マニー・パッキャオが最初にボクシンググローブを付けて、夜祭の余興のリングで戦ったゆかりの地、ゼネラルサントスシティーで高山勝成がカー・ルとのIBO(International Boxing Organization )ストロー級王者決定戦に勝利したことが、小さな話題になっています。

41歳という〝高齢〟にもかかわらず105ポンド(47.62kg)のリミットを守って戦い続けている規律の高さというよりも、JBC未公認の「IBO」の存在がクローズアップされているようです。

JBC非公認ですから日本国内での試合は出来ません。当然ながら、法的な効力はなく、かつてのIBFのように「日本IBO」のような第2団体を立ち上げれば国内試合も可能です。

しかし、日本のボクシング市場をいたずらに刺激したり、混乱させるのは高山はもちろん、IBOにとっても望むところではないでしょう。

IBOにとっては、JBCに認可される方向に取り組んでいるのですから。

〝世界王者〟を名乗るものが4人いたのが5人になるだけで、大した問題ではありません。

ご存知の通り、すでに欧州ではIBOは広く認められています。

米国では欧州ほどではないものの、ビッグファイトの舞台に当たり前に登場して来ました。



明日のサウジアラビア・リヤドで開催される、メガファイトの前日計量でもオレクサンデル・ウシクの王者陣営はIBOのベルトを掲げ、明日のリングにも上がるでしょう。

それにしても、WBCまたゴテゴテの特別ベルトを作成しました。

認定団体にとって、承認料が跳ね上がる人気階級におもねりたいのは当たり前ですが、

そもそも承認量が興行規模の小さい軽量級と、人気階級では桁違いになることがおかしいのです。

サッカーやテニスで進んでいる賞金の男女平等のように、認定料は一定であるべきです。というか、そもそも、タイトルの認定料を選手から徴収するシステムが狂気の沙汰です。

大谷翔平がMVPの認定料を支払ってたら、そんなスポーツ腐ってますが、中谷潤人はWBCに、井上尚弥は4団体に、それぞれファイトマネーの3%前後を支払っているのです。

井上の場合、ファイトマネー1億円としてWBA/WBC/IBFの3団体×3%=9%、統一戦割引を実施しているWBOは2%、合わせて11%、1100万円も支払う計算です。

腐ってるにも程がありますが、認定団体(sanctioning bodies)は文字通り、タイトルマッチの承認量を徴収することを生業としています。つまり、生業そのものが腐った悪徳なのですから、本来存在してはいけない版スポーツ団体なのです。

とはいえ、IOCやFIFAのような強力な統治能力を持つ統括団体を持つことが出来ないまま、2度も世紀をまたいでしまったプロボクシング。

統括団体であるローカルコミッションも、プロモーターもテレビ局も長期的なビジョンを持つことのないまま、その場しのぎで認定団体と階級の増殖、デタラメランキングを看過してきました。


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プロスポーツのタイトルの基本は“Less is more.” (少なければ少ない方が良い)です。MLBは球団数を増やしてもワールドチャンピオンの数は1年に1チームだけ。

Less is more.その考えこそが、価値を生み出すのです。

ところが、この業界は “More is more,” (多ければ多いほど良い)と目先の利益を追いかけてきました。

ファンの中には彼らの「ボクシングが細かく階級分けされているのは、それだけ階級の壁があるスポーツということなんだよ」「UFCは8階級を守ってる?総合格闘技はまだ原始時代、ボクシングも最初は8階級だったけど、発展とともに階級と団体が増えたのさ」というような虚言・妄言を真に受ける本物のバカがいるのも、このスポーツの特徴です。

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My hope is that the fighters will eventually get fed up and drop them in favor of pursuing what I and many others view as the one true world championship in the sport: the Ring Magazine title.
流石にこの惨状にファイターたちが辟易、アルファベットのベルトを投げ捨て、多くの人がたった一つの本物の王者の証と認めるリングマガジン・タイトルを目指す、それが私の希望だ。(リング誌)


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スポンサー作成などでない、多くのチャンピオンベルトの中で無償で提供されているのは、リング誌ベルトだけです。

とはいえ、このリング誌も認定団体顔負けのランキングスキャンダルに塗れ、挙句はプロモーターに身売りしたかと思えば、こんどはサウジアラビアのスポーツウォッシュの片棒担ぎ。

そもそも、英国貴族と米国の山師、プロモーターが作った雑誌です。

ところが、2010年頃まではなかなか面白い記事もあったのです。

ボクシングファンとしては、毒を食らわば皿まで、清濁合わせ飲む、そんな姿勢で見るしかないのでしょう。

ボクシングそのものは面白くて、勇敢なファイターはどんな時代にも現れて、腐ってるのは周囲だけなのですから。