ポーランド、リングが特設されたのはヴロツワフ市立サッカースタジアム。

ロシアとポーランドの歴史的関係、ウクライナ人がコミュニティーを形成するヴロツワフ。今回のロシアの侵略でも多くのウクライナ人が戦火を逃れて国境を接するこの街に流れ込んでいました。

この日は、ウクライナ独立記念日の8月24日から最初のサタデーナイト。

二人のファイターがリングインする前には恒例のリングセレモニーが行われましたが、そのクライマックスは、ゼレンスキー大統領がウシクにエールを送ったビデオメッセージ。

そぼ降る雨の中で行われた、オレクサンデル・ウシクとダニエル・デュボアの激突は、25歳の英国人にとって、あらゆる意味で完全アウエーのリングでした。

それでも精神的に脆いビッグパンチャー、デュボアが開き直って戦うには格好の状況とも思いましたが、36歳のウクライナ人との力量差は、若さでも体重差でもパワーでも埋めることが出来ませんでした。

それでも、立ち上がりのデュボアは悪い動きではありません。ウシクは雨で濡れたキャンバスのせいか、持ち前の機動力、フットワークが影を潜めているように見えました。

ウシクが完全にペースを掌握できない中で迎えた第5ラウンド。英国人のボディショットでウクライナ人がダウン。効いています。

しかし、主審のルイス・パボンの判断は「ローブロー」。ビデオリプレイではローブローではないようにも映りました。

生中継された英国から集まったコメントは「ローブローじゃない!ダウンだ!」「あの雰囲気では微妙なパンチは仕方がない」と真っ二つ。

ダメージを引きずるウシク、デュボアはここが勝負所でしたが、ここで総攻撃をかけられないのがデュボア。

第8ラウンド、体勢を立て直したウシクは本来の動きを取り戻し、右ジャブから左クロス、多彩なパンチで英国人を攻め落とし、最初のダウンを奪いました。

第9ラウンド、フィニッシュは右ショート。崩れ落ちたデュボアに、パボンは10カウントを数えました。

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スタッツもウシクのジャブが冴え渡った試合をなぞっています。

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フランク・ウォーレンは「ダニエルは勝利を盗まれた」と、第5ラウンドのパンチはローブローなんかじゃないと激昂。

あれがダウンなら試合の行方は大きく変わっていたとは思いませんが、デュボアはあそこで後先考えない攻撃を仕掛けるべきでした。


来年の早い段階で、タイソン・フューリーとのUndisputed championshipがサウジアラビアで開催されると言われていますが、多くのファンは勝利者インタビューで「彼は私とはやりたがらないだろう」と語ったウシクと同じ思いでしょう。

もし実現したら、サウジが招致したわけです。間違いなく「メイウェザーvsパッキャオ」を大きく上回る史上最高のファイトマネーが記録されるはずですが…。