ボクシングの階級には、人気の格差が存在します。

ウェルター級やミドル級、ヘビー級は世界的に注目度の高い人気階級です。

一方で、人種的な体格や、歴史的・文化的影響から、日本ではバンタム級など軽量級への思い入れが強くあります。

日本のボクシングファンの中には「バンタム級よりもクルーザー級の方が世界的にもマイナー」と思い込んでいる人もいるかもしれませんが、大間違いです。

単純な競技人口(今日のBoxRec)ではバンタム級の1060人に対して、クルーザー級は1160人。大きな差はありません。

とはいえ、バンタム級の選手層がアジアや中南米、アフリカなどをベースにしているのに対して、クルーザー級の選手の多くは欧米の富裕国が抱えています。

欧米での注目度はもちろん、報酬や専業の割合もクルーザー級の方がはるかに高くなるのは当然です。

複数階級制覇と一言でいっても、その価値は「誰に勝ったか」はもちろんですが「どの階級か」によっても価値は変わるでしょう。

ストロー/ジュニアフライ/フライ/ジュニアバンタムと、スーパーミドル/ライトヘビー/クルーザー/ヘビーでは同じ4階級制覇でも全く難易度が異なります。

IMG_0784

ジュニアミドル級、ミドル級、スーパーミドル級、ライトヘビー級と4階級制覇したカネロに対して、井上はジュニアフライ級、ジュニアバンタム級、バンタム級と3階級制覇ですが、フライ級をスキップしているので、4階級にわたって世界のトップで戦ってきました。

カネロの4階級と、井上の〝4階級〟を比較します。

体重スパンはカネロが21ポンド、井上が14ポンド。中量級と軽量級で、分母が違うとはいえ、カネロの方が同じ4階級制覇でもより大きな体重差を乗り越えてきたと言えそうです。

そして、競技人口でもカネロの4階級は合計6184人に対して、井上の実質5階級は4188人。井上の5階級から、まだ一度も戦っていないジュニアフェザー級の1239人を引くて、4階級で比較すると2949人と半分以下となります。

4階級制覇の体重スパン、競技人口では人気階級のカネロが明白に上回り、軽量級の井上では太刀打ち出来ません。

単純な競技人口でなく、その内容(報酬と専業ボクサー)まで加味すると、ダブルスコアどころの騒ぎではなくなります。

第2ラウンドもカネロで、10-8(カネロ20-17)。