BoxingNews24が、井上尚弥とスティーブン・フルトンのジュニアフェザー級タイトルマッチが「4月に日本開催」とボブ・アラムが語ったと報じました。

しかし、アラムがこの試合にどこまで絡んでいるのか極めて怪しく、いつもの適当な戯言かもしれません。

それはさておき、記事の中で「井上は多くのタイトルを獲得してきたが、そのキャリアを通してまともな強豪とは戦っていない」とも書かれています。
 

While he has won many titles, he’s not faced any elite opposition during his career.

Inoue has on his resume are a mixed bunch of paper champions and B-level guys.

この手の記事は、ローマン・ゴンサレスやファン・フランシスコ・エストラーダらを語るときでも繰り返されてきました。

そもそも、軽量級は欧米では関心の低いクラスです。つまり、ヘビー級やミドル級でいうビッグネームなど存在しないのです。

ポール・バトラーが負け惜しみ半分で吐き捨てたように「(英国など先進国では)バンタム級は経済的に保障されていない(職業として成立しない」」階級です。


記事では「Inoue’s best opposition(井上の主な対戦相手)として、以下の10人を挙げています。

現役のPFPファイターは1人もいません。PFP経験者もドネアだけ。

ドネアを例外に、PFPのドアをノックしたファイターもいません。その意味では、物足りないリストかもしれません。

Nonito Donaire

Paul Butler

Jason Moloney

Emmanuel Rodriguez

Juan Carlos Payano

Jamie McDonnell

Kohei Kono

Omar Narvaez

Adrian Hernandez

Ryoichi Taguchi


この中で、井上との対戦時でESPNとリング誌、いずれもトップ10に数えられていたのが赤字のファイター。 10人中9人が文句なしの世界ランカー級の実力者。

バトラーはESPNでトップ10に入っていませんでしたが、リング誌では6位評価されていました。

アルファベット団体が勝手にでっちあげた〝世界チャンピオン〟や〝世界ランカー〟を倒してきたわけではないのです。

この10人で、最も高く評価すべき相手は田口良一で、誰も異論はないでしょう。

未来のリング誌王者にしてWBA/IBF統一王者。ただし、井上はプロ4戦目、田口は日本王者という蕾の激突でした。

それでも、he’s not faced any elite opposition during his career.と断じられてしまうのは、軽量級の悲哀です。

「超軽量級」という小さな井戸の中では、十分強い相手と戦ってきました。

もちろん、井上の舞台が先進国では「職業として成立しない」ような階級であることは残念です。

だからといって、井上がマニー・パッキャオのように「人気階級の本物のビッグネームをことごとく撃破してラスベガスのスーパースターになる」なんて夢が描けるわけもありません。

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「ビッグネーム狩り」。こんな芸当が出来るファイターはいません。


リカルド・ロペスは17階級で最も層が薄い、つまりレベルが低いストロー級でしたが、ミドル級やウェルター級のスター選手が霞むほど美しいボクシングを見せてくれました。

それでも、米国やメキシコではロペスの評価は低く、米国では小さな会場でもメインを張れず、女子ボクサーの前座に甘んじることもありました。

ロペスの評価が最も高いのは、目の肥えた軽量級の面白さを識る日本のファンです。

井上とロペスは欧米の不人気階級で無双し、専門家評価だけが高い存在、という点で共通しています。

しかし、ついに眩いスポットライトが当たる場所に恵まれなかったロペスとは違い、井上には母国の肥沃なリングがあります。

かつて恋焦がれたラスベガスの夢は幻覚に終わりましたが、欧米では職業として成立しない階級でも、日本のリングでビッグマネーを掴んでいます。 

4団体時代の超軽量級という井戸の中ではあるにせよ、井上はきっちり強豪に勝利しながら、ほとんど完璧なキャリアを刻み続けているのです。