フィリピン国会の上院議員が、英国に人気者と戦うためにリングに上がります。

2021年8月、WBAウェルター級タイトルマッチでヨルデニウス・ウガスに完敗したマニー・パッキャオは「もう2度とリングに戻ることはない」と2度目の引退を宣言していました。

最初の引退宣言は、2016年4月にティモシー・ブラッドリーとのラバーマッチに勝利したあと。その舌の根も乾かぬ7ヶ月後、WBOウェルター級王者ジェシー・バルガスを破って復帰戦を飾ります。

今回は1年6ヶ月も引退を守ってきたのですから、よく我慢したと言えるかもしれません。

パッキャオは昨年12月に韓国のYouTuberとのエキシビションマッチを行っていますが、今回はボクシングの公式戦。相手のコナー・ベンも人気先行とはいえ世界基準の実力の持ち主、ど素人ではありません。

WBC-VADA-Clean-Boxing-Program-300x173


昨年、クリス・ユーバンクJr.との英国大注目の二世対決を前に2度もドーピング検査で禁止薬物のクロフェミンが検出され、試合を消滅させてしまったコナー。

エディ・ハーンも「陽性反応はWBCと提携しているVADAの検査。BBBofC(英国ボクシング管理委員会)がドーピング検査を委任しているより厳格なUKADA(英国アンチドーピング機構)の検査では全て陰性だったから〝シロ〟」と、暗にWBCを非難。

するとWBCは「大量摂取した可能性が高い」と、コナーをランキングに復帰させる方針を示しました。また、ヘンテコなプレミアムタイトルとベルトを作る気満々です。

もしかしたら、エロール・スペンスJr.が1年以上試合間隔が空くことになることから暫定王者決定戦にセットするかもしれません。

パッキャオの復帰が本当なら、スペンスやクロフォードにとっても朗報でしょう。

ハーンは「6月までにコナーをリングに戻らせてあげたい」と語り、伝説の8階級制覇王者パッキャオとの対戦交渉が進んでいることも明らかにしました。「BBBofCがライセンスを交付しないのならラスベガスやニューヨークで試合を行う用意もある」と、英国開催にこだわらない姿勢も見せています。

しかし、ネバダ州やニューヨーク州の米国を代表するコミッションがコナーにライセンスを発行するかどうかは極めて不透明。

そもそも「コナー・ベン」は英国だからこそのビッグネーム。日本の井上尚弥と同じで、米国開催では商品価値が暴落してしまいます。

それでも、WBCとハーンはもちろん、コナーも“Biggest fight of the year!!Let’s go” (今年最大のビッグファイトになる!やるぜ!)。

パッキャオをマネジメントするショーン・ギボンズも“Waiting on Eddie Hearn! Senator ready to Rumble” (ハーンさんの良い返事を待ってます!上院議員は準びOKです!)。


ボクシング界はいつだって魑魅魍魎…。