2月24日 両国国技館=

◾️統括団体:日本ボクシングコミッション
◾️プロモーター:本田明彦(帝拳プロモーションズ)
◾️メディア:アマゾンプライム ライブボクシング/ESPN+(米国)

WBCバンタム級タイトルマッチ



ガッツ溢れるメキシカンはここ数年、アウエーの米国や英国で印象的な番狂せを何度も起こしていますが「サンチアゴはマウリシオ・ララでもルイス・アルベルト・ロペスでもラファエル・エスピノザでもない。ましてや中谷潤人はジョシュ・ウォリントンではない」(英国ボクシングニューズ誌)。

試合当日になってオッズはさらに開きました。中谷の勝利が1/6(1.67倍)、サンチアゴ9/2(5.5倍)。

個人的には、サンチアゴが〝ロペス〟や〝エスピノサ〟である可能性はゼロではないと思います。

ノニト・ドネアを番狂せで下した試合は、公式採点よりも差のある勝利でした。

とはいえ、井上尚弥との2戦を見るまでもなく、ドネアの反射とスピード、フットワークは全盛期とは全くの別人。さらに、加齢による劣化が最も遅れるパワーにまで翳りが見えました。



フルタイムの銀行員、アントニオ・ニエベスとも初戦がドローで、再戦に持ち込まれているグダグダ・ファイターがサンチアゴ。

再戦はTKO勝ちも、ニエベスは「初戦とは違い練習のための休暇が取れなくて、減量するだけで望むしかなかった」というお粗末さでした。

井上尚弥と戦った時点でも怪しさ満点だったデビッド・カルモラも、サンチアゴが判定勝利を収めたのは、井上戦から8戦2勝6敗、誰に対しても噛ませ犬状態。

サンチアゴは、どの試合を見ても根性は惜しまないメキシカン。そこはプロとして尊敬するしかありません。

しかし、副業でボクシングをしているニエベスとも、完全劣化バージョンのドネアとも違う中谷に、根性だけでどこまで立ち向かえるでしょうか?

サンチアゴも父親の飲食業を手伝いながらの兼業ボクサー。「ボクシングでお金を貯めて父親の事業を引き継ぎ、拡大する資金にしたい」と、良く言えば生活を賭けて戦っています。悪く言うと、正真正銘のプロではありません。



「日本で世界戦なら大きなお金が入る」と喜んでいる通りに、これまでは最後列に座っている知人の顔までよく見えて、セコンドの声はもちろん、キャンバスを踏む足音まではっきりとマイクが拾える会場で戦って来ました。

観客席は人影少なく静かで、コーナー周りの声だけが大きく響く…前座で戦うことは、大きな会場になればなるほど寂しいものです。

唯一の例外はドネアと戦ったラスベガスの中心、T -モバイル・アリーナでしたが、メインを控えて客席まばらなウェルター級のビッグファイトの前座。

そんなサンチアゴにとって、今夜の両国国技館にはこれまでの人生で一度も経験したことのない最高の光景が広がっているはずです。

アウエーの空気も濃厚ですが、「日本で世界戦」を熱望するメキシカンが、軽量級が尊敬される世界最高のリングに、世界チャンピオンとして、圧倒的不利のアンダードッグとして、上がるのです。


キャリア最高のコンディションで、100%の力を中谷にぶつけて欲しいです。