このブログで高く評価してきた王者は、Lineal champion(正統王者)や、それに則ったRing magazine champion、そして他の誰にも王者を名乗らせない、つまり議論する余地のない王者、Undisputed championです。
そのUndisputed championの玉座に、井上尚弥がついに鎮座しました。
これを偉業と呼ばずして、何を偉業と呼ぶのか。
ただ、プロボクシングの世界は、特に日本において、メディアはわざわざ誤解を呼ぶような表現を弄します。
「ボクシングの長い歴史で9人目の4団体統一王者」というのも、ボクシングをよく知らない人をミスリードする表現です。
この9人がボクシング史の歴代ベストナイン、あるいはそれに近いと誤解する人もいるでしょう。
そもそも、4団体になったのはWBOが発足した1988年です。正確にいうなら、WBOが主要団体として定着したのは90年代半ばですから、まだ30年も経っていません。
「ボクシングの長い歴史」「ボクシング史上」という表現をしてしまうと、近代ボクシング150年の歴史と誤解してしまいます。
4団体統一王者は、WBOが主要団体として定着した頃の1995年にバーナード・ホプキンスがミドル級で達成したのが最初で、9人目の井上尚弥が9人目、現実には「ホプキンスから27年の歴史で9人目」という表現が正確です。
「4団体統一」は、白井義男やファイティング原田は目指す必要もなく、大場政夫や具志堅用高にとっては目指すも何も4団体もなかったのです。
4-Belt Era、27年間で井上も含めた9人のUndisputed championが生まれました。
3年に1人です。
そのうちの7人は、2017年以降、つまり5年間という短い期間で〝量産されているのです。
また、そのリストにはこの時代を圧倒的に代表したオスカー・デラホーヤやフロイド・メイウェザー、マニー・パッキャオの名前がありません。
カネロ・アルバレスを唯一の例外として、残りの8人は地味すぎる実力者たちなのです。
こうした複数の事実を並べて考えると、4-Belt EraにおけるUndisputed championの輪郭がはっきりしてくるはずです。
「ボクシング史上9人目の4団体統一王者」も事実と言えば事実ですが、それだけでは真実がわからないだけでなく、大きな誤解が生じることになります。
タイトルの価値が地に堕ちた4-Belt Eraでは、ベルトよりもスターのパワーが強い時代なのです。
世紀の大勝負、「モハメド・アリvsジョー・フレイジャー」でステイクされたタイトルを知らないボクシングファンはいないでしょう。
史上最高の名勝負と謳われる「シュガー・レイ・レナードvsトーマス・ハーンズ第1戦」でステイクされたタイトル、承認団体も誰でも知っています。
しかし、ずっと最近に行われた「メイウェザーvsパッキャオ」でステイクされたタイトルを、正確に記憶しているファンがどれだけいるでしょうか?
パッキャオのレガシーをコンクリートした一発殿堂メキシカン3人との死闘や、オスカー・デラホーヤ戦はメガファイトにも関わらず世界戦でないケースが珍しくありませんでした。
アルファベット団体のチャンピオンであるよりも、スーパースターであることが優先される時代に、アルファベットのベルトコレクションを完成させたのが、現代のUndisputed championなのです。
もっとわかりやすくていうと、4-Belt EraのUndisputed championたちは、カネロを例外に人気がないが故に、承認欲求を満たしてくれるツールとして4団体統一に向かったといえます。
パックメイには4つのベルトを集めて満たされる承認欲求などありません。彼らは、より注目される、より大きな報酬が約束されるメガファイト路線を突き進むだけでした。それなのに、承認団体の方が、バックメイのために勝手に作ったプレミアムベルトを貢ぐのでした。
4-Belt Eraではタイトルの重要性はどこまでも、存在が耐えられないほど軽くなっています。なにしろ、体重計の上で放擲されることすら珍しくないのですから。
もちろん、どんな時代であってもUndisputed championが、最高に尊い王者であることに変わりはありません。
ただ、あなたはどちらが胸躍るでしょうか?
①井上尚弥がスティーブン・フルトンと、ムロジョン・アフマダリエフを撃破して2階級でUndisputed championになるという確定事実。
②圧倒的不利予想の中で、ガーボンタ・デービスとのキャッチウェイト、ノンタイトル12回戦の交渉成立(まだ試合前)。
前回の話が途中でした。バンタム級のレベルのお話。
【2011〜2015年】評価=松の下=
井上が118ポンドに参戦する前夜の時代です。
2010年に長谷川穂積を〝番狂わせ〟で下したフェルナンド・モンティエルがPFP入り。
そして、すでにPFPファイターだった全盛期のノニト・ドネアがバンタム級に参戦してます。ドネアvsモンティエルは、オッズも専門家予想もミスマッチ、現実の結果もその通りになりましたが、実はPFP対決でした。
さらに、アブネル・マレスとレオ・サンタクルスという人気者に、「ドネアも勝てない」と言われた階級最強候補の最右翼アンセルモ・モレノもPFP入りと、一気に活性化します。
しかし、人気者はジュニアフェザーに上げ、劣化したモレノは伏兵中の伏兵ファン・カルロス・パヤノに敗れて、バンタム級はサンタクルス戦を熱望した山中慎介が粛々と長期政権を築く静かなクラスになりました。
もし、井上がこのニアミス時代に巡り合って、全盛期のドネアとモレノ、若きマレスにサンタクルスを撃沈させていたら…ないものねだりをしても始まりません…。
そのUndisputed championの玉座に、井上尚弥がついに鎮座しました。
これを偉業と呼ばずして、何を偉業と呼ぶのか。
ただ、プロボクシングの世界は、特に日本において、メディアはわざわざ誤解を呼ぶような表現を弄します。
「ボクシングの長い歴史で9人目の4団体統一王者」というのも、ボクシングをよく知らない人をミスリードする表現です。
この9人がボクシング史の歴代ベストナイン、あるいはそれに近いと誤解する人もいるでしょう。
そもそも、4団体になったのはWBOが発足した1988年です。正確にいうなら、WBOが主要団体として定着したのは90年代半ばですから、まだ30年も経っていません。
「ボクシングの長い歴史」「ボクシング史上」という表現をしてしまうと、近代ボクシング150年の歴史と誤解してしまいます。
4団体統一王者は、WBOが主要団体として定着した頃の1995年にバーナード・ホプキンスがミドル級で達成したのが最初で、9人目の井上尚弥が9人目、現実には「ホプキンスから27年の歴史で9人目」という表現が正確です。
「4団体統一」は、白井義男やファイティング原田は目指す必要もなく、大場政夫や具志堅用高にとっては目指すも何も4団体もなかったのです。
4-Belt Era、27年間で井上も含めた9人のUndisputed championが生まれました。
3年に1人です。
そのうちの7人は、2017年以降、つまり5年間という短い期間で〝量産されているのです。
また、そのリストにはこの時代を圧倒的に代表したオスカー・デラホーヤやフロイド・メイウェザー、マニー・パッキャオの名前がありません。
カネロ・アルバレスを唯一の例外として、残りの8人は地味すぎる実力者たちなのです。
こうした複数の事実を並べて考えると、4-Belt EraにおけるUndisputed championの輪郭がはっきりしてくるはずです。
「ボクシング史上9人目の4団体統一王者」も事実と言えば事実ですが、それだけでは真実がわからないだけでなく、大きな誤解が生じることになります。
タイトルの価値が地に堕ちた4-Belt Eraでは、ベルトよりもスターのパワーが強い時代なのです。
世紀の大勝負、「モハメド・アリvsジョー・フレイジャー」でステイクされたタイトルを知らないボクシングファンはいないでしょう。
史上最高の名勝負と謳われる「シュガー・レイ・レナードvsトーマス・ハーンズ第1戦」でステイクされたタイトル、承認団体も誰でも知っています。
しかし、ずっと最近に行われた「メイウェザーvsパッキャオ」でステイクされたタイトルを、正確に記憶しているファンがどれだけいるでしょうか?
パッキャオのレガシーをコンクリートした一発殿堂メキシカン3人との死闘や、オスカー・デラホーヤ戦はメガファイトにも関わらず世界戦でないケースが珍しくありませんでした。
アルファベット団体のチャンピオンであるよりも、スーパースターであることが優先される時代に、アルファベットのベルトコレクションを完成させたのが、現代のUndisputed championなのです。
もっとわかりやすくていうと、4-Belt EraのUndisputed championたちは、カネロを例外に人気がないが故に、承認欲求を満たしてくれるツールとして4団体統一に向かったといえます。
パックメイには4つのベルトを集めて満たされる承認欲求などありません。彼らは、より注目される、より大きな報酬が約束されるメガファイト路線を突き進むだけでした。それなのに、承認団体の方が、バックメイのために勝手に作ったプレミアムベルトを貢ぐのでした。
4-Belt Eraではタイトルの重要性はどこまでも、存在が耐えられないほど軽くなっています。なにしろ、体重計の上で放擲されることすら珍しくないのですから。
もちろん、どんな時代であってもUndisputed championが、最高に尊い王者であることに変わりはありません。
ただ、あなたはどちらが胸躍るでしょうか?
①井上尚弥がスティーブン・フルトンと、ムロジョン・アフマダリエフを撃破して2階級でUndisputed championになるという確定事実。
②圧倒的不利予想の中で、ガーボンタ・デービスとのキャッチウェイト、ノンタイトル12回戦の交渉成立(まだ試合前)。
前回の話が途中でした。バンタム級のレベルのお話。
【2011〜2015年】評価=松の下=
井上が118ポンドに参戦する前夜の時代です。
2010年に長谷川穂積を〝番狂わせ〟で下したフェルナンド・モンティエルがPFP入り。
そして、すでにPFPファイターだった全盛期のノニト・ドネアがバンタム級に参戦してます。ドネアvsモンティエルは、オッズも専門家予想もミスマッチ、現実の結果もその通りになりましたが、実はPFP対決でした。
さらに、アブネル・マレスとレオ・サンタクルスという人気者に、「ドネアも勝てない」と言われた階級最強候補の最右翼アンセルモ・モレノもPFP入りと、一気に活性化します。
しかし、人気者はジュニアフェザーに上げ、劣化したモレノは伏兵中の伏兵ファン・カルロス・パヤノに敗れて、バンタム級はサンタクルス戦を熱望した山中慎介が粛々と長期政権を築く静かなクラスになりました。
もし、井上がこのニアミス時代に巡り合って、全盛期のドネアとモレノ、若きマレスにサンタクルスを撃沈させていたら…ないものねだりをしても始まりません…。


コメント
コメント一覧 (3)
大場政夫の時代はWBA.WBCの時代
帝拳は時のWBC王者エンリケ、ペンダーと対戦の話があったみたいですが、やらなかったみたいです。
する概念、意味もなかったかもしれません。
大場も防衛をたくさんしてお金を稼ぎかったはずです。
多分名誉より、たくさんの財産を築くことだと思います。
渡辺二郎からでしょうか?
統一戦、海外防衛、
正統派タイトル奪取(バンタム級これは実現せず)
なにをおこない、なにを残せたか、
現在とは求めているものがちがうのでしょう。
フシ穴の眼
が
しました
フシ穴の眼
が
しました
フシ穴の眼
が
しました