The Catcher in the RyeをもじってThe Catcher in the Ringです。

…なんて書き出して、そもそものThe Catcher in the Rye(ライ麦畑でつかまえて)を最近の人は知らないかもしれません。

これぞ東海岸の作家というJDサリンジャーのNine Stories(ナイン・ストーリーズ)に並ぶ代表作です。

2003年に村上春樹が翻訳してるので、それで知ってる人も多いかもしれませんが、80年代に中高大学生だった私たちの世代ではおそらく知らない人はいないでしょう。

私が最初に読んだのは野崎孝の「ライ麦畑でつかまえて」。自分でカネ出してこんな本買うわけがないので、間違いなく高校の図書館蔵書で読んだはずです。

The Catcher in the Ryeは「危険な年齢」「ライ麦畑の捕手」なんて訳でも出版されていましたが、「危険な年齢」は訳としては魅力的ではありません。

「ライ麦畑の捕手」に至っては、ライ麦畑のなかでプロテクターを装着、キャッチャーミットを構えている捕手を連想、フィールド・オブ・ドリームスのライ麦畑バージョンか?と勘違いしそうです。

そのあと、原文のペーパーバックも図書館にあったので、野崎の翻訳プロセスを考えながら読みました。野崎訳が面白かったわけではありません、もしかしたら、原文は面白いのかもと一縷の望みを賭けたのでした。

それにしても「多分原文も面白くない」と思いつつも、高校時代の自分の暇さ加減に驚きます。

驚くべきはこの本が、1950年に書かれたということです。

そんな本が80年代の日本の若者に大ヒットした理由は、「サリンジャーのライ麦畑でつかまえて」という言葉がカッコ良かったから、それだけです(個人の感想です)。

前置きが長くなりました…子供たちに勉強を教えるときも、前置きだけで1時間が終わり「次は教科書のここからここまで和訳して来い」になることがしょっちゅう。

そういえば、仕事でも前置きだけで時間が過ぎてしまい、「今回の案件についてはこちらの報告書で全て説明し尽くしてますので、万一ご不明な点があればメールでお問い合わせください」。

そう考えると、このブログではちゃんと「前置き」と断ってるだけマシかもしれません。

10年以上前にすでにいただいた仕事の報告会ではなく、仕事を取りに行くプレゼンでThe Catcher in the Rack(売り場で顧客をキャッチせよ)とぶちあげて「この中でライ麦、読んだ人」と問いかけると30人中28か29人が手を挙げ、「原文を読んだ方は?」と聞いても15人は手を下ろしませんでした。

そして「面白かったですか?」と聞くと、残った15人全員が私に不審な目を向けながら手を下ろしました。

なぜ、誰も感動させない駄作(個人の感想です)が、日本で大ヒットしたのか?

まず「サリンジャー」「ライ麦畑でつかまえて」というワードに取り憑かれて、「JDサリンジャーのライ麦もう読んだ?なかなか面白いよ」と言うのがカッコ良いという、流行病が蔓延してしまったのです。

そんな話ばかりしてて、プレゼンでは勝てませんでした(というかプレゼンしてない)が、すぐその後に同じ企業からご指名で別案件をいただきました。

なんて自慢話の前置きはこの辺で。。。





******最初からその名前で登録されていたのならともかく、一人のファイターが愛称で呼ばれるにはほんの少しだけ時間がかかります。

今では、カネロ・アルバレスがサウル・アルバレスと表記されるのはレアケースですが、最初からそう呼ばれていたわけではありません。

リング誌もESPNもボクシング・マガジンもボクシング・ビートも、長らく「サウル・アルバレス」でした。

人気者が駆け足で実力を証明してゆく過程で、ファンはもちろんアンチまで愛称で語るようになります。

それは、一つの〝お墨付き〟と言えます。

日本時間の12月17日、〝カネロ〟の道を歩みそうな一つの才能が煌めきました。

まだ23歳でも、彼を「ジョシュア・フランコの弟」と説明する人はいなくなりました。

そして、彼をジェシー・ロドリゲスと呼ぶ人もこの1、2年でほとんどいなくなるかもしれません。

さらに、このブログのように〝バム〟ロドリゲスと呼ぶのも、カッコ無しが主流になる日も近そうです。



評価と人気が伴う軽量級ファイターは、日本人を例外にすると、まずいません。

フェザー級以下と定義してこの10年を振り返るとと、アブネル・マレスとレオ・サンタクルス、カール・フランプトンくらいでしょうか?

20年まで振り返ると、ナジーム・ハメドを倒したマルコ・アントニオ・バレラ、そしてエリック・モラレス、ファン・マヌエル・マルケス、マニー・パッキャオの特別過ぎるフェザー級〜ジュニアライト級のPFPファイターが思い出されます。

しかし、彼らはスーパースターといってもウェルター級やミドル級のスーパースターとは違います。

軽量級は専門家とマニアの評価は高いものの、ボクシングファン全体への希求力は比べものになりません。

そんな彼らですら、ラスベガスやニューヨークの大会場でメインを張ることも、PPVに乗っかるイベントも超レアケース。

そのレアケースすらも、フェザー級〜ジュニアライト級になってやっとこさ。

さらに、決定的なことは彼らはイエメン王朝と湾岸諸国が巨額の放映権料をHBOに支払ったハメドか、「メキシカン」、そしてそのスーパースターの「メキシカン」を立て続けに撃破したパッキャオと、いずれも特別過ぎる背景を抱えていたということ。

それでも、ジュニアフェザー級以下では、注目度はさらに急降下します。

専門家評価が最上級だったローマン・ゴンサレスも、PFP1位に2年も君臨したニカラグア人には君臨期間で全く及ばないもののPFPの常連・井上尚弥も、米国では大きな需要を惹きつけるアトラクションたりえませんでした。

チョコラティトは貧しい母国に帰る選択肢は考えられず、井上もラスベガスにこだわる理由はビジネス上は全くありえません。

そうです、チョコラティトも井上も、ライト級以上のメインストリームで本物のビッグネームを撃破するしか、T -モバやバークレイズのメイン会場でメインを張ることはありえないのです。




バム・ロドリゲスなんて言っても、日本のボクシングファンはよく知らないかもしれませんが、2021年にFighter Of The Yearにノミネート、今年もノミネートされるかもしれない23歳です。

多くの人が指摘しているように、正直、過大評価だと思います。才能はあるし、魅力的なファイターですが、Fighter Of The Yearはノミネートされるだけでも正気の沙汰ではありません。

しかし、それは人気(プロモーターの推しの強さ)の裏付けでもあります。

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そのスタイルに妙な色気があると言われたら、まさにその通り。小泉進次郎が喜ぶようなセクシーなパンチャーです。

繰り返しになりますが、軽量級に人気者が登場するのは極めて稀です。全盛期のドネアは井上同様に専門家評価は高かったものの、激しく希求していたラスベガスやニューヨークの大会場でメインを張ることもPPVファイターになる夢も叶わないまま、キャリアを終わろうとしています。

ドネアは米国でとにかく人気がなく、ボブ・アラムの嫌味に耐えなければいけませんでした。

しかし、バム・ロドリゲスも相手によってですが、ネバダやカリフォルニアの大会場を舞台に戦うことになるかもしれません。

彼はドネアや井上とは違うのです。

次戦でいきなりバンタムという声も上がっています。

近い将来、井上と拳を交えることがあるかもしれません。

もちろん、それでも軽量級に人気がある日本でやる方が興行的には大きくなりますが、バムの完全お膝元テキサス州のアラモドームでもそれなりの興行になるはずです。


ビクター・コンテに〝栄養〟管理されているバムは、ドネア同様に軽量級にも関わらず、ウエイトコントロールに苦労がないようです。

どんな魔法を使っているのかわかりませんが、来年中にジュニアフェザーに上げて来い!

倒せば、もう誰も過大評価と批判されない井上と戦え!

今回に限っては、日本からの多少の持ち出しがあっても、大橋秀行も恥ずかしいとは思わず、「このままだと天文学的数字になる」なんて大嘘をつく必要もありません。