまやアマチュアはもっと腐敗・混乱していますが)で、井上尚弥はバンタム級とジュニアフェザー級で主要団体を完全統一、Undisputed championの座に就きました。
もちろん、モンスターはこの二つの階級でLineal championであり、リング誌のベルトホルダーでもあります。
そして、昨年にはバンタム級で日本人が主要4団体のタイトルを独占、National undisputed な状態を創出しました。
これが、どの程度の快挙なのか、この事実を知っているスポーツファンがどの程度いるのかはさておき、ボクシングファンですら National undisputed に対して過剰に熱狂はしていません。
しかし、彼らはNational undisputed の次の段階を期待し、そこで熱狂する準備は整えていました。過去形になりますが。
WBAの堤聖也、WBOの武居由樹、IBFの西田凌佑たちも〝次の段階〟に前向きな姿勢を示しはしているものの、National undisputed 状態で凍りついた状態で、期待とは大きく異なる防衛戦が先行してしまっています。
National undisputed の次の段階は、undisputed(誰が最強か議論する余地のない)ではなく、disputed(議論する余地のある)ストラップホルダーたちがぶつかり合ってUndisputed championを決めることでしたが…。
もし、次の段階に進むとWBC王者の中谷潤人が絶対的に有利と見られています。
ビッグバンを恐れて、敗北濃厚の戦いから逃げるのはファイターではありません。そもそも「敗北濃厚」「欠陥の目立つこの3人がPFPファイターの中谷に勝つなんて絶対不可能」というのは、メディアや私たちファンが勝手にほざいている戯言に過ぎません。
そう、大谷翔平の二刀流のように。
もちろん、ここにも世界的な統括団体不在の事情が経済的に絡んできます。
サッカーや野球では途轍もない才能が表出すると、そこから先で心配するのは怪我だけです。カネはクラブや球団がいくらでも出してくれます。
ガバナンスの効いたリーグでは、選手側がカネを払うことはありません。W杯トロフィーもWシリーズのチャンピオンリングも全て無料、それどころか統括団体から莫大な優勝賞金などが支給されます。
ところが、ボクシングでは零細企業のジムがカネを工面して、興行にかかるコストを全て負担しなければなりません。さらに、JBCと認定団体には選手報酬に準じた認定料を支払わなければなりません。
アルファベット団体の認定料は3%前後、2団体統一戦なら3%×2団体=6%(WBOは統一戦割引で2%)、4団体なら3%×4団体=12%、WBOは割引なので11%が持っていかれます。
井上vsキム・イェジュンのファイトマネー合計が5億円だとすると、5500万円が認定団体に支払われる計算です。
さらに、チャンピオンベルトはリング誌は無料ですがアルファベット団体は全て有料、1本50万円前後で売りつけてきます。
さらにジムだけでなく、守銭奴・認定団体も一つ残らず家内制手工業的な零細企業、まともな決算報告を公開している団体も一つとしてありません。
さらにさらに、軽量級となると世界王者でも手取りのファイトマネーが10万ドルに届くことはまずなく、プロボクシングはほんの一部の例外を除いて〝貧困ビジネス〟です。
それでも、アルファベットでも王者になるとネット配信やテレビなどのプラットフォーム、スポンサーが付きやすく、ジムの経営を支えてくれます。そして、基本的に防衛戦を重ねれば収入は上がる一方です。
王者になるファイターのほとんどは、ジムが目をかけて育ててきました。もっと直裁的に言うと、多額の投資をしてきたのです。
そんな投資が回収もされないうちに、初防衛戦でPFPファイターと戦うーーージムの立場からするとありえません。大きな試合で負けると、ジムのイメージダウンにもつながります。
選手は絶対に中谷と戦いたい、大勝負をしたいのは間違いありません。
それでも「統一戦は莫大なコストがかかる、中谷は巨大なリスク、防衛を重ねたら必ず勝負させる」という、これまで育ててくれた恩のあるジムの意向を考えると、
それでも「統一戦は莫大なコストがかかる」というのは、海外から対立王者を呼ぶわけではない日本人対決なら認定料に限った話です。さらに、スポンサー収入やゲート収入は大きく増えるはずです。
もちろん、負けた方からすると1試合限定の話で終わりです。それなら、金払いの良い日本人王者が大好きな認定団体が用意する怪しいランカー相手に防衛を重ねた方が、経済的な実入ははるかに大きくなるでしょう。
ジムの論理が優先されると、かつてビッグネームとニアミスを繰り返した内山高志のように〝飼い殺し〟状態になるのも仕方がありません。だからといって、超富裕ビジネスであるメジャースポーツのようにアスリートの論理を優先させると、ジム経営など成り立ちません。

本文とは全く関係もなく、チャクドン!
「日本人バンタム独占」と、ファンが期待した「次の段階」。
もう、次の段階(undisputed championへのぶつかり合い)が期待できないことに気づいた多くのファンは、もうすでに興醒めしているでしょう。
超メジャーの富裕スポーツで革命を起こした大谷翔平と並べて語るべきではないのは承知の上で、バンタム独占でかけられたファンの期待はもう賞味期限切れです。
タイムリミットは、とうに過ぎてしまいました。
大谷翔平をあずかった栗山英樹の言葉です。
「二刀流なんて絶対に無理、ありえない」。
否定の嵐が吹き荒れる中で、挑戦を続けるには批判の炎に焼き尽くされる前に、結果を見せつけなければならない、つまり革命にはタイムリミットがある。
二刀流を引っ提げて、日本中から批判を浴びてNPBに乗り込んだときも頭ごなしに否定され、MLBに勇躍挑んだときでは太平洋を挟んで日米から「レベルの低い日本だから通用しただけ、メジャーでは絶対無理」だと頭ごなしに決めつけられながら、doubters たちを1人残らず黙らせ、1人残らず信者にしてみせた大谷翔平。
もうみんな忘れたふりをしてますが、いま日本で神のように崇められている大谷翔平は、NPBでもMLBでも最初は燃え盛る否定の炎の中から抜け出し、時間との戦いにも勝利して、偉大な快挙を達成したのです。

去年の今頃、古田敦也は情報番組で「こんなこと言うと笑われるかもしれませんが、打者に専念する今季は40−40を狙ってると思うんです。これまでもそんなん絶対無理ということをやってきたわけですから、ありえないことじゃない」と語りました。…結果、古田の期待と予想はものの見事に外れてしまいました。
ーーーさて、話変わってプロボクシングの世界では…。
世界的な統括団体を持たず、各国(米国などでは各州)のローカルコミッションがそれぞれのローカルルールを持ち、主要とされるだけで4つもある認定団体はデタラメな世界ランキングと、そこからわいてきた複数の世界王者を粗製濫造しています。
「世界王者はみんな強い」「世界ランカーに弱い奴はいない」「指名挑戦者は最強」…とっくの昔に絶滅したそんな常識をいまだに信じているボクシングファンがいまだに存在するのが信じられません。
この腐り切ったプロボクシングの世界(いまやアマチュアはもっと腐敗・混乱していますが)で、井上尚弥はバンタム級とジュニアフェザー級で主要団体を完全統一、Undisputed championの座に就きました。
もちろん、モンスターはこの二つの階級でLineal championであり、リング誌のベルトホルダーでもあります。
そして、昨年にはバンタム級で日本人が主要4団体のタイトルを独占、National undisputed な状態を創出しました。
これが、どの程度の快挙なのか、この事実を知っているスポーツファンがどの程度いるのかはさておき、ボクシングファンですら National undisputed に対して過剰に熱狂はしていません。
しかし、彼らはNational undisputed の次の段階を期待し、そこで熱狂する準備は整えていました。過去形になりますが。
WBAの堤聖也、WBOの武居由樹、IBFの西田凌佑たちも〝次の段階〟に前向きな姿勢を示しはしているものの、National undisputed 状態で凍りついた状態で、期待とは大きく異なる防衛戦が先行してしまっています。
National undisputed の次の段階は、undisputed(誰が最強か議論する余地のない)ではなく、disputed(議論する余地のある)ストラップホルダーたちがぶつかり合ってUndisputed championを決めることでしたが…。
もし、次の段階に進むとWBC王者の中谷潤人が絶対的に有利と見られています。
ビッグバンを恐れて、敗北濃厚の戦いから逃げるのはファイターではありません。そもそも「敗北濃厚」「欠陥の目立つこの3人がPFPファイターの中谷に勝つなんて絶対不可能」というのは、メディアや私たちファンが勝手にほざいている戯言に過ぎません。
そう、大谷翔平の二刀流のように。
もちろん、ここにも世界的な統括団体不在の事情が経済的に絡んできます。
サッカーや野球では途轍もない才能が表出すると、そこから先で心配するのは怪我だけです。カネはクラブや球団がいくらでも出してくれます。
ガバナンスの効いたリーグでは、選手側がカネを払うことはありません。W杯トロフィーもWシリーズのチャンピオンリングも全て無料、それどころか統括団体から莫大な優勝賞金などが支給されます。
ところが、ボクシングでは零細企業のジムがカネを工面して、興行にかかるコストを全て負担しなければなりません。さらに、JBCと認定団体には選手報酬に準じた認定料を支払わなければなりません。
アルファベット団体の認定料は3%前後、2団体統一戦なら3%×2団体=6%(WBOは統一戦割引で2%)、4団体なら3%×4団体=12%、WBOは割引なので11%が持っていかれます。
井上vsキム・イェジュンのファイトマネー合計が5億円だとすると、5500万円が認定団体に支払われる計算です。
さらに、チャンピオンベルトはリング誌は無料ですがアルファベット団体は全て有料、1本50万円前後で売りつけてきます。
さらにジムだけでなく、守銭奴・認定団体も一つ残らず家内制手工業的な零細企業、まともな決算報告を公開している団体も一つとしてありません。
さらにさらに、軽量級となると世界王者でも手取りのファイトマネーが10万ドルに届くことはまずなく、プロボクシングはほんの一部の例外を除いて〝貧困ビジネス〟です。
それでも、アルファベットでも王者になるとネット配信やテレビなどのプラットフォーム、スポンサーが付きやすく、ジムの経営を支えてくれます。そして、基本的に防衛戦を重ねれば収入は上がる一方です。
王者になるファイターのほとんどは、ジムが目をかけて育ててきました。もっと直裁的に言うと、多額の投資をしてきたのです。
そんな投資が回収もされないうちに、初防衛戦でPFPファイターと戦うーーージムの立場からするとありえません。大きな試合で負けると、ジムのイメージダウンにもつながります。
選手は絶対に中谷と戦いたい、大勝負をしたいのは間違いありません。
それでも「統一戦は莫大なコストがかかる、中谷は巨大なリスク、防衛を重ねたら必ず勝負させる」という、これまで育ててくれた恩のあるジムの意向を考えると、
それでも「統一戦は莫大なコストがかかる」というのは、海外から対立王者を呼ぶわけではない日本人対決なら認定料に限った話です。さらに、スポンサー収入やゲート収入は大きく増えるはずです。
もちろん、負けた方からすると1試合限定の話で終わりです。それなら、金払いの良い日本人王者が大好きな認定団体が用意する怪しいランカー相手に防衛を重ねた方が、経済的な実入ははるかに大きくなるでしょう。
ジムの論理が優先されると、かつてビッグネームとニアミスを繰り返した内山高志のように〝飼い殺し〟状態になるのも仕方がありません。だからといって、超富裕ビジネスであるメジャースポーツのようにアスリートの論理を優先させると、ジム経営など成り立ちません。

本文とは全く関係もなく、チャクドン!
「日本人バンタム独占」と、ファンが期待した「次の段階」。
もう、次の段階(undisputed championへのぶつかり合い)が期待できないことに気づいた多くのファンは、もうすでに興醒めしているでしょう。
超メジャーの富裕スポーツで革命を起こした大谷翔平と並べて語るべきではないのは承知の上で、バンタム独占でかけられたファンの期待はもう賞味期限切れです。
タイムリミットは、とうに過ぎてしまいました。
コメント
コメント一覧 (8)
こんな事態になっても選手に罪は無いし、拳2つで戦うこの競技に確かに存在する美があるからファンをやめられないのでしょうね。
フシ穴の眼
が
しました
「4団体トーナメントは統一戦では無く途中で負けた王者はその団体の王座決定戦に出れて勝てばまたトーナメントに参加出来ます」
これぐらいセイフティーネット張ればビビらずやってくれるか?
フシ穴の眼
が
しました
すぐに打ち切られるが一旦人気が安定するとどんなに内容がつまらなくても長期連載になってしまう
最初の面白さはどこへやら、途中からは絵は余白で白く話はだらだらと進まない
カルピスを極限まで薄めるような連載とか言われても、連載は続く 10年以上続く 文句を言いながらも読者は読んでいく
つまりただ延命してる状況になってしまってもそれの改善ができなくても続いて行ってしまう
以上のような状況というのはそれこそいろんなところで起こるのじゃないかと
構造的な“現象”だと思い諦めています
誰だって太く短くより細く長くをえらぶのですから
フシ穴の眼
が
しました
それがボクシング界の理解困難な仕組みを知る毎に興味は薄れ、今では日本人歴代世界チャンピオン名前さえ把握仕切れていません。
でも何故かボクシングが嫌いになれないのです。このブログは素晴らしいです、管理人様もボクシングが嫌いになれない人だと感じています。
フシ穴の眼
が
しました
フシ穴の眼
が
しました