認定団体がデタラメランキングをベースに〝世界チャンピオン〟を粗製濫造していることが、この競技のステイタスを世界的に毀損し続けてきました。

階級が17にも細分化されたことも、王者の価値を著しく貶めています。

オリジナル8はヘビー、ライトヘビー、ミドル、ウエルター、ライト、フェザー、バンタム、フライ。

ライト級以上の5階級の間にジュニアウエルター、ジュニアミドル、スーパーミドル、クルーザーの4階級がネジ込まれ、ライト級以下の軽量級にはジュニアライト、ジュニアフェザー、ジュニアバンタム、ジュニアフライ、ストローの5階級がネジ込まれてしまいました。
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この水増し階級の中で、その存在意味を受け入れることができるのは、250ポンドも珍しくなくなったヘビー級の巨大化と、175ポンドのライトヘビー級との乖離が広がるクルーザー級くらいでしょう。

実際にクルーザー級リミットは、ヘビー級の巨大化を追いかけるように創設当初の190ポンドから200ポンドに〝調整〟されました。

団体の分裂、階級の細分化が一気に進んだ1970年代後半以前から存在していたのはジュニアライト級とジュニアウエルター級とジュニアミドル級の3つ。

ジュニアライト級の世界王者は沼田義明、小林弘、ジュニアウエルター級は藤猛と1960年代にタイトルを奪取、ジュニアミドル級も輪島功一が王座に就いたのは1971年のことでした。

ニューヨーク州やNBA(WBAの前身)が1920年代に最初に増設した130ポンドのジュニアライト級、ストーン単位がキリの良いということで英国では古くから存在していたジュニアウエルター級(140ポンド=10ストーン)とジュニアミドル級(154ポンド=11ストーン)は、他の水増し階級とは区別すべきかもしれません。

一方でストロー級とジュニアフライ級、ジュニアバンタム級、ジュニアフェザー級の4階級はフライ級とバンタム級の2階級の狭いゾーンを水増しする形でネジl込まれました。



ーーーさて、1952年に白井義男が世界チャンピオンになってから1972年までの「20年間」で頂点を極めた日本人は11人。

階級別(太字はUndisputed Champion)ではフライ級が4人(白井義男/ファイティング原田/海老原博幸/大場政夫)。ここに「伝統のフライ」と誇る源泉があります。バンタム級が1人(原田)。フェザー級が2人(西条正三/柴田国明)。ジュニアライト級が3人(沼田義明/小林/柴田)。ジュニアウエルター級が1人(藤猛)。ジュニアミドル級が1人(輪島)。

柴田はジュニアライト級でも王者に就いていますが、1973年のことだったため「20年間」から外しています。

直近の20年間(2004〜2024年)を切り取ると、世界王者の数は53人に大膨張します(イーグル・デン・ジュンラパン、ホルへ・リナレス、カルロス・クアドラスはカウントしていません)。

直近の10人に絞って階級を見るとストロー級3人(谷口将隆/重岡銀仁朗/重岡優大)、ジュニアフライ級1人(矢吹正道)、フライ級1人(中谷潤人/ユーリ阿久井政悟)、ジュニアバンタム級1人(中谷)、バンタム級4人(井上拓真/中谷/西田凌佑/武居由樹)、ジュニアライト級1人(尾川堅一)。

1952−1972年の10人がのべ12人になっているのは原田がこの期間に2階級制覇に成功しているから。

同じように、直近10人では中谷が3階級制覇で、のべ12人。

さらに、現在は「直近10人」という括りからは漏れてしまうタイトルホルダーもいます。

「直近10人」の最古参である拓真がWBCバンタム級の暫定王座を獲ったのが2018年。そこからの6年間で井岡一翔(ジュニアバンタム級=現在は無冠)、井上尚弥(バンタム級/ジュニアフェザー級)、田中恒成(フライ級/ジュニアバンタム級)、寺地拳四朗(ジュニアフライ級)、京口紘人(ジュニフライ級)、伊藤雅雪(ジュニアライト級)がタイトルを獲っています。

このことから、「1952-1972の20年」と比較すると、タイトルは格段に獲りやすくなり、複数階級制覇や返り咲きも限りなく安易になっていることがよくわかります。

1952-1972と比べて、爆発的に〝世界〟王者が大量生産されているのはもちろん、日本人の平均的な体格が大幅に向上しているにもかかわわず、〝世界〟王者の体格が貧弱になっていることにも改めて驚かされてしまいます。

1952-1972の「のべ12人」のうち、フェザー級未満は5人、フェザー級以上は7人。

それに対して、直近の「のべ12人」はフェザー級以上はジュニアライト級の尾川で立ったの1人だけ。残り11人はバンタム級以下という衝撃的な貧弱ぶりです。

どうして、この豊かな国でプロボクシングだけが特別な事情で栄養失調状態に陥り、小型化してしまっているのでしょうか?

野球やサッカーが〝メジャー〟の存在を意識して、最高峰の舞台を目指す時代が深まっているというのに、プロボクシングだけがウエルター級周辺やヘビー級の〝メジャー〟への意識が超希薄な原因は、なんらかの理由で重度の栄養失調が蔓延、メジャーを諦めて小型化するしかないからでしょう。


それは、一体、なぜ???