エチオピアのアベベ・ビキラは1964年10月、東京五輪マラソンで2時間12分11秒の世界記録で優勝しました。

それから59年後の2023年9月、やはりエチオピアのティギスト・アセファがベルリンマラソンでアベベの記録を18秒も上回る2時間11分53秒の世界記録で優勝しました。

アセファは女性、59年で母国の偉大な男性ランナーの記録を凌駕したのです。

驚くべきことは何もありません。


男子は2023年10月に行われたシカゴマラソンで、ケニアのケルビン・キプタムが2時間35秒の世界新記録で優勝、59年前のアベベを11分36秒も上回っているのです。

もし、一緒に走っていたらアベベはキプタムの4kmも後方をトボトボ走っていたことになります。

驚くべきことは何もありません。

過去より現在、現在より未来のアスリートが優れているのは当たり前です。

目も当てられないくらいに衰退したスポーツ、あるいは技術の継承が断絶したスポーツでもない限り、史上最高は今に生きるアスリートであり、そのアスリートも未来に駆逐されるのです。

驚くべきことは何もありません。

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沢村栄治が現代にタイムスリップしても、沢村賞にはカスリもしません。それどころか、プロ野球選手にすらなれなかったでしょう。

ペレとメッシでは石コロとダイアモンドの差があります。ペレが日本のインターハイに出ても1ゴールも決められないでしょう。

モハメド・アリがタイソン・フューリーと戦えば、3分間立っていることすらできません。

驚くべきことは何もありません。





…本当にそうでしょうか?



アベベとアセファが裸足で競争したら、勝負はわかりきっています。

キプタムが裸足で走ったら2時間35秒からどこまでタイムを落とすでしょうか?

そして、アベベが反発力のあるプレート仕込みの厚底シューズで走ると、どこまで記録を伸ばすでしょうか?


全盛期の佐々木主浩を36打数16安打、4本塁打、打率.444とメッタ打ちにした晩年の落合博満は、現代野球で通用しないのでしょうか?


彼らは極めて短い時間で現代に適応するでしょう。

いや、もしかしたら適応というにはあまりにも短い時間、つまり最初の登場で、目を見張る結果を出すかもしれません。


驚くべきことが起きるかもしれません。