フェザー級リミットを僅かに上回る126.3ポンドで前日計量の秤を降りたリーアム・ウィルソンは、ボクシングファンの目には生贄としか映っていませんでした。

立ち上がりの3ラウンド、ウィルソンが左構えにスイッチするなど変化はありましたが、興味は「いつナバレッテが仕掛けて試合を終わらせるのか?」。

 

しかし、最初に仕掛けたのは生贄のはずのウィルソン。大きな左フックをクリーンヒットすると、激しい左右の連打の連打で ナバレッテからキャリア初のダウンを奪います。

何発もの強打に耐えて崩れ落ちたメキシカンは、打たれ強いがゆえに余計なダメージをもらい過ぎました。大番狂せの予感が膨らみます。

続く第5〜6ラウンドは激しい打撃戦。ナバレッテのタフネスと回復力は驚異的。左右の強打を上下に打ち分けてウィルソンを削っていきます。

無名のオージーにとっては一世一代の大チャンスですが、左フック頼みで何の工夫もない攻撃は空回り。第7〜8ラウンドには鼻血が激しくなり、形成は完全に逆転。

迎えた第9ラウンド、ナバレッテのワンツーが決まってウィルソンが痛烈にダウン。こうなると、ナバレッテの〝狩り〟の始まりです。ロープからコーナー、コーナーからロープと追い回してしぶとい攻撃でダメージを与え続けて、最後は主審のストップを呼び込みました。

PUNCHESNAVARRETE WILSON
Total landed15297
Total thrown453388
Percent34%25%
Jabs landed2913
Jabs thrown151141
Percent19%9%
Power landed12384
Power thrown302247
Percent41%34%


“I’m made of strength, power, heart and that Mexican spirit that never lets me down,” 


「強靭さとパワー根性、メキシコ魂を見せることが出来た。私にとっては素晴らしいテストになった。私でもダウンすると知った。そして立ち上がって倒し返すことができた」。

大番狂せを逃したウィルソンは「ナバレッテは偉大なチャンピオン」と讃える一方で「4ラウンドのダウンはロングカウントに思える。20秒近くに感じた。これからチームと検証する」。

「負け犬扱いしていた人々を見返すことは出来たんじゃないか。また戻ってくる。ナバレッテからダウンを奪ったんだから、他の王者も私に興味を持ってくれるかもしれない」。

試合後に勝者を祝うためにリングに上がったオスカル・バルデスは終始ご機嫌。「私たちならマルコ・アントニオ・バレラとエリック・モラレスのような歴史に残る名勝負が出来る。今年中に実現しようじゃないか」。

ナバレッテはWBOフェザー級王座を返上していませんから、ジュニアライト級かフェザー級か選択肢は二つあります。

WBOは4月1日にアイザック・ドグボエとロベイシ・ラミレスによる、フェザー級の暫定王者決定戦をセット済み。減量が厳しいナバレッテにとって、決着のついたドグボエに魅力はありませんが、傷物とはいえロベラミを倒せば箔が付きます。