1994年12月4日、名古屋レインボーホールで対決するWBCバンタム級団体統一戦。
王者は薬師寺保栄、暫定王者は辰吉丈一郎。
大方の戦前予想は「辰吉の序盤KO勝ち」に偏る中で試合直前に発行された「Sports Graphic Number354 12月8日号」は、辰吉の復活祭の〝予祝〟のような内容でした。
今夜は辰吉とビートたけしの往復書簡から。
たけしは8月にミニバイクで転倒事故を起こして頭蓋骨と顔面を骨折。右側頭部の顔面神経を損なう大怪我を負って、11月から雑誌での復帰を始めたばかり。
「よくぞ日本のボクシングがダメなこの時代に、辰吉のような選手を、残しておいてくれましたっていう感じだ」。
「俺に言わせりゃ、やっぱり7、8ラウンドまでいい試合をして、辰吉のKO勝ちが、ファンにとっては一番気持ちのいいことだよね」。
家庭を持って普通の社会人として、普通の毎日を送っている私には、ボクシングにしがみつく辰吉丈一郎の〝無様さ〟が羨ましくてたまりませんでした。
滅びの美学なんて言葉じゃ説明できない、辰吉が謳歌する自由の歌が聞こえたような気がしたからです。
「薬師寺には悪いけど、辰吉の勝ちだと思うな、完全に」。そう書きながら、たけしはこうも綴っています。
「今度負けたときの辰吉って、一番興味があるんだよ」。
そして…。
たけしの「今度」は、薬師寺戦になってしまいます。
そして…。
たけしが「興味」を刺激された、その通りに辰吉はまた立ち上がるのです。
あの「辰吉vs薬師寺」は、今では「日本人の最高報酬」でもなく、「視聴率39.4%」は具志堅と亀田興毅のそれぞれ2試合に後塵を拝する5位に過ぎません。
それでも、無様に七転八倒しながら、何度も立ち上がる辰吉の泥臭さ、無様さにこそ、このスポーツが内包する魅力が、間違いなく、ひとつ残らず、凝縮されていました。
王者は薬師寺保栄、暫定王者は辰吉丈一郎。
大方の戦前予想は「辰吉の序盤KO勝ち」に偏る中で試合直前に発行された「Sports Graphic Number354 12月8日号」は、辰吉の復活祭の〝予祝〟のような内容でした。
今夜は辰吉とビートたけしの往復書簡から。
たけしは8月にミニバイクで転倒事故を起こして頭蓋骨と顔面を骨折。右側頭部の顔面神経を損なう大怪我を負って、11月から雑誌での復帰を始めたばかり。
「よくぞ日本のボクシングがダメなこの時代に、辰吉のような選手を、残しておいてくれましたっていう感じだ」。
「俺に言わせりゃ、やっぱり7、8ラウンドまでいい試合をして、辰吉のKO勝ちが、ファンにとっては一番気持ちのいいことだよね」。
家庭を持って普通の社会人として、普通の毎日を送っている私には、ボクシングにしがみつく辰吉丈一郎の〝無様さ〟が羨ましくてたまりませんでした。
滅びの美学なんて言葉じゃ説明できない、辰吉が謳歌する自由の歌が聞こえたような気がしたからです。
「薬師寺には悪いけど、辰吉の勝ちだと思うな、完全に」。そう書きながら、たけしはこうも綴っています。
「今度負けたときの辰吉って、一番興味があるんだよ」。
そして…。
たけしの「今度」は、薬師寺戦になってしまいます。
そして…。
たけしが「興味」を刺激された、その通りに辰吉はまた立ち上がるのです。
あの「辰吉vs薬師寺」は、今では「日本人の最高報酬」でもなく、「視聴率39.4%」は具志堅と亀田興毅のそれぞれ2試合に後塵を拝する5位に過ぎません。
それでも、無様に七転八倒しながら、何度も立ち上がる辰吉の泥臭さ、無様さにこそ、このスポーツが内包する魅力が、間違いなく、ひとつ残らず、凝縮されていました。

コメント
コメント一覧 (3)
フシ穴の眼
が
しました
うらやましくもあり、幸せなのかもしれませんが、
その分年を重ね、夢の王座復帰は不可能になっていてます。
先輩の渡辺二郎のケースとちがい、
『僕はボクシングしかできひんから、
ボクシングしかやりたくないから、
ボクシングをやる』
辰吉はボクシングジムのオーナー兼会長は、むずかしいかもしれません。
辰吉のゴールはまだ先?まだ見えない?
フシ穴の眼
が
しました