ボクシング界、特に米国市場はメキシコを中心に回っています。


どうして、マニー・パッキャオは外国人の分際で差別感情と軽量級蔑視が強烈な米国でスーパースターになれたのか?

史上最高のプロデューサー、フロイド・メイウェザーが5月と9月、メキシコの記念日週間に対戦相手がメキシコ人であるとなかろうと、メガファイトをセットしていたのは何故か?

そして、なぜ、過保護なカネロ・アルバレスが不可解な判定を繰り返しながらも憎まれることなく、あれほどの人気を集めてきたのか?

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キング・ライアン・ガルシア、オスカル・バルデス、レオ・サンタクルス、アブネル・マレス…特別な選手に見えなくても、それが軽量級であっても「メキシコ」のルーツが人気を増幅させてくれるのです。

もし、井上尚弥がメキシカンなら、米国市場であそこまで軽視されることはなかったでしょう。

ボクシングは、そもそもが理不尽と不条理を煮詰めたような世界です。

そうはいっても、いくらなんでもこのパクス・メキシカーナは…。

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競技人口という視点からメキシコと日本、メキシコ、米国、英国を並べてみましょう。

データは今日のBoxRecから。赤字はそれぞれの国の最多階級と最少階級。

メキシコのプロボクサー人口は3164人で世界最多。しかし、数字だけなら米国の3136人とほとんど変わらず、米墨がコカ・コーラとペプシのように、トップ争い・交代を繰り返しています。

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日本が重量級になるとまともな選手を抱えることができず、英米が軽量級になると急激に層が薄くなるのに対して、メキシコは17階級にバランス良く才能を散りばめているのが一目瞭然です。

パッキャオが米国で大きな成功を収めたのは、人気階級に進出したからというだけではありません。米国市場へのファースト・インプレッションでメキシコのスター選手たちを殴り倒したからです。

メイウェザーの退屈な試合が大きな注目を集めたのは下劣な言動で人々の反感を煽ったからだけではありません。メキシカンがボクシングに興じるお祭りの時期に試合を設定したからです。

タラレバを語るのは虚しいだけですが、井上尚弥が激闘を繰り広げたのが米国で全く人気の無いノニト・ドネアでなくメキシコの人気者だったら…。

あるいは、井上が生まれるのがあと10年早かったら、バンタム級のリングにはマレスとサンタクルスがいました。 

パッキャオの巨大な成功がメキシコのスター選手を倒すことで点火したように、普通なら見向きもされない軽量級であっても「メキシコ」のスパイスが振りかけられると大きな試合、大きな興行に発展することがあります。

軽量級のビッグファイトを回想することは、メキシコの威力を感じ取ることでもあります。

次回から、ボクシングファンなら誰でも知っている軽量級のビッグファイトを10のテーマからおさらいします。



①【Zボーイズ=二人合わせて74戦全勝73KO、怪物の激突】 

②【宿命のプエルトリコFirst=サラテが沈む】 

③【宿命のプエルトリコSecond=サンチェスの宝刀】 

④【最軽量の100万$ファイト=メキシカンの血脈はジュニアフライをも輝かせた】 

⑤【プリンスの化けの皮=メキシコの春、ハメドの怯懦】

⑥【アラモドームの決闘=パッキャオが離陸したとき】 

⑦【メキシコ包囲網・Mission Impossible=パックマンが突き破った】

⑧【ゴールデンボーイの呪い=マレスが解いた!】

⑨【レオの物語=アブネル・マレス2連戦】 

⑩【レオの物語=フランプトン2連戦】