Lineal/The Ring/WBCジュニアバンタム級王者ファン・フランシスコ・エストラーダと、ジェシー〝バム〟ロドリゲスの軽量級スーパーファイト。

34歳の王者は①度重なる激闘で劣化が指摘されていた、②19ヶ月のブランクでスパーリングでも実戦感覚が鈍っていた、③前日計量では明らかに減量苦の兆候が見てとれて、フェイスオフでは体の薄さが懸念された…。

そもそも、オッズも予想もバムに大きく傾いていました。

それでも。

全てを差し引いてもガジョはガジョ、もちろん全盛期はずっと以前に過ぎ去っているものの、プライドの高いチャンピオンでした。

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あ

2024/06/30 14:38


これ、井岡じゃ厳しいでしょう…
日本では観たくないですね、いい意味でも悪い意味でも。

この試合を見た直後ではそういう感想になっても仕方がありません。同感です。

それにしても、こんなにゾクゾクした試合を見るのは久しぶりです。



第6ラウンド、キャリア初のダウンを喫したバムはニヤリと微笑んでいました。

I got dropped for the first time, that was crazy.I got caught with a punch and next thing you know, I was on the floor. It was crazy but I always wanted to experience that. I know it’s bad but I want to test myself in times like that.

とんでもないピンチだったさ。パンチを喰らって倒されたんだから。でも、いつだってこういう瞬間が来ることを期待してたんだ。決して歓迎すべき状況じゃないんだろうけど、逆境から立ち上がるテストができるんだ、最高じゃないか。


試合はオープニングから挑戦者のペース。

小刻みなフッチワークとフェイントから繰り出されるパンチの種類と角度、死角から繰り出すパンチの多彩さは妖艶ですらありました。相手にとっては悪夢のようなサウスポーです。

第4ラウンドには左アッパーから右→左のコンビネーションで最初のダウンを奪います。

一方的な展開になりそうだった第6ラウンド、バムの顎に右を的中させてダウンを奪い返したエストラーダの勝負根性にも拍手です。

そして、第7ラウンドに終末が訪れます。

クロスレンジからバムが滑らかな左をエストラーダのボディに突き刺すと、この試合2度目のダウン。悶絶したエストラーダは必死に立ち上がろうとしますが、カウントアウト。

6年ぶりの敗戦、キャリア初のKO負けを喫した34歳のメキシカンは「大きなミスを犯してしまった。再戦条項を行使する。次は同じ展開にはならない」。

キャリア最大の勝利をつかんだバムは「伝説の王者からタイトルを奪うなんて、もう気が狂いそうなくらいに嬉しい」と喜びを爆発。

ファン・マヌエル・マルケスのような、万能型のグレートに成長しそうです。

再戦は不要でしょう。

井岡一翔には申し訳ありませんが、バムは厳しい。

ポジションを変えながらパンチに角度をつけてプレッシャーをかけるスタイルは共通していますが、バムの方が機動力が明らかに上。相性的には、大橋秀行が「井岡君はみんなが思っているよりずっと強い」と評価していたように、相性的には井上尚弥の方がいい試合になりそう。

急所に打ち込む優れた嗅覚を持つ変幻自在のサウスポーーー過去のサウスポーとの試合ぶりを見ても、そしてクロスレンジが苦手な井上にとって、とんでもないジョーカーかもしれません。

現時点ではバムは115ポンドファイター。122ポンドの井上との差は7ポンド(3.18kg)、小さなさではありません。「来年」という話ではないでしょう。

日本人が独占しているバンタム級に乗り込めば、誰が止めることができるでしょうか?中谷潤人でも難しいかもしれません。